鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

遅い、とは

私のツイッターを見てくださっている方は既にご存知であろうネタです。そう。「遅撞き」に関してです。


まず言いたいのは、遅撞きが悪いことであるというのは、今さら議論の必要がないということであり、議論すべきは、どこからを「遅い」と定義するかだと思います。


ビリヤードに限った話ではなく、ありとあらゆるどの競技に目を向けても、遅延プレーが許容されている競技はございません。遅延行為が競技としての魅力を損なう原因になるというのは共通見解だと思います。


度々ビリヤードと似た競技性を持つ競技として名前が挙げられるゴルフは特に顕著だと思います。ゴルフのスロープレーに関して検索してみれば、それはもうたくさんのコラムやブログが引っかかります。気になる方は検索してみてくださいませ。


確か、ゴルフは公式にスロープレーに対して何か声明を出してませんでしたっけ?


まぁなんにせよ、遅延プレーは万国共通、何の競技でも敬遠される対象であることは言うまでもないことであります。


プレーの遅さが許容されるのは、初心者初級者、子供、何かしらの障害をお持ちの方だけだと思います。


健常な成人であり、ある程度の腕前のある人のプレーの速度が遅ければ、それは批判されて然るべきことでありましょう。


「遅撞きだっていいじゃないか」「プレーの速度も個性だ」などと主張したところで、それはこの間ネタにしたような「認めてはいけない多様性」「許容すべきではない個性」であります。


ここに関しては、異論は認めません。

 

異論がある方は、異論がある方同士で集まって細々とビリヤードを楽しんでいていただきたい。

 

 


というわけで、議論すべきは「何をもって『遅い』とするか」です。


ツイッターではクラス分けを引き合いに出してみました。


「遅撞き」の明確な定義が無いのと同様に、クラス分けも定義がないですよね。なので、たとえばAとBの境の話をするにしても、人それぞれ若干の差が出てしまう。


しかし「若干」じゃないですか?


仮に世の皆様全員の意見を募って平均を取ったところ、70という実力以上がAだということになったとしましょう。


そこで65の人がAになったとします。「早いだろう」と言って来る人もいると思いますが、大半の人は「まぁいいんじゃない!」「勇気ある決断」って思うんじゃないでしょうか。


けど、60、55となったら「さすがに早いだろう」という意見が増えてくると思います。


逆も同じで75のBクラスがいたら「Aだろう!!」って目くじら立てる人はまだ少数で、大半の人は「まぁAでもBでもどっちでもいいんじゃない」って思うはずです。


けど80、85となってもなおBだったら「Bじゃないだろう!!」って人が大多数になるはずです。


遅撞きに関してもそれと同じで、何をもって遅いとするかは人それぞれの感覚なんですけど、でもその感覚の差は若干だと思うんです。


「あの人遅くない?」「いや、あれくらいは別に良いんじゃない」と大きく意見が割れる程度のは「ちょっと遅い」くらいであり、許容範囲だと思います。


世の大半の人が「それは遅すぎだろう!!」って思うようなのこそが、許容されるべきではない是正されるべき遅さであります。


ビリヤードとは全く関係の無い話ですが、こんなツイートを見かけました。

 

 


「どこからが浮気なの?」ってなんでお前はギリギリを攻めようとするんだよ。大人しくしとけよ。

 

 


そもそも疑われるようなことをするなっていう話ですね。


遅撞きにしてもそうで、「遅いって言ったってどこからが『遅い』なのよ」とか言ってないで、誰からも遅いとは言われないような速度で撞いとけやって話なんですよね。


しかしまぁ、そうは言ってても聞き分けの無い人はいますから、ルールにするしかありません。


ってわけでショットクロックというものがあるわけですが、この間も書いた通り、すべての対戦においてショットクロックを導入するのは無理があります。


そしてまた、採用出来たとしても、ショットクロックにはいくつか欠点があります。


1つは野暮ったいということ。


45秒ルールだとして、30秒経過のコールや、残り5秒のカウントダウン、エクステンションのコールなどがゲームの美麗さを損なっている気がします。


最近、タブレットを使ったショットクロックなんかもありますけど、私が観に行った時はビービーとうるさかったんですけど、改善されましたかね?

 

2つ目。毎回45秒は長い。


ショットクロック採用の試合に出た人から、度々聞く愚痴です。「相手がさ、確かに45秒以内ではあるけど、ほぼ全球45秒で撞くわけよ」「メッチャ遅い」と。


一般的な人であれば10秒20秒あれば撞けるような簡単な球でさえ、ギリギリいっぱいの時間を使って撞く。それは確かに遅く、ショットクロックというルールではそういう人を縛れないわけです。


何度かこんな話をしたと思います。常連たちのブレイク手球場外があまりに多かったので、牽制のつもりで「場外は1回100円」という罰金制度を設けたら、「100円を払えば場外しても許される」という意味に取られ、「自分はいくら払った」ということを自慢しだす人が出てきてしまったとか。


痛手にならない額の罰金は逆効果になるという話です。

 

45秒のショットクロックも似たような面があるんじゃないでしょうか。「45秒はかけても許される」という免罪符を手に入れた気分になるプレイヤーが出てくるのです。

 

そして逆に、1球を10秒20秒くらいでテンポ良く撞く選手が、たまたま難球に出くわして考え込みたい時も、エクステンションは1ラックに1回しか許されない。


たとえそれまでずーーーっと1球10秒で撞いていたとしても、1ラックに2回長考することは許されないのであります。そういう欠点もショットクロックにはある。

 

その点、チェスクロックショットクロックの欠点がだいぶ改善されていると思うんです。


後は、各フォーマットで最適な持ち時間が何分なのかを煮詰めていけば、遅撞き問題はだいぶ改善されると思うんですよ。


でもどうなんだろ。チェスクロックチェスクロックで、前半はそこそこのペースで撞いていたのに、持ち時間に余裕があると見るやいなや後半になって途端に猛烈な遅撞きになるような人が出てきたりすんのかなぁ??


完璧なルール作りって難しいですね。


チェスクロックもあれかな。前半と後半で1度リセットするとかするといいかな?W


と、チェスクロックの将来性を語ってみましたが、ゆーても1回しか使ってません。


長所ばかりに目が向いているけれど、何度も使っていたら短所が見えてくるかもしれない。


そして、1回だけ使ってみた時にしたって、ブログネタにした通り、私も結構テンパったし、I氏なんぞ崩壊してしまいました。


やはり、新しいことをやろうとすると、慣れるまでがしんどいです。


そんなことを考えていたら、ますます遅撞きの人たちに腹が立ってきましたよ。


遅撞きの人がいなければ、タイムルールなんて制定する必要が無い。


「どっからが遅いのさ」とか言い出す奴がいなければ、ルールなんて必要ないのです。


我々は、ルールなんか無くてもマナーに則って遅くはならないように撞いている。日頃からそういう努力をしている。


「遅いペースが合う人だっているんだ!」とか言われましたけど、「遅い方が自分には合うのだけれども、それはマナー違反なので速く撞けるように日頃から努力をしている」という人だってたくさんいますでしょう?


私だってそうです。どっちかっていうと遅撞きの方が私には合ってる。けど、普段から練習して努力して、一球を撞くまでの動作を短縮できるようにしてるんです。


「これが自分のペースなんだ」って遅撞きするのは、努力を怠っているだけです。


にも拘わらず、努力を怠っている人のせいで、さらに新たなルールへの対応を迫られる。一方的に苦労させられてるのはこっち。


だというのに「遅撞きを迫害するな」だのなんだの被害者ぶられて、この感情をどこにブツければいいんだって話ですよ。


マナーって難しいものも多いじゃないですか。どちらを良しとするかが大きく割れるマナーだってある。50:50の真っ二つに意見が割れる場合もあるだろうし、6:4くらいでも、無理やり6割の方に合わせさせるのも悪い気がする。


けど、遅撞きなんてのは全く難しくない。私の実感としてのアバウトな話ですけど、95:5くらいじゃないですか?もっとかも?


たかだか5%くらいの遅撞きプレイヤーに、気を遣ってなんていられない。95%に合わせるべき。


けど、それは乱暴な理論なのだろうか。結局行きつく先は「少数派の意見をどう取り入れるか」というところなんだろうか。昨今は少数派への気遣いがうんぬんかんぬんと議論されるしなぁ。


ま、面倒ではありますが、ショット時間に関して何かしらのルール決めは必要なんだと思います。


これもまたツイートしたことですけども、ルールを作っておくことで、新規参入した初心者にも最初から「将来的にペースというものが大事になってくる」という意識づけをさせることが出来ると思います。


全くペースなんてものを意識せず、自分が遅撞きだとは気づかないまま腕前が上がっちゃって、中級者と言えるくらいになってから周りから指摘されるようになって「え?自分って遅いの?」って気づいても、今さらプレイスタイルは変えられない、、、、って人も少なくないと思うんです。そういう人には少し同情する。


ビリヤードを始めた時点で時間に関するルールがあれば、自分の撞くペースってもんを意識しながら成長してくことが出来ると思います。


イメージ的にはB級くらいからですかね。時間制限を取り入れるべきは。


「C級の間は良いけど、B級になってからは時間制限があるから、それまでには遅撞きから抜け出さなきゃいけないな」と初心者の頃から意識しておけるような環境になれば、トラブルはなくなるんじゃなかろうか。


そんなこと言うと、充分にBクラスの実力があるのに「自分は撞くのが遅いのでCですぅ」とか言い出す人が出そうなので、タイム制と共にクラス分けの指標作りもしっかりしなきゃいけませんな!


と、「遅撞きが悪であることに、今さら議論の必要はない」という所で話を進めてみましたが、一応はブログネタってことで「何故遅撞きは悪いのか」に関しての私見も後日書かせていただこうと思います。だいぶ黒いネタになると思う(笑)