鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

各段階でのイメージ

元々私は早寝早起き生活をしておりまして、在宅勤務が増えた今もその生活を変えていないのですが、時々遅寝早起きになってしまいます。


昼夜逆転気味なキッケー氏という人とのLINE球談義が、私が寝ようと思った頃から始まり数時間続くものですから、その分寝るのが遅くなってしまい睡眠不足です。


きっけー氏に責任を取ってもらおうと思っている鈴木です。こんばんは。

 


とある日のLINE球談義のお題は「インパクトのイメージ」でした。


他のスポーツの理論をビリヤードに落とし込もうとすることが多いきっけー氏。今回はゴルフのインパクトから着想を得て

 

・クラブヘッドの軌道に、たまたまボールがあるイメージ

・ボールをバチーンと叩くイメージ

 

の2つを挙げ、そのどちらが正しいかについて語っておりました。


私はゴルフのことは全く分からないですけど、この話を聞いてまず私が思ったのは「クラブヘッドの軌道に、たまたまボールがあるイメージ」というのと「ボールを叩くイメージ」というのは果たして全く別のことなんだろうか?重なる部分もあるのでは?ってか同じなんじゃ?ということでした。


「ボールを叩く」が目的だとして、「クラブヘッドの軌道に、たまたまボールがあるイメージ」はそのための手段なんじゃないの?と。

 


ビリヤードにおいて、私はインパクトのイメージが何種類かあります。

 


・キュー先を手球にブツけるイメージ

・右手を特定の場所まで運ぶイメージ

・キュー先をどこまで出すかをイメージする

 

 

もう1種類あるんですけど、それは割愛。


この3つ。どれもやろうとしていることは一緒です。タイミングよく手球をとらえることが目的で、そのための手段が違うっていうだけです。


普段は「右手を特定の場所まで運ぶイメージ」なんですけども、調子が悪い時や新しいことを試している時に「右手を特定の場所まで運ぶイメージ」が上手く機能しないことがあります。そんな時には、他の2つに切り替えます。


きっけー氏のいうゴルフでの「ボールを叩くイメージ」に最も近いのは「キュー先を手球にブツける」なんじゃないかと思うんですけど、これって「そのイメージで良いインパクトが出来たら、苦労はしないよ」っていう案件じゃありません??出来る人にとってはそれでいいけど、出来ない人には何も伝わらないっていう。


言わば「『良いインパクトをしよう!』と思えば、良いインパクトが出来る」と言ってるようなもんです。

 

 


天才かっ!

 

 


って話ですもんね。


私の中にある「キュー先を手球にブツけるイメージ」と「右手を特定の場所まで運ぶイメージ」は、キュー先に意識を置くか右手に意識を置くかの違いであり、やってる事は完全に一緒です。右手とキュー先は連動してますから。


「キュー先をどこまで出すかを決める」は一見全然違うことをやっているような気がしますけど、結局は一緒だと思うんですよ。


キュー先の終着点を変えれば、インパクトの仕方も変わる。インパクトが一定ならばキューの終着点は一緒だし、キューの終着点が一緒ならばインパクトも一緒(あくまでも、1人のプレイヤーが、同じストロークを出来た場合の話です)


イメージの仕方が違うだけで、やってる事は一緒。


で、「キュー先を手球にブツけるイメージ」がキッケー氏の言う「ボールを叩くイメージ」であり、「キュー先をどこまで出すかを決める」がきっけー氏の言う「クラブヘッドの軌道に、たまたまボールがあるイメージ」なんじゃないかと思うので、結局は一緒じゃない?と私は思ったわけですよ。 

 

 

「イメージの仕方が違うだけで、やっていることは一緒」というのが推測の1つ目で、また別にもう1点推測したのが「目的と手段の差ではないか」ということでした。

 

度々ネタにしている、「出来る人のイメージ」と「出来るようにしようとしている人のイメージ」は別ですよ、ってやつです。


以前にブログでだったかTwitterでだったか忘れましたけど、「タイミングをどうやって修正していますか?」という問いかけたことがありました。


「タイミングをどうやって取っていますか」ではなく「タイミングをどうやって修正していますか」ってところがミソです。


「タイミングの取り方」ってのは、タイミングの正解が分かっている人にしか話せない理論じゃないですか。正解が分かっている人にとっての、再現性を高めるための理論ですよね。


私のような凡夫は、明確な正解のイメージがありません。ですが、撞いてみた結果として「今のはタイミングが早かったな」「今のは遅かったな」程度には感じ取ることが出来るので、次にショットをする時のために「タイミングをどうやって修正するか」という方法論が大事になってきます。失敗から成功へと近づけていくための理論です。


さらに私よりも下の人となると、正解なんて分からないし、今撞いたショットのタイミングが良かったのか遅かったのか早かったのかも分からないっていう状態だと思うんですよ。正解なのか失敗なのかも分からない状態。


正解が分かっていて高確率でその正解を再現できる人が「ボールを叩くイメージ」で、正解を探ろうとしている人が「クラブヘッドの軌道に、たまたまボールがあるイメージ」なんじゃない?ってのが2つ目の推測です。

 


「クラブヘッドの軌道に、たまたまボールがあるイメージ」は、ビリヤードで言う「キュー先の終着点をイメージする」と同じなんじゃないかと上で書きました。終着点をイメージするっていうやり方、聞いたことありませんか?

 

私の周りでは度々話に出ますし、雑誌の特集などでプロがオススメしているのを見たこともあります。


「ここまでキューを出すぞ」という具体的な地点を決めてストロークするわけですが、そうなると「じゃぁ、どこまで出せば良いの?」という疑問に思ってしまう人も多いと思います。


こういうのは分からない人が頭を捻っても正解が出せるわけがないですので、「とりあえずやってみる」「とりあえずやってみて結果を見ながら探っていく」ということが肝心になると思います。

 

 

初級者向けに、探り方の1例を。


ラックを組んで、プレイの撞き方でフルショットをしてみたとします。そうすればアプリでもスピードの計測ができ、数値で出ますよね。


まずは終着点を決めず「いつも通り」で撞いてみて、その時のキューの終着点を基準にしてみましょう。その「いつも通り」でのスピードが20kmだったとします。


2回目では、1回目で決めた基準よりも少し先まで出すイメージで撞いてみる(もちろん、同じ力加減で)そうしたら今度は18kmになってしまったとします。「さっきの方が良かったな」ということになりますよね。結果が悪くなっているわけですから。


3回目には、「基準よりも手前に終着点を置いてみよう」と思って撞いてみる。そしたら22kmになった。「これが今までの中では一番良いな」となりますよね。


もっと色々な終着点を試してみる。細かく刻んで試してみる。その中でベストな結果が出たものを「正解」と位置付けるわけです。


そのように、正解が分からない人が正解探しをする手段として「終着点を決める」ってのは良い方法だと思っています。「キュー先の終着点」という、目に見えた部分で調整が出来るわけですから。


キュー先の終着点を変えますと、ストロークが結構変わります。軌道も変わるし、どこら辺からキューが加速し始めるかも変わるのでタイミングも変わるし、MAXスピードも変わるだろうし。


何が正解か分からないから、とりあえず下手な鉄砲を撃ちまくってみて、その中からベストを結果が出た撞き方を採用する。そういう作業をする際に「終着点を決める」という方法はかなり有用なんじゃないでしょうか。

 

(また、終着点を確認しておくと「同じストロークをしたつもりだったのに終着点が変わってしまっている。同じストロークが出来ていなかったんだ!」と気づくことも出来ます)


というわけで、「クラブヘッドの軌道に、たまたまボールがあるイメージ」でゴルフをするのは、タイミングを模索中な人にとってのイメージなのでは?というのが2つ目の推測だったわけです。


C級とB級とA級とSAとプロとじゃ、イメージが同じなわけがないですからね。


上を目指すのであれば上の人達がもつイメージに近づけられるようにしなきゃいけませんが、今すぐそのイメージを採用して結果が出せるわけがない。出来たらそれは天才です。


上の人達のイメージに近づけるためのイメージってのが別に必要なわけでありまして、下級者のイメージが上級者と違うからってそれが「不正解」というわけではないかもしれない。手段と目的、過程と結果の差かもしれない。


そういう目線は持っておくべきかなと思います。