鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

当たり前を疑う

3本立て

 

 

1本目


先日ネットで見かけた七面鳥の話。


七面鳥は英語でターキーであり、トルコの鳥という意味。しかしトルコではインドの鳥と呼ばれており、インドだとペルーの鳥になり、ペルーではトルコの鳥に戻ってくるという堂々巡りらしい。


それを見ていてすぐに連想したのがフィリピンブリッジです。


人差し指を中指の上に乗せ、三角形の穴を作るクローズドブリッジのことをフィリピンブリッジって言いますよね。日本では。


しかし、当のフィリピンでは「ジャパニーズブリッジ」って言うらしいという話を昔聞きました。


日本でのフィリピンブリッジという呼称は、広く浸透していますよね?


一方のジャパニーズブリッジに関しては、フィリピンに行った知人が特定のフィリピン人にそう言われたというだけの話。その一例しか聞いたことが無いので、フィリピンに広く浸透していることなのかどうかは分かりません。


フィリピンプレイヤーの真似をした日本人プレイヤーを見たフィリピン人が逆輸入したという可能性も考えられます。


大元はどこの誰なんでしょうね。あの形に組んだの。

 

 

 

2本目

 

この間GB先生が「誰もが使っているような王道キューでは面白くない」「けど、やっぱり王道には王道である理由がある」ってなことを言っていて「私と全く同じだw」って思っておりました私。


GB先生が話していたのもブレイクキューに関してで、私もブレイクキューに関して「王道はつまらない」「しかし王道には王道たる由縁がある」と昔よく思っていました。


私は昨年からパワーブレイク魁を使っているのですが、魁は王道ですよね。別の言い方をすれば定番。使っている人が非常に多い。


私が王道のブレイクキューを使ったのは、歴の中で初めてと言えるかもしれません。


MUSOUから始まった私のブレイクキュー遍歴。MUSOUもメジャーメーカーであるアダム製ではありましたが、使っている人は少なく王道とは言えなかったんじゃないかと思います。弁慶はどうでしょうかね。MUSOUよりは王道に近い気がしますが、とはいえユーザーが多いとは言えない気がするし、そもそも私は弁慶を所有したことは無い。


MUSOU以降は、色んな安物の海外製ブレイク&ジャンプキューを使いまくってみまして、最終的にポイズンに落ち着きました。


ポイズンもあまり王道って感じではないですが、ポイズンを買って使い始めた頃に、プロから「やっとまともなブレイクキューを使うようになったね」と言われたのを今でも覚えていますw ポイズンですらその言われようですから、それまでは散々に邪道をひた走っていたってことですね。


どうしてそうも王道から外れたブレイクキューばっかり使っていたかといえば、前期は「人と同じキューでは面白くない」「個性が欲しい」という思いから、意図的に王道キューを避けておりました。


ただ、歴を積むうちに「王道には王道たるゆえんがある」「売れるだけの価値があるから王道なのだ」と思うようになり、王道キューへの興味を持ち始めるも、その頃にはあまりビリヤード用品に金を使わなくなっていたので「金がない」という理由で王道キューに手を出すことは無く時は過ぎ。


結局昨年です。王道たる王道キューに手を出したのは(笑) 魁にしたって、ブラッドさんからお話をいただかなかったら買っていなかった気がする。

 

初期の私が抱えていた「王道は避けたい」という気持ち。分かる人には共感してもらえると思います。


一方で「みんなが使ってるから、同じのを買おう」と考えるタイプの人には、全く分かってもらえない気持ちでしょうねw

 

ブレイクキューを例に出しましたが、私が「人と同じはつまらない」「王道は避けたい」と思い、後に「王道には王道たるゆえんがあるんだよなぁ」と反省するに至ったのはブレイクキューだけじゃありません。ビリヤードに関わること全般的にです。


フォームやらストロークやら組み立て方やら、何から何までまずは王道に食ってかかる。「王道には何の意味があるの?」「それで面白いの?」って所からスタートするのです。


結局は巡り巡って「王道には意味がある」という結論に至るので遠回りも良いところなのですが、ただ、最初から疑いもせずに王道を進んでいる人よりかは知識の幅が広いかなーとも思っております。

 

当たり前だと思い込んでいて盲点になってしまっていることってないでしょうか。これが本日のお題です。

 


今度はブリッジを例にします。


私は歴の初期にだいぶブリッジに拘りました。「そりゃ、ブリッジは大事だものね」っていう話じゃなくて、見栄えを良くするための拘りでしたw


私はクローズドブリッジはフィリピンブリッジを組むのですが、その理由も「その方が良かった」「自分に合っていたから」じゃなくて、フィリピンブリッジを組んでいるプレイヤーを見ていて「格好いいな」「自分もあぁいう風に組もう」と思ったことがきっかけです。ぶっちゃけ良し悪しで言えば、人差し指を丸めた方が私の手的にはシックリ来るような気がする。


オープンブリッジにしてもそうで、もちろん「ブリッジがグラつかないように安定感を出す」という実用面にも拘りましたが、見た目にも色々拘りました。


指をどういう風に広げるかとか、どの指を曲げるかとか、色々考えたもんでした(今はその拘りが無いので、どういう風に組んでいるのか自覚がない)

 


「普通では面白くない」という思いがさらに進んで、前提さえ疑い出しました。


クローズドブリッジは人によりけり細かい形状の差はあれど「人差し指と中指と親指でキューを通す穴を作る」という前提はあるし、オープンブリッジも細かい形状の差こそあれ「親指と人差し指で、キューを乗せる谷間を作る」という前提がありますよね。


そこすら疑い始め「もっと良いブリッジの組み方があるんじゃないだろうか?」と試行錯誤してみたりしました。


1本目で「フィリピンブリッジの大元は誰だ?」って疑問を綴りましたけど、さらに遡ると、クローズドブリッジやオープンブリッジの基本形を作り上げたのは誰で、いつ頃の話なんでしょうか。


少なくともここ最近の話ではなく、何十年(何百年は言い過ぎ?歴史が全然分からん)と多くのプレイヤー達が同じようにやってきたわけですから、前提には意味があるのでしょう。


きっと過去には私と同じように変な組み方をしてみた人もたくさんいたけれど、最善ということで今の形にまとまってきたんじゃないでしょうか。


今さらそれを掘り返す必要もないと思えますが、1度気になると、自分でやってみないと納得出来ない性格なのが私。色々な形のブリッジを試してみて、結局は「今の形がベスト」って落ち着くというね(笑)


他方で、最初に習った形、最初に上級者のブリッジを真似た形から一度もブリッジの形を変えたことが無いっていう人も一定数いるようです。


それが最良だと考えたからではなく「ブリッジはそういうもんだと思っていた」「これ以外に組み方あるんですか?」と、そもそも考えたことすら無い様子。そういう人達は大抵ブリッジに難がある。


私ほどにまで掘り下げて考えるのは掘り下げすぎなのでどうかと思いますが、最初期から「これが当たり前」と決めつけてしまって一度たりとも少しも掘り下げて考えようとしないのもどうかと思うわけであります。


スタンスなんかも「左足が前」ってのが当たり前だとされていますけど、右足前で撞いてみたことありますか?


私はあります。プレイだけでなく、ブレイクも右足前でやってみたことがある。


利目ではない方の目で厚みを見るフォームにしてみたことはありますか?私はあります。


多くの場合、結局は元々の「当たり前」「王道」の方に戻ってくるんですけど、何も知らずにただ漠然と当たり前に従っていた時と、王道が王道である理由を分かった後とじゃやはり全然違います。知識が全くの別物になる。


また、時には王道を疑ってみた結果、世間一般での当たり前が自分にとっては当たり前ではなく、自分なりの当たり前を新発見できることもあります。


というわけで「誰かから習ったから」「昔から自然とこうやってた」「皆がこうだから」くらいしか理由がなく、自分自身で考えたことが無いような点を、掘り下げて考えてみると理解が深まりますよ!っていうお話でした。

 

 

3本目


2本目で書いたように、私は色々と「王道」「当たり前」「常識」というものを疑ってみて検証をしてみたわけですけど、とはいえ何から何までというわけではありません。何かしらのキッカケや唐突な思い付きがあってこそ「疑ってみよう」という気になるので、何も気にせず無意識に自然と「当たり前」に従ってしまっている部分もたくさんあります。


「たくさんあります」って言ったけど、そもそも無自覚なので、どれくらいあるのかすら分かっていませんけどね。


私が歴の中で長らく疑うことすらしていなかったのがタップのRでした。


人によって好みのRがあるというのは認識していましたが「何故自分は今このRにしているか」に関しては考えてもみなかったのです。


皆様は「なんでそういうRにしているの?」と聞かれた時、その場で思いついた屁理屈をこねるのではなく、何かしら考え込まれた正当な理由を述べられますか??


私は歴5年くらいのころでしたっけかね。その頃までは自分のRを全く気にしていなかったのですが、その頃にプロから「Rがキツい(丸い)方が切れは出ますよ」「ミスキューしやすいですけど」と言われ、タップを丸めてみたことがありました。


しかし案の定というかなんというか、その日からミスキュー連発ww


「一度丸めちゃうと、元のRに戻すのが大変なんじゃーー!」「タップが勿体ないわ!」とかボヤきながら、元のRに戻した記憶があります。

 

その丸めてみた時期を除いては、歴の中でずっと同じRです。

 

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こんくらいです。平すぎるってことはないでしょうけど、平めではあるんじゃないでしょうか。これはメンテナンスした直後なので比較的丸くなってますが、平時はもうちょぃ平ですね。


このRになった大元の理由は、恐らくメンテナンスツールの影響だと思います。ゴリゴリと火おこしの要領でタップを削るツールがあるじゃないですか。あれを使った時のRが私のRですww


私が球を始めた当時、共用の道具としてメンテナンスツールがお店に置いてあり、あれって初心者でも簡単にタップを削れるじゃないですか。だからあれで削っていたわけです。そしてそのツールを使ってついたRが、私の基本形になったわけです。


ようするに、何も考えずにそのRになって、後には「これに慣れているから」という理由でそのRにしているっていう。ただそれだけのことw


ま、一応は丸めてみるなどして、異なるRとの比較はしたことがあります。


私の場合、キュースピードはあるけど撞点がアバウトなので、平めな方が合うんでしょうね。


キュースピードがあるので、特にRの方で切れを出してもらう必要はない。


また、Rがキツいとミスキューしやすいし、撞点が狂った時の手球のズレが大きくなってしまうので、私には向かないわけです。


丸いタップは「キュースピード抑え目で正確に撞点を刻んでいく、玄人タイプの球を撞く人向け」っていうイメージがあります。


今回改めて考えてみたんですけど、自分が苦手な丸いRにした方が「正確な撞点を撞かなきゃいけない!!」と追い込まれて、撞点が不正確という欠点が直るかもしれませんね。


あえて苦手なRで撞いてみるってのもありかもしれません。


やらないけどっ!w