3本立て
1本目
ある日ある時、昼ご飯を食べておりましたら、隣のテーブルの会話が耳に入ってきました。おば様2人が趣味のテニスの話をしていたのです。
おば様方でサークルを作り定期的にテニスをやっているようなのですが、基本的に全員初級者なのだけれど、1人だけ頭抜けて上手い人がいるらしい。けども、最近はその上手い人があまり参加しないとのこと。
お2人曰く「私たちが下手すぎて来ない」「〇〇さんはもっと上手い人とやりたいらしい」「そりゃそうよねぇ(笑)」とな。
そんな話を聞いていて私が思ったのは「下手であることを自覚しつつも、それを気にせず楽しんでいる様子のこのお2人の接し方は良いな」ということと、もう1つは「その上手い人も意識が高くて良いな」ってことでした。
いるじゃないですか。コミュニティの中で相対的に上手いということで調子に乗る人。自分よりも下手な人ばかりを相手にして楽しんじゃう人。
歳を取れば取るほどそういう人が増える傾向にある気がしますが、話に出てきた人はそうではなく上達意欲がまだまだ衰えていないもよう。素晴らしいことだなと思いました。
2本目
意識高い系のビジネスパーソンが横文字を使い過ぎて、もはや何を言ってるのか分からない、、、、みたいなのが度々ネタにされてますよね。
「専門用語をこんなにスラスラ言えちゃう俺凄い!」と思ってんのか、それとも自覚が無いのか、どっちなんでしょうか。
以前に私が銀行に行った時の話もしませんでしたっけ。最初に応対してくれた若い行員さんは、非常に手早くサクサクと作業を進めてはくれるのですが、専門用語が多すぎて素人の私は頭に「?」がいっぱい浮かんでいました。途中から引き継いだベテランの行員さんは、私にでも分かりやすい一般的な言葉を使って説明してくれたので、すごく分かりやすかったのです。
この若手行員さんの場合は自覚が無いんだろうなぁと思いました。自分の言葉が相手に伝わっていないことに気づいていない。
球屋でも、一般の人や初心者相手に専門用語を使いまくって教える人、いますでしょ。相手には全く伝わっていないのにそれに気づいていないっていう。
最近も見かけました。一般の人相手に用語の説明も無しにブリッジがどうこう、撞点がどうの、キューレベルがどうこう、、、、伝わるわけないやん。
今回のネタを書くキッカケはさらに別です。
初心者相手に専門用語を使いまくりながら教えているAさんがいて、AさんにBさんがダメ出しをしていました。「そんなの、初心者に伝わるわけがない」「かみ砕いて説明してあげなきゃ駄目」「『そんなの常識だろ』なんていう態度でいるようでは、教える資格がない」とかなんとか。
うんうん。仰る通りだと思います。私もそう思います。
ところがBさんったら、ネット上でネットスラングを使いまくる。そして素人さんが「分かりづらい」と指摘をすると「こんなの常識だろw」「分からないなら勉強しろ」とか言ってたんですよねぇ。。。
ほんと、他人事として観察しているとブーメランっぷりが酷い人ってすぐ目につきますよね。「自覚を持て」って思っちゃいますけど、私も気づいてないだけで、そういう行動たくさんしてるんだろうな。。。
3本目
B級の頃や底辺A級だった頃。「入れ倒し取り切り」は恥ずかしいことだと思っていました。
出しミスをしたのに無理やりリカバリをするですとか、フロックにも近いような出しを決めてしまうですとか、そういうショットをするのが恥ずかしいと思っていたのです。
何度かブログネタにしたこともある「当て出し」が良い例です。
出しをするにあたって、手球がどうしても他の的球に当たってしまうような場合ってありますよね。狙った通りに決めるのは難しいです。私は今でも全く正確には撞けません。
(そういや、この間の公式戦にて1球だけ、物凄く狙い通りの当て出しが出来たことがあったなぁ。邪魔な的球に狙い通りに薄く当てて、そっから押しの捻りがきいてキュンキュンに手球が走るっていう)
B級~底辺A級だった頃はなおさら狙い通りの当て出しをするのは難しかったわけですが、「正確に出すのは難しいが、適当に当てておけば最低限の出しは確保される」ってな場合もあるじゃないですか。出たとこ勝負ではあるけれど、隠れたりスクラッチしたりするようなことはなく、次につなげられることはほぼ確定しているっていう。
そういうショットを、今は何も気にせず撞くんですけど、昔は相手が自分よりも上手い人だと「『フロックみたいな出しをしやがって』と思われるんじゃないか」という被害妄想を抱えてしまい、撞けなかったんです。
今は気にしなくなった理由というのが2つあって、1つは自分の腕前に一定の自信が持てるようになったことです。
被害妄想ってのはやはり自信が無い時に抱えてしまうものですからね。自信が持てるようになれば、あんまり気にならなくなります。
そしてもう1つは「『フロックみたいな出しをしやがって』なんて考える上級者は滅多にいない」「上手い人ほど、入れ倒せることの強さを分かっている」と理解出来たことです。
歴の中で色んな上級者の話を聞きました。汚い取り切りを馬鹿にする人は一定数いることが分かりました。けども一定数であって大半の人は「過程はどうあれ、取り切れるが勝ち」「プレッシャーのかかる場面で入れ倒せるのは強み」という考えを持っていると知ることが出来ました。
取り切ることが先。取り切り方の美学は後。取り切ることが目的であり、取り切り方は手段である。目的を達した人を馬鹿にする謂れは無い。
そう考える人が多いと知ることが出来、私自身もそういう考えになりました。
入れ倒し取りきりを馬鹿にするのは、トッププロかまたは初級者だと思っている。
— 鈴木さんちの鈴木 球版 (@billiblo) 2019年8月10日
中間層は入れ倒すことの難しさと価値を分かってますからね。
こんなツイートをしました。
こういう書き方をすると「トッププロは全員入れ倒しを馬鹿にする」「初級者は全員入れ倒しを馬鹿にする」とも読み取られかねませんが、私が言いたいのは、入れ倒しを馬鹿にしてくる人が一定数いて、その一定数の人はトッププロか初級者かに分かれるってことです。
しばしば言っている「一流と三流は主張が一緒」ってやつです。
入れ倒しを馬鹿にするトッププロですぐに頭に浮かんでくるのがレイズですねw
世界チャンピオンになったプレイヤーに対して「彼は入れに傾倒し過ぎだね」というコメントをするっていう。世界チャンピオンになってすらなお「入れ倒し」と言われてしまうっていう。
まぁ、トッププロってのはそういう世界なんでしょうかね。私には一生分からないことであります。
トッププロの世界ってのはシビアなので、トッププロ同士で牽制しあいながら研鑽を積むのかなーなんて想像しております。
ってことで、「トッププロの中には、同じようなレベルの選手の入れ倒しを指摘する人がいる」という意味であって、トッププロが我々一般アマの入れ倒しを馬鹿にしてくるっていうことではありません。
トッププロで、一般アマの入れ倒しを馬鹿にするような人っているのかなぁ?いるかもしれないけど、少数じゃないですかね(レッスンを受講している生徒さんにダメ出しをするってんなら分かります)
私が主に言いたかったのは初級者の方です。初級者の方にしても、他人の入れ倒しにダメ出しをするのは一部に限られますが、その一部の人ってのは自分より上手い人に対してまで駄目だししてくるんですよねぇ。厄介です。
理想と現実の差が見えてなくて、理想論ばっかり口にして、それを自分よりも上手いプレイヤーにまで当てはめようとする初級者ってたまにいますでしょ。
ツイートした中間層ってのは、理想は持っているけれど現実も見えているレベルの人です。地に足のついた知識を持っている人。
そういう人達は入れ倒せることの重要性を分かっているから、他人にダメ出しをするような人も少ないっていう印象です。
ツイートから、私の言いたかったこと伝わりましたかね?
ツイートを読み返したら「どうも曲解されそうなツイートだな」と思ったもんで、急いで1ネタ書いてみましたw
ちなみに、中間層でも「あまり上達を目指しておらず、勝ち負けよりも勝ち方の美学を追い求めるような人」は、他人の入れ倒しにダメ出しをするような人もいますね。。。
ツイートしてからその事実に気づいたので追っかけツイートもしました(笑)