「なんでプロにならないんだろう?」って思うくらい上手いアマチュア選手っておりますでしょう。
正業に就いている選手ならともかく、球屋で働いてビリヤード漬けの日々を過ごしているのにプロにならない。なんでだろ?って思ってしまうわけですよね。
噂はちらほら耳にします。「彼はプロになりたいんじゃなくて、自分の店を持ちたいと思っていてタイミングを図っている」人ですとか、「本人はプロになる気持ちがあったけど、(業界人である)親が反対している」人ですとか。
細かい事情は本人に聞いてみないと分かりませんが、他人事の勝手な推測話として最も出てくる意見が「アマチュアの方が儲かるんでしょ」っていうやつ。
プロになったら会費を払わなくてはいけません。年金くらいの額です。プロをやっていくだけで金がかかります。
一方、給料が出るわけじゃないですから、収入を得るためにはまず働かなくてはいけません。これはアマチュアでも出来ちゃいます。よほど人気と実力のあるプロでもない限りは「プロ」のメリットがない。
また試合の賞金にしたって、アマチュアとは比較にならないようなレベルの試合を勝ちぬいて、やっとわずかな賞金が出るくらい。勝てる確率が低いし、勝っても大してもらえないし。
(この間、某トッププロに「仮に年間の試合を全部優勝出来たとして、どれくらいの収入になるんですか?」という質問をして、かえってきた答えに愕然としましたね。分かっちゃいたけど、いざ具体的な額を聞いたら改めて「少なっ!」って思ってしまった)
だったら、勝てる確率の高いアマチュアをやってた方が良い。
そう考える人がいてもおかしくないのであります。
プロになることのメリットを作ろうとしたら、やっぱり賞金額をグッと引き上げることですよね。
アマチュアは出場不可。または入賞しても賞金は出ないという形の大会で、高額の賞金。
そうなればプロになるメリットが出てくるわけであります。
(あくまでも理想論であって、現状では不可能であることは分かっております)
これ、アマチュアのクラス分けも同じでしょう。
仮に正確なクラス分けの判断基準が出来たとしましょう。そうなっても、上がる気がない人たちは上がりません。
今がどうなのかは分かりませんが、少なくとも私がB級だった頃は「Bでやってた方が儲かるのだから、Aに上がる意味がない」と口にしている人が多数いました。
そういう人はたぶん今もいて、仮にA級昇格試験なんてものが出来ても受けないだろうし、強制的に受けさせられたとしても手を抜くだけです。上がりません。
なので、ダーツのように全ての対戦のデータを取るか、はたまた上のクラスに上がることのメリットを作り出すしかないわけでしょう。
上のクラスではないと出られない試合を作るですとか、上のクラスじゃないと賞典が出ないなどなど。
多くの人は「上のクラスに上がりたい!」「上のクラスの方が格好いい!」という憧れを持っているから上がっていくわけですけど、上のクラスに魅力を感じない人ってのも一定数いますからね。
そういうロマンの無い人たちにも伝わる魅力を、上のクラスに作らなきゃいけないんでしょうねぇ。