3本立て
1本目
「フォーム改造が趣味」と言っていた時代は終えたはずだったのに、最近またイジくってしまっております。
私も昔はそうでしたが、「完璧なフォーム(およびストローク)」ってもんを求めてしまう初級者は多いんじゃないでしょうか。
実際には完璧なフォームなんてもんは存在しなくて、どれもこれも一長一短。
長所が無くて短所ばっかりってんだったら改良すべきでしょうが、一長一短なのは普通であり、それ以上はどうしようもないのであります。
なにをフォームの長所として取り入れ、何をフォームの短所として練習でカバーしようとするか。そこの選択の問題。
RPGでのジョブ選びみたいなもんでしょう。
HPもMPも高くて、防御力も高くて、物理攻撃力も魔法攻撃力も高くて回復も出来ちゃう、、、、なんていうチートなキャラは存在しないのです。
上手くいかないのがフォームのせいなのか修練度の問題なのかはキッチリ把握すべき。
完璧なフォームなんて存在しない。それはとうの昔に悟ったこと。
今の私がフォーム改造をしちゃうのは、完璧なフォームを求めてというのではなく、ジョブチェンジ感覚なのであります。
「今はメッチャ球を入れたい気分」「今度はテンポ良く、ガンガンにキュー出していきたいわー」とか、その時の気分によってその欲求を満たしやすいフォームを変えてしまうという。
全くもって、勝負に向かん性格であります。
ただ、そんなジョブチェンジなんぞは本人からしたら大きな差であっても傍から見たら大差ないもんだと思っていたのだが、先月プロから「鈴木さんは、見る度に撞き方が変わっているから面白い」と言われた。
「今日はどういう球を撞くんだろうかと、ついつい見てしまう」とか言われた。
楽しんでいただけているのなら幸いです。
また別のプロから言われたことに、対戦するにあたって、私は多少のプレッシャーをプロに与えられているらしい。
プロからすると、トップアマは別として、C級もB級もA級も相手をしていて特に差はないと思い切り断言されてしまいました(笑)
直接的にこう言われたわけではないけれど、プロのレベルからしたらCもAも変わらぬ「格下」で終わりなんだろう。
そんな中、プロ曰く「10回顔を合わせると、1回くらいやたらと噛み合った球を撞いている」らしい私。
10回中9回は、全然ブレイクが当たってないとか全然球入れてないとかで箸にも棒にもかかわらないのだけれど、1回はプレッシャーを感じる球を撞いているらしい。
10回中10回、いつ見ても安定して「普通のA級」の球を撞いている人よりかは、不安定な私の方が「今日は9割の方が来るのか1割の方が来るのか」というプレッシャーがあるんだとか。
これ、褒められてる?馬鹿にされてる?(笑)
2本目
また別のプロとのお話。
某店にて一人転がし。
「○○プロがいらっしゃるなー」とは思っていたけれど、面識が無いので特に会話も無く。
数週間後、また一人転がししに行くと〇〇プロから「××日にもいらっしゃってましたよね」と声をかけていただく。
自分でも前回いつ来たのか覚えていなかったのでプロの記憶力に驚くと共に、そんだけ見てもらってたのかと嬉しいやら恥ずかしいやら。
その後、私の球の印象をいくつか話してくださった。
初対面ということで社交辞令も込めてでしょう。長所をたくさん挙げてくださったのだけれど、若干「それって褒めてるのか?」って内容がw
・キューが切れなそうなフォームなのにキューが切れる
これはちょくちょく言われます。たぶん、頭の位置が低くて窮屈なフォームだから、あんまりキューが切れなさそうに見えるんだろうな。
手首と指に頼ったストロークをしてしまうのがブレイクでは短所になっているんじゃないかと思っている私ですが、プレイでの限られた動きの中でキューを切らしたい時には長所になってんじゃないかなーと、なんとなく思っています。しらんけど。
・ショットスピードコントロールのセンスがある
これ、初めて言われました。
プロ曰く、力加減を何段階で撞き分けられるかって、プロ選手の中でも得意不得意があるらしく、私はセンスがあるらしい。
ただ「アマチュアでスピードコントロールのセンスがある人って、撞点が甘くなりがちなんですよねw」って、それはまさに俺や!!
褒められてんのか貶されてんのか、どっちだ!
・プレイとブレイクで全然違うフォームを使い分けられているのが凄い
プロ曰く、私のプレイとブレイクでかなり撞き方が違うらしく、それぞれで結果を出しているのが凄いとのこと。
が、プロに「凄い」と言われたって「普通のA級としては」という話だろうし、その日はたまたまブレイクが当たっていただけだし、プレイとブレイクの撞き方が全くの別物になっているのは単にブレイクの撞き方が定まっていないからってだけだし。
あんまり褒められている気がしないやつだし、プロも褒めている気はないのかもしれない。
地味に一番嬉しかったのは、クラスを名乗ったわけでもないのにAクラスという前提で話が進んでいたことでしょうかね。
3本目
年々、球撞きが地味になって行っている気がします。
私だけの話じゃなくて、プレイヤー全体の。
恐らく、最大の要因は道具の進化なのでありましょう。
ショットスピードは控えめになり、手球の動きも小さくなり。
それに伴ってランアウト率が上がり、派手な球を撞くのが好きなプレイヤーも今まで通りに撞いていたのでは勝てなくなり、プレイスタイルの変更を迫られ。
初級者の憧れになるような上位の選手達が地味な球を撞くもんだから、真似をする初級者達も地味な球になり。
「好き」「楽しい」という観点からハードショットをしたいプレイヤーも、地味な球を撞くプレイヤーに対して分が悪く、なかなか我を通せない毎日という。
昔に比べて、キューを大きく振る人が減ったなーとも思います。
近年のトレンドは「最少の振り幅で最大の力を」かなと勝手に思っています(笑)
私、初級者の頃は大きく振ることを目的としてストロークを構築してしまっておりました。
その後、年々ストロークを小さくしてはいるのですが、まだ昔の癖は抜けきらない。ストロークが大きい。無駄が多い。
さらにどんどん無駄を減らそうとしていると、段々と「最少のふり幅で最大の力を」という方向性のストロークをするセンスが自分にはあるんじゃないかと思えるようになってきました。
そう思えたのは、繰り返しですが私のストロークが手首や指に頼ったものであるから。
ストローク動作には肩〜指の関節が関わってくるわけでして、私はブレイクに関して「それぞれの連動のさせ方が分からん!」といつも嘆いているわけでございます。
また、私は手首や指に頼ったストロークをしてしまっていて、それがハードブレイクをする上ではネックになってしまっているのではと推測しているのですが、一方でプレイでは長所と言えるんじゃなかろうかと。
ハードブレイクをしようとした時のような、極端に強い力は小さな関節には出せないけれど、プレイで使う範囲内の力となると小さい関節の方が「小さい振り幅で速く振る」がやりやすいんじゃないかなー。
手首や指の動作が力を発揮しやすいのが「切る」という動作だと思います。
「キュー切れ」というくらいなので、押し引き捻りのスピンを乗せる動作を「切る」っていうイメージでたとえていますが、その切る動作は肘とか肩とかでは出しづらい(というか出せない?)んじゃないかと、なんとなく思っています。
色々と後が怖いんで名前は伏せておきますが、とある世界的なプロの球を見ていて「力強いストロークしてるのにキューが切れないなー」って、失礼なことを思っておりました私。
同じように「キューが切れそうなのに切れない」っていうストロークをするプレイヤーはしばしば見かけることがあり、そのプロも一緒だったんですけど、言わば「助走は良いのに踏み切りが下手(というか踏み切ってない)」って感じなんですよね。
ダダーーーッと走ってきて「お!」と思わせるのに、踏み切りで失敗して突っ込んでしまって「あれっ」ってなるっていう。
その踏み切りの核となるのが手首や指の使い方であり「握り込み」なんじゃないかなーと思うのですが、いかがでございましょうか。