鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

応援をする

2本立て


1本目


私、プロの仕事を見るのが凄く好きです。


バスに乗っては、運転手さんのドライビングテクをジっと見ちゃうし。


美容院に行っては、美容師さんの手際をジっと見ちゃうし。


ライブを観に行っても、その場の雰囲気を楽しむというより、プロのテクを観察・勉強しちゃうし(自分が趣味にしているドラム以外のパートも)


スポーツ観戦をしに行っても、やっぱり観察しちゃうのです。自分が全く経験のない競技であっても。



やはり観察対象のレベルは高ければ高いほどいいです。


なので、野球なんかは世界の中での日本のレベルが高いですから、世界戦が行われている時などは日本選を観に行くことが多いのですが、サッカーやラグビーとなると日本のレベルは低いですから、日本戦に興味が無いのです。


アメリカは「自国が強くない競技には興味がない」というお国柄だそうです。日本はどうでしょうかね。サッカーワールドカップなんかを見ていると、弱くても自国を応援する?単に騒ぎたいだけ?


良く分かりませんが、私個人は自国が強かろうが弱かろうがどうでも良いです。自国のチームそのものには興味がないw 強いチームに興味があります。強ければ日本だろうが他国だろうが興味があるのです。



来年のラグビーワールドカップ、及び今年のラグビーの壮行試合を観に行くんですけど、どちらも日本が関係のないニュージーランド戦です(笑)


トップレベルの仕事(試合)を見ることに興味があるからです。



さて。そんなわけで日本が関係しないラグビーの試合を観に行くことになったわけですが、同行者の1人が「どっちを応援しようか」「日本が関係しないとはいえ、試合を観に行くからにはどっちかを応援しないと」と言い出しました。


私の頭の中にはハテナが大量に浮かんだのです。「なんでどちらかを応援しなきゃいけないの????????」


なぜどちらかを応援しなきゃいけないのか、その人には全く追求してませんけど、その人の性格から推測するに、その場限りであったとしてもどちらかを応援しないと試合に感情移入することが出来ず、感情移入できなければ試合観戦を楽しめないからなんだと思います。


勝負事が好きな人なので、外野とはいえ勝った負けたを楽しみたいのでしょうね。


一方の私は、トップレベルの仕事を見ることが目的ですので、勝負の行方はどうでも良いと言えます。ハラハラドキドキを楽しみたいわけじゃないし、自分が関係している競技じゃないので深く感情移入する必要もないし(したところで、深い考察が出来るレベルじゃない)ワーワーと騒ぎたいわけでもない。


なので、その場限りの応援チームを決めようだなんて、全く思わないのであります。


皆様はどうでしょうか。


ビリヤードのプロの試合を観に行くとして。


まず、応援しているプロ選手がいますでしょうか?


応援している選手が出ていない試合は観戦に行かない?出ていなくても観に行く?応援している選手は特にいないけれど観に行く?


応援している選手が出ていない試合を見に行った時、その場限りの応援する選手を決めて観る??


私は応援している選手がいようがいまいが、観戦しに行きます。やはり「学ぶ」が主な観戦目的なので、応援している選手がどうこうはほとんど関係ないです。その試合が、勉強の対象として興味があるかどうか。


その場限りの応援する選手を決めるなんてことも、もちろんしません。する必要が無い。



皆様だって、たとえばボーニングとデルーナが近場の球屋でギャンブルマッチをやるってなったら、見学に行きますでしょ?どちらのファンというわけでもない人だって、興味ありますでしょ?


で、いざ観に行った時に「どちらのファンでもないけど、どっちかを応援しなきゃ!」って思います??


思うって人もいるんでしょうけど、私は思わないです。均等に両者を見て学ぼうと思う。勝負の行方はどうでもいい。


ビリヤードの試合観戦をする時はいつもそうだし、ビリヤード以外のスポーツ観戦をする時も同じです(もちろん、プロ野球の贔屓チームを応援しに行ってる時は別です。予め応援しているチームや選手がいる場合は別)


「応援もせずに観るなんて、試合観戦の醍醐味を分かってない」って言ってくる人もいそうですけど、試合観戦の何を楽しいと感じるかも人それぞれってことでしょうねぇ。



2本目


ビリヤードのメジャー化云々の話は度々しております。メジャーなことにも一長一短あり、マイナーであることにも一長一短あるので、どちらが良いとは一概に言えないのであります。


マイナーであることの長所として、ライバルが少ないこと、競技レベルが低いことが挙げられると思います。業界からしたら短所でしょうが、プレイヤー個人としては長所と言えるんじゃないでしょうか。


ビリヤードは(特に国内では)スタートする年齢が遅い人が多いですよね。私が始めたのは大学に入ってから。二十歳も近づいてきた時期となったら、競技によっては引退を考える年齢であります。しかしビリヤードだと「そんなに若い頃から始められて羨ましい」とか言われるんですよ。


ビリヤードは歳を取ってからでも始めやすいと言われますが、それは加齢による影響が比較的小さいということだけでなく、競技レベルの低さも影響していると思うんです。


たとえば40歳からビリヤードを始めようと思ってビリヤード場に行ったら、その店のプレイヤーが全員A級以上だったとなったらどうでしょう。始めにくくないですか?同世代はみんなA級。年下もA級。子供ですらA級。そんな中に放り込まれる中年初心者。相当にメンタルが強くないと始めづらいですよね。


現実のビリヤード場は、どの年代にも初心者初級者がいる(←あくまでも都心での話ですけど、他の地域だとどうなんでしょう?)同じような境遇、同じようなプレイレベルの人がいる。「自分でも馴染んでいけそう」と思い、始めやすいわけでございます。


野球とかサッカーとなったら、大学入学後からのスタートなんて遅すぎるじゃないですか。部に入るハードルは高すぎる。レギュラーになるなんてまず不可能。


でもビリヤードだったら。



競技人口が少なく、競技レベルが低いからこそ、誰にでも戦績を出し活躍し注目してもらえるチャンスがあるわけであります。ビリヤードは。


しかしその注目度ってのはあくまでも業界内での話。世間一般からの注目を集めることは出来ません。マイナーですからね。世界チャンプになっても注目度はほぼ皆無であります。


ビリヤードで良い戦績を出しても世間から全く注目してもらえずに嘆きたくなる気持ちってのは分からないでもないのですが、「注目してもらうことが目的なんだったらメジャー競技をやってれば良かったじゃん」って私は思っちゃうんです。


幼少期から競技に携わっていて、好きだからこの道で稼いで行けたら良いなと思ったけれど、マイナーだから稼げないし注目もされない、、、、ってのは残念な話なんですけどもね。


幼少期からやっている人なんてのは一握りで、多くの人は分別のつく年齢からビリヤードを始めてますでしょ?


もし「目立ちたい!」ってのが第1の目的なんだったら、メジャーな競技をやればよかったじゃないですか。



別に皆様、注目されたくてビリヤードを始めたわけじゃないでしょう?始めた理由は別なはずです。


そして、続けてきた理由は「好きだから」「楽しいから」ですよね。世間一般から注目されたいがために目標に続けてきたわけじゃないですよね。



なのに、何かしら良い戦績を挙げたら「もっと注目されたい」と言い出すなんて。それは贅沢ってもんです。繰り返しになりますが、気持ちは分かります。そう言いたくなる気持ちは分かるんですけど、マイナー競技なんだから仕方が無いと割り切るべきかと。


というか、その戦績自体、マイナーだから出せたものでありましょう?


幼少期から携わるのが当たり前っていうメジャー競技だったら、あなたはその戦績出せてました?マイナー競技でライバルが少ないからその戦績を出せたんでしょ?


いま甲子園やってます。トップクラスの人は卒業後にプロ入りするわけだし、そこまでのレベルじゃない選手だってレギュラーとなったらAクラスプレイヤーなのは当たり前でしょう。


そういうのがメジャースポーツの世界。そんな中に放り込まれて、あなたは成績出せるんですか?



自分のビリヤード人生を振り返ると、私がビリヤードを始めたことにも、今まで続けてきたことにも「マイナーであること」は大きく関係していると思うんです。無自覚でしたけど、振り返ってみれば少なからず関係していたと思う。


大学入ってビリヤードサークル見学に行って、同級生たちがBクラスAクラスばっかりだったら始めていなかったんじゃないだろうか。実際には経験者は1人2人くらいで、他はみんな自分と同じく初心者。だから気軽に始められたし。


みんなが同時にスタートだから、ちょっと頑張れば成績を出すことが出来た。注目されることも可能だった。


マイナーで狭い業界だからこそ、その狭い業界の中だけとはいえ少しはチヤホヤされることが出来た。友達も多く出来るし、勝つことの楽しさも覚えられたし、業界の有名人とも気軽に会えて「有名人と知り合いだぞ!」なんていう快感も得られるしw どれもこれもマイナーだからこそ。


そして、それらの心地よさがビリヤードを続けてきた理由として少なからずあると思うんです。どれもこれもメジャー競技ではよほどの人じゃなければ味わえないもの。


日頃、マイナー競技だからこその楽しさを散々に味わっておきながら、さらにメジャー競技の良い所まで欲しがるってのはねぇ。


私にしても皆様にしても、今の立場はマイナー競技という土台の上にあるもの。もしメジャーになったら、今の立場は脆くも崩れ去りますよ。



以前「ビリヤードブームの時に、モテるためにビリヤードを始めた」「メジャーになったら女の子にモテるでしょw」とか言ってるオッサンがいましたけど、それは一過性のブームが来たらっていう程度の話でしょう。またはメジャー化に向けた初期段階の時だけ。


もし本当にメジャーになったら、若くて爽やかでイケメンな上級者がゴロゴロ誕生するんですよ。それがメジャーになるってこと。普通の腕前のオッサンになんて、誰も見向きもしませんよ。



メジャー化だの注目されたいだの言っている人たちは、メジャー化のメリットばっかり見てませんかね。もうちょぃデメリットにも目を向けるべきだと思うんですけども。