鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

口汚い指摘の方が記憶に残る

 

他人の誤りを指摘する時は「言い方が大事」って言われますよね。相手を馬鹿にするような指摘の仕方や、相手を罵るような言い方は駄目であると言われますよね。

 

それって本当に正しいのでしょうか??



私が指摘される側だった時のことで思い出されるのがH氏の存在です。H氏はだいぶ歳の離れた歳下のプレイヤーでしたが、私が何かしらの読み間違えや言い間違えをした時の指摘の仕方が「ニヤニヤし、大勢の前で嘲笑しながら指摘をしてくる」という非常にムカつく形でした。

 

私相手だけではなく、誰に対しても同じ。SA様相手にも同じ。当然のように嫌われておりました。

 

ただ、H氏から指摘を受けたことで、私は自分のミスをハッキリと自覚し、修正しました。

 

ムカつく指摘を受けたことで記憶に残る。印象が強烈。忘れることができない。今でも指摘された時のことが頭に浮かんできます。

 

H氏の指摘の仕方はムカつくけれど、私が間違っていたというのも事実。「H氏ムカつく」という記憶とともに自分の間違いもしっかり記憶されますので、以後間違えないんですよ。

 

こういうことがありますと「相手を馬鹿にするような指摘の仕方も、間違いとは言い切れないのでは?」と思えてきます。

 

馬鹿にするような指摘をすることで

 

  • 相手から嫌われる
  • 相手にストレスを与えることになる

 

というデメリットがあります。一方で

 

  • 相手の記憶に強烈に残ることで、相手の反省を促す

 

というメリットもあるんじゃないでしょうか。少なくとも、私が指摘をされる側だった場合はそう。



 例を変えます。

 

この間ちょろっと書きました、「登山部は救助の仕方も習うらしい」という話。

 

完全に山を舐めている装備で遭難しかかっている初心者を見かけた時。「アホか」「舐めてるのか」などと声をかけたら相手はヘソを曲げて言うことを聞かなくなり、救助ができなくなり相手はそのまま遭難してしまう可能性が高い。なので本音は隠しつつ、相手がこちらの指示に従ってくれるように上手く誘導するための会話術を学ぶのだそう。

 

実例として挙がっていた冬の富士山での初心者救助話では、無事に救助に成功したそうです。

 

ただ、救助された初心者には反省した様子は見られず、救助してくれた人達に対する感謝の言葉もなかったそうな。

 

優しい声かけをすることで、目の前で遭難しかけている人を助けて命を救うことはできた。けれど、相手の反省を促すことはできなかった。

 

  • 反省はしないが命は助かる
  • 反省と後悔をしながら死んでいく

 

この二択だとさすがに後者は選べないですけど

 

・場を荒らさず、みんなの精神衛生が保たれる。ただし反省はさせられない。

・場が荒れ、喧嘩になる。ただし反省は促せる。

 

この二択だったら。この2つしか選択肢がなかったら。後者の方が良いとも言えますよね?




 私自身は

 

  • 優しく指摘されると、その場では反省するがしばらくして忘れる
  • 口汚く指摘されると、その場では反省できないが、後々反省をし忘れない

 

こういうタイプです。

 

  • 優しく指摘されても口汚く指摘されても、ちゃんと反省をする

 

こういうタイプの人もいるでしょう。こういう人相手であれば、優しく指摘するほうが良い。

 

  • 優しく指摘をしてもらえば、しっかり反省する
  • 口汚く指摘をされたら、ストレスのあまり反省ができない

 

こういう人相手でも、やはり優しく指摘をした方が良いでしょう。

 

  • 優しく指摘をされると、反省したそぶりを見せるだけですぐに忘れる
  • 口汚く指摘をされると、反抗するだけで反省しない

 

こういう人はどうしたらいいんでしょうかね。「何をやっても反省しない」って人、結構いますでしょ?私がブログで馬鹿にしている下級者ってのは、このタイプですね。

 

 

 というわけで、「相手の反省を促す」を目的とするのであれば、優しく諭した方が良い相手もいるし、口汚く叱った方が良い相手もいるので、一概には言えないでしょう。煽った方が上達するタイプの人は実際いるわけですし。

 

「人は優しく褒めて伸ばすべき!」という主張をする人っていますけど、それも例によって主語を大きくしているだけであって、本音は「私は褒められたい!」ですよね?

 

「指摘をする際は言葉を選べ」というのは「汚い言葉使いをするな」ではなく「相手に合わせて言葉を変えろ」が正しいんじゃないですかね。