鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

読んで字のごとく

 

1本目

 

皆様、賞味期限と消費期限の違いって知っていますか??アバウトなイメージは誰もが持っていると思いますが、正確な定義を説明できますか?


細かい話は割愛するとして、私はちょっとだけ勘違いをしておりました。


そして、同じ勘違いをしていた人にもこの情報を伝えたところ、「言葉の使い方がおかしい!」「勘違いさせるような言葉を使うな!!」と激高。困ったもんですね。


そんな出来事の話を皮切りに私が今回ネタにしたいのは「読んで字のごとくの解釈では、勘違いに繋がる言葉」であります。

 


また話が横道にそれますが、台湾の「凍頂烏龍茶」について話していた時のこと(ご存知ないという方は、美味しいので、是非飲んでみてくださいませ。お値段ピンキリですけど、、、)


凍頂烏龍茶」という字面を見た人から「凍頂ってどういう意味?」と聞かれた私。知らなかったので調べたら、地名だそうな。凍頂山という山が台湾にあるらしい。


質問してきた人は「雪山かぁ」などと言い始めましたが、台湾です。温かいです。実際、凍頂山は常に木々が青々としている温かい所だそうです。


凍頂という名の由来までは調べてませんが、とりあえず寒い山ではないそう。もし私が調べて否定をしなかったら、質問主は勝手に「凍頂山は雪山」「凍頂烏龍茶は雪山のお茶」などと勘違いしたまんま今後の人生を生きることになったのでしょう。


昨日「推測が下手な人」という話をチョロっとしました。推測が下手でドソッポなくせに、なぜか自分の推測が正しいと思い込み、それ以上追及しようとせずに、間違った知識のまんま過ごしてしまう人がいると。


そういう人にとって「読んで字のごとくではない言葉」ってのは鬼門でしょうね。ミスリードしまくり。


ビリヤード用語にも色々と読んで字のごとくではないものがあり、しょっちゅう例示しているのはブレイクでの「体重移動」ですね。初級者が「体重移動」という言葉から読んで字のごとくのイメージをしてしまうと、大抵間違う。


先月今月とネタにした「芯押し」もでしょうか。字面からは芯を撞いて押す球といった印象を受けますが、実際には芯を撞いて押せるわけもなく。


他にも列挙したらキリがないほどミスリードに繋がりそうな用語があります。「分かっている人には伝わる」「出来る人には伝わる」という類の言葉は、多くの場合において知らない・できない人には勘違いの元になるんじゃないかなと思います。


知らない側は「自分の認識は間違っているかもしれない」と常に疑い、知っている側は「相手に正しく伝わっていないかもしれない」と常に疑う。お互いにそういう姿勢が必要ですね。


ありがちなのは、知らない側は「自分の認識は正しい」と思い込み、知っている側は「相手に伝わっている」と思い込むわ、いざ伝わっていなかったとなった時に「常識がないなぁ」と相手を小馬鹿にし出すっていうパターンですね。。。いくない。

 

 

2本目


「人によって言うことが全然違うから困る!」ってな初級者の愚痴は良く聞きます。


初級者が上級者の意見を参考にしようと思ったのに、人によって言うことがバラバラで統一性がない。時には真逆のことを言っていたりする。どれを参考にしたらいいのか分からない!ってやつですね。


私も困ることは多いです。プロの意見を参考にしようにも、プロによって言ってることが全然違うなんてことが普通にある。

 

人によって意見が違うという場合、大きく2パターンあると思っています。

 

 

・実際問題として考え方がバラバラ

・表現が違うだけで、実は言っていることは一緒

 

 

今回ネタにしたいのは後者です。


分かる人・できる人には「表現が違うだけで、言っていることは一緒」と分かるのだけれど、出来ない人にとっては「人によって言っていることが全然違う!」となってしまうような表現。たくさんあると思います。


「そういう表現は多いよーー」とか「こういう表現とこういう表現は実は同じこと言ってるんですよー」とか、そういう啓蒙活動は必要かと思いますが、表現を統一すべきかとなると私は統一しない方が良いと思います。色んな表現があった方が良いと思う。


というのも、どんな表現が聞き手(読み手)にとっての「読んで字のごとく」「聞いて言葉のごとく」になるかが分からないから。


全く同じことを指している表現が5つあったとして、4つは全くピンと来なかったけど5つ目でピンと来るってこと、あると思うんです。


かつ、ある人は1つ目の表現でピンと来たが、別の人は3つ目の表現でピンと来て。さらに別の人は4つ目の表現がシックリきたってことが普通にある。


伝わる言葉が聞き手によって違うから、表現はたくさんあった方が良いと思うのだ。繰り返しですが「そのどれも同じことを指してるんですよ」という情報とセットにするという前提があっての話ですが。

 

 

3本目


少々前に、きっけー氏にアドバイスををして改善を即したストローク論の話をしましたが、その内容は大雑把に言えば「握り込み方」でありました。


握り込み。これはストロークの非常に重要な動作だと思います。


「『握り込み』ではなく『絞り出し』だ!」という話も一時期流行りました(ネット上でw)


表現の仕方は色々ありますが、これもまた前述した通り「出来る人が、あえて言葉にすればこうなる」という話なので、言い方は色々ある。言い方が複数あるだけで、示している内容は一緒です。


出来ない人からすると「握り込み」と「絞り出し」が同じことを指しているだなんて思えないはず。それぞれに全く別の動作をイメージしちゃうんじゃないでしょうか。どちらかであれば正解にたどり着いたが、もう一方だとドソッポになるなんていう事もあると思います。


今まで、面と向かって球談義をしている時に「握り込み」について否定されたことは無いです(否定されたことはないが、理解してもらえなかったことはある)


自然と「握り込み」で話が通じるか、「握り込み」ではピンと来なかった人も、説明をしているうちに「あぁ。あの動作ね」とピンと来るとか。


はたまた、ピンとくるイメージがなかった初級者相手でも、手取り足取り教えれば「なるほど。これが『握り込み』なのか!」と分かってもらえました。


が、ネット上だと握り込みを否定する声が散見されます。「握り込みなんてしたらコジる」だの「握り込みなんて意味がない」だの「握り込みをしたらキュースピードが出ない」だのなんだの、そういう感じの声。


それは恐らくイメージの齟齬であり、私がイメージしている「握り込み」と相手のイメージする「握り込み」が一致していないだけの話だと思います。多分、全く別のことをやってるんでしょう。


さて。面と向かってマンツーマンで初級者に握り込みを教えていた時のこと。


握り込みについては結構多くの初級者に教えましたが、教えずとも出来ていた人、教えたらすぐに出来るようになった人、教えるのに苦労した人、お手上げだった人など色々とパターンが(;^ω^)


教えるのに苦労した人達との談義の中で「あぁ。こういう人達相手には確かに『絞り出し』の方が良いのかもしれないな」と思ったことが何度もありました。


「絞り出す」だと、キューを前に出して行くイメージが湧くが、「握り込む」だとキューを固定するようなイメージになるもよう。確かにこれじゃぁ「意味がない」「キュースピードが出ない」と思っちゃうなぁと思ったもんです。


私が普段口にする「握り込み」は、キューを前に送り出すような手の使い方なのです。


つい最近までは「握り込み」で私はイメージする動作は1つだけだったんですが、きっけー氏に教える中で「握り込みも2パターンあるなぁ」と思いました。


1つは普段私が言っている「キューを前に送り出すような手の使い方」であり、もう1つは普段は私が「それは間違いです」と言っている「キューを固定するような手の使い方」です。


どっちも言葉にしちゃうと「握り込む」なんですが全く別の動作であり、ストロークにはどちらの握り込みも必要だなぁとキッケー氏に教えながら思っていました。


やっぱ、言語化するのって難しいよねっていう、お決まりの結論です(;^ω^)