2本立て
1本目
「ちょん撞き」に何か明確な定義があるわけではないだろうけど、特にそんな正確な話をしたいわけじゃないので、皆様の頭に浮かんできたイメージにお任せする。
初級者の頃の私が、良くも悪くも多大な影響を受けたとある上級者がいる。
何かと意見は対立し、反面教師にした部分も多いのだけれど、共感したことも少なくない。
その上級者はフィリピン信奉者だったことも大きく関係していると思うが「やわらかいストロークや良し」と常に主張しており、私も頷いていたものだ。
柔らかいストロークの対極にあるのがチョン撞きであり、初級者の頃の私はチョン撞きを全否定していた。
しかし、歴を重ねる中でチョン撞きの上級者を数多く見、否定することはなくなった。
私が「ちょん撞きの上級者」として真っ先に頭に浮かべるSA様がいる。その人の球を何度も間近で見ていて何かと驚かされたため、ちょん撞きへの悪いイメージがなくなったのだ。
私なんかは「手癖が悪い」だの「ストロークのバリエーションが多い」だのと長所であるかのように言うことがありますが、ハッキリ言って私のストロークバリエーションなんてのは「ゴマかし」である。
フィーリングだとかニュアンスだとか言うと格好いいけれど「適当」なのである。
反面、ちょん撞きはゴマかしが利かない。撞いた通りに手球は転がる。
ちょん撞きSA様は、私が「この球はネローーっとキューを出した方が撞きやすい」と思っている球も全てチョンッと撞く。ありとあらゆる球をチョン撞きする。
それすなわち、スピードコントロールと撞点コントロールの精度がとんでもないということだ。
「あれは凄い」「自分もあれくらいの精度で撞けなくては」と思うようになった。チョン撞きの部分は真似したくないけど。。。
そのSA様の球を見ることによって、ちょん撞きへのイメージが大幅に変わったわけだが、そのSA様でも変えられなかった私の中でのチョン撞きのイメージが「ハードショットは不得意」というもの。
ちょん撞きのプレイヤーで、キューが恐ろしく切れる人やブレイクが恐ろしく強い人ってのを見たことがなかったのだ。
SA様にしても、ブレイクが大の苦手で、「シートが普及してくれて大いに助かっている」と仰っていた。実際シートが普及してから、それまで以上の戦績を残していたように感じる。
だがそれはシートでの9ボールをやっていた時の話で、最近そのSA様の名前を見なくなったのは、10ボールが主流になったからんじゃないかと邪推している。
ちょん撞きプレイヤーはハードショットが苦手。
そういうイメージがあったのですが。。。。
数か月前、ちょん撞きでメッチャキューを切らす人。ブレイクもメッチャ強い人。そんな人を見かけたのだ。
私は「人生観が変わっちゃうー!」とか馬鹿なことを言っていた。
いや。ほんとにビックリした。チョン撞きであんだけ撞けるもんなんだな。弱点ないじゃん。
とか考えていたら思い出したのだ。
初級者の頃に「撞き方は格好悪いが、ブレイクが馬鹿みたいにつえー!」って思っていたハードブレイカーの上級者が、そういえばチョン撞きだった。
チョン撞きの見た目が格好悪いと感じるのは変わらずなので、取り入れたくともどうしても敬遠してしまうのだけれど、それでも少しずつ取り入れている今日この頃だったりする。
2本目
衝撃的なプレイスタイルというのでもう1つ。
直接対戦したわけではなく、試合で撞いているのを眺めていただけなんですが、初めて見かけたA級さんが女性プレイヤーみたいな組み立て方だったんです。
ショットスピードに難がある女性プレイヤーは、ハードショットをしなくても良いように薄め薄めに取って行く。
男性プレイヤーでもお手本のような球を撞くプレイヤーは、常にフリを保って厚い配置にはせずに組み立てていきますが、それよりももう1段階も2段階も薄めに取って行く組み立て。
今時は女子選手でも上の方の人はフィジカルを鍛えて男子選手とあまり変わらない取り方をする人が多いですよね。なので、そのA級さんは女子選手よりも薄めに取っているとも言える。
でもそれがおかしいわけじゃなくて、薄くても普通に入れて全く無理なくサクサク取り切っていくという。
それだけでもあまり見かけないプレイスタイルなので驚きなのですが、さらに驚くのが
ブレイクめっちゃ強い
別にハードショットが出来ないわけではないらしい。なのにあんなに薄め薄めの組み立てをするのはなんでなんだろ。好みなのかな??
ハードブレイク好きはプレイ中もハードショットが好きというイメージなので、ブレイクは強く撞きたいけどプレイでは強く撞きたくないっていう好みの形があったら驚きなのだ。