鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

その時歴史が動いた

1本目

 

順を追ってストーリーを書こうかと思ったんですが、急いで書いているので手短に(充分長い)


バグースで行われた、ギネス世界記録への挑戦を見学してきました。


どういう挑戦なのか、要点をまとめると

 


・15個の的球を使い、8番ボール以外はエニー、8番は最後に落とさなくてはならない

・8番も含め、すべてのボールはコールの必要無し。フロックもOK。

・シュートミスのペナルティは無し(ブレイクも入れる必要はない)

・ファールをした場合はキッチン内フリーボール。10秒のペナルティが与えられる(次のラックのスタートを10秒遅らせなくてはいけない。ブレイクスクラッチのペナルティは5秒)

・8番ボールを途中で入れてしまったり、8番を入れてスクラッチをしてしまったりすると、そのラックは無効になる

・3人以上で、1人1ラックずつ撞く(1球交代ではなく、1ラック交代)

 


こんな条件でとにかく速く撞き、1時間という制限時間内に27ラック以上消化出来れば世界記録達成でした。


そんな世界記録に、バグース専属プロである赤狩山P、塙P、西尾P、渡辺P、東條Pの5名に加えて、ゲストのじゅんいちダビッドソンさんを加えた6名で挑むというものでした。


2台使用し、片方の台で取り切ったら、即もう片方のテーブルでブレイクが出来るような態勢になっていました。


当然ポケットが甘い方が有利でしょうから、開催情報を初めて聞いた時に西尾Pに「テーブルコンディションについての指定は何かあるのか」と尋ねました。その時点では「特にない」というお話でした。


開口部がボール3つ分もあるような馬鹿みたいなテーブルはもちろんダメだが、ルールに則った範囲ならばこれといった指定は受けていないという話を聞いたのが開催の数週間前。


それが、開催の4日前でしたでしょうか。「WPAのプロフェッショナル競技用のポケットサイズでやらなければいけない事になりました」と西尾Pがツイートを。


WPAプロフェッショナル競技用のポケットサイズというのが良く分からんのですが、開口部がボール2個分+2~3mmとのこと。


練習で使うには甘めな部類に入るでしょうし、通常の試合でも問題ないと思いますが、スピードプールとなると。しかも本番間近に。この変更は大きかったんじゃないでしょうかね。

 


結果は皆様もうご存知だと思いますが、見事に世界記録達成。ただ、本当にギリギリもギリギリでした。


恐らく、当初の予定では27ラックは達成した上で、もう1~2ラックは行けると思ってたんじゃないでしょうかね??


最終ラックを撞いた西尾Pが1度ファールをしてしまったのですが、「ファールをした場合は、次のラックのスタートを10秒遅らせなくてはいけない」というルールが最終ラックではどう適用されるのかが分かりませんでした。もしその10秒が挑戦時間から引かれる(59分50秒以内に達成しなくてはいけない)ということだったのならば、27ラック目の8番を入れた時の残り時間は数秒だったのでは??ブザービーター状態ですよ(バスケと違い、今回のチャレンジは制限時間内にポケットインしていなくてはいけなかったはず)


迫る制限時間。難しい配置。後日別でネタにするつもりですが、ちょっとした事件もあり。


そんなメンタル的に追い込まれる土壇場でスーパーショットを決めまくる西尾Pは「凄い」の一言。


最後の8番なんかも、私だったら「一度ポケットに寄せてから、2度目で入れる」という選択をするかどうか悩む配置でしたよ。入れに行って外したらたぶん渋く残る。外したらそこでチャレンジ失敗でしたもん。


そんな場面でチョークを塗り、一息ついてから構えてズバッと8番を入れる西尾P。かっけー。

 

今回のチャレンジ。他の観客の皆様がどうだったのかは分かりませんが、私はギネスへの申請料を聞いていました。というか、以前にも他のジャンルでギネス挑戦に立ち会ったことが何度かあるので、「チャレンジフィーが高い」ってのは知ってました。


そういう面からも見ていてドキドキでしたねぇ。

 

挑戦開始から20分ほど経った頃だったか、「27ラック目を撞くのは誰なんだろ」と考えました。数えてみたら西尾Pだった。「お。大事な場面はやはりバグースの顔が撞くのね!」と思っていました。


27ラック達成出来れば世界記録。そこが一番肝心。28ラック以降は「出来たら良いね」くらいの感じだったでしょう。


6人でやりますので、1人4ラックは撞く。5回転目を必ず撞かなきゃいけないのは赤狩山Pと塙P、そして最後を締める西尾P。うむうむ。


最初は28~29ラックくらい行くんじゃないかと思っていたので「美味しい場面での西尾P」と思っていたんですが、実際には27ギリギリでしたので、「つらい場面での西尾P」に変わりました(笑)


先陣を切る赤狩山Pも大概プレッシャーはかかっていたと思うんですけど、やたらと安心感のあるプレー。さすがすぎる。


取りきりが上手いというだけじゃなくて、ラックの組み方もブレイクの仕方も一番上手かったですねぇ。


塙プロも東條プロも、かなり緊張していたようで普段は見られないような球撞きを目撃してしまいましたが、やっぱり「プロはすげーなー」って思ったし。


一番心配だったのが我らがサークルの先輩渡辺Pだったのですが、意外や意外(失礼)時間短縮にかなり貢献しているように見えました。


選手の中で一番スピードプールっぽくテーブルの周りを小走りしながら撞いていた渡辺P。


ご本人様曰く、走っていたのは「選手の中で一番下手なので(足を引っ張ってしまっても)『あいつ頑張って走ってたしな』と思ってもらえるように」みたいに言ってましたww けど足引っ張ってなかった。さすがや。


そしてゲストのじゅんいちさん。そりゃプロと比べたら下手なんですけど、上手いわぁ。メンタルも強いし。


撞きこんでいたのは昔の話であって今はほとんど撞いていないんだろうし、お仕事も忙しいでしょうから話をもらってから数回程度しか練習出来なかったと仰ってましたけど、良く入れるし、ミスをしてしまっても崩れないし。儂には無理じゃ。

 

正直、今回のイベントを観に行こうと思ったのは単なるミーハー心と、ちょっとした「盛り上げに協力しよう」という心と、「お世話になっているバグースやプロの方々のために」という心とが合わさったものであり「興味がある!」「楽しそう!」「すごく見に行きたい!!」って思ってたわけじゃなかったんですよね(;^ω^)


ルールの詳細に関しても、当日までろくに調べもしなかったくらいで。


でも、いざ行ってみたらすごく面白かった。ドキドキハラハラハラハラドキドキ。1時間があっという間。


「何故こんなに楽しめたのか」と考えているのですが、ちと更新を急ぎたくて考えをまとめている時間が無いので、その話はいつか考えがまとまったら。


とりあえず言えるのは「行けたのに行かなかった人は損したぞ」ってことですねww

 

 

2本目


ジャッジとして岡田Pと有田Pがいらっしゃっていました。ジャッジがファールを宣告する場面が何度か。


そんな中、ジャッジも気づかなった(もしくは迷っていた?)のに選手が即ファールを自己申告する場面がありまして、私は「普段の試合だとどうなんだろ」とか思っていました(その選手の場合は普段でも自己申告すると思いますが、一般的な話として)


ギネスチャレンジの場合、チャレンジ終了後に審査が行われます。


ファールをしたにも関わらずそのまま撞き続け、もしも審査でファールだとされてしまったら、そのラックの得点が無効になってしまいますし、場合によっては挑戦自体が無効になってしまう。


それと比べたら10秒のペナルティを負ってでもさっさと次に行った方がいいという判断が働くはずです。


選手自身がファールなのかセーフなのかの判断に迷った時も同様でしょう。「どっちだった?」と判断を仰いでいる時間はない。ファールにしちゃってさっさと次に行った方がいい。時間との戦いですからね。

 

でも、通常の試合でしたら、そりゃぁファールはしたくない。セーフの方がいいに決まっている。


人によってはチョロまかそうとする人だっているでしょう。


スピードプールの方がスポーツマンシップが発揮されやすい?などと思っていました(笑)

 

 

3本目

 

ギネス記録チャレンジを見に行った日は、私としては珍しく丸一日休みでした(1日の中では暇な瞬間ってのが多々あるのですが、丸一日フリーってことが滅多にない)


夜はギネス記録チャレンジを見に行くことが決まっており、それより前はといえば、なすみそさんとお会いしてまいりました。


比較的最近顔を合わせていた気がしてたんですが、2年半ぶり?それくらいだったらしい。


前回お会いした時とは私のブレイクキューが変わっているし、プレイキューにゴムが巻かれているし、何より突っ込まれたのが「フォームがコンパクトになっている」ということでしたw


前回時はバットエンドを持つようなフォームでしたからね。グリップ位置が拳2~3個分前に出た。レストの長さもグッと短くなり、ストローク幅も小さくなった。大きな変化ですな。


なすみそさんと球を撞きつつ色んなお話をしたんですけど、やはり面白いんです。


前にも書いたと思いますけど、何が面白いかって良い意味で考えている方向性が違い過ぎて面白いw


「自分だったらそんなことは考えようとも思わない」とか「興味はあれど自分だと面倒くさくて研究する気になれない」っていう部分をなすみそさんは追及してらっしゃるので、話を聞いていてとても面白い。ブログも見ていても面白い。


久しぶりになすみそさんとお会いして話をしていて、昨年お会いした栃木在住へっぽこA級さんと話が合うんじゃないかなーと思って話を振ったら、既に面識があったらしい。ってか、そういう話を聞いたことがあったな(忘れてた)


お2人がこれからやろうとしていることが、それはもう「ビリヤード好きだなぁww」「オタクだww」「自分だったら絶対に出来ない事なんで、楽しみです!」って思えるようなことで。


だいぶハードルを上げてしまった気がするけど、楽しみにしてます!!(笑)

 

 

 

P.S.

 

コンスタントに練習しないと勘が鈍ってしまい、鈍らせたくないから球を撞くっていう人も一定数いるんじゃないか?という思いから、興味本位でこんなアンケートを取っています。お手すきの時に投票よろしくお願いします。

 

26日までです。