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1本目
私のブレイク速度の最高記録をブログで書いたことはなかったと思います。
9ボールの連マス記録も10ボールの連マス記録も書いたことはなかったはず。
理由は「自分の腕前にそぐわない好記録だから」です。あまりにアベレージからかけ離れた不相応な好結果なので、書いたところで嘘松扱いされて終わりになりそうだし、信じてもらえたとしても無駄にハードルを上げてしまうだけになりそうなので、示したくないのであります。
私の自己評価的に、表立って口に出せるのは「3連マスは出したことありますー」くらいです。
私が聞き手だった時も、ボウラードでAVE150の人が「180点出したことがあります!」と言ってたら信じることができますけど、「MAXは250点!」と言ってたら本気にすることなく冗談だと思ってしまうと思います。
もしかしたら嘘や冗談ではなくて本当かもしれませんが、本当だったとしても「1回出せただけでは何の意味もない」「MAXの数字に価値はない」と思います。
箔ってのは、中身もしっかりしているからこそ価値が出るのであって、箔だけじゃ意味をなさないぞっていう話が2本目です。
2本目
上から目線だと怒られてしまうであろう話なんですけども、自戒ネタでもあるので許していただきたい。
下級者(私よりも下手なAクラス含む)の言動を見ていると「マスワリにこだわりすぎ」「連マスを出すことにこだわりすぎ」と思ったり、クラスアップ条件に関して「優勝にこだわりすぎ」と思ったりすることがあります。ボウラードの点数なども同じ。たぶん、読者様の中にも私と同じことを思っている方は多いはず。
たとえば、昔散々にイジり倒しましたが、学生の頃のI氏が「2連マスを出す」ことを目標にして球を撞いていた時期がありました。
具体的にどういうことをやっていたかというと、1人練習でただひたすらにラックを組んでブレイクをして、シュートミスをしたら即ラックを組み直してブレイクをして、、、、を繰り返していたのです。
当時のI氏のマスワリ率はどれくらいだったでしょうかね。仮に1/20だったとして、確率的には連マスが出るには1/20×1/20で1/400。その1/400の目が出るまでやり続けるつもりだったんでしょうか。
できたところで、ただの確率発生的なマスワリ。あまりにも無意味すぎる。時間の無駄です。
「マスワリをしやすいようなブレイクの練習をする」とか「取り切り率を上げるために、プレイの練習をする」とかじゃないんです。ただただ「2連マスを出した」という実績がほしいだけ。
なぜ当時のI氏がそんな行動に出たかといえば、「実力に自信がなかったから」「人に誇れるものがなかったから」だと思います。
- 大学入学前からのビリヤード歴があり、入学してきた時点でBクラスに近い腕前があった。しかし、そのことに胡座をかいて、練習を怠った。
- 同期の面々は入学時点では素人だったのに、あっという間に抜かされた。
当時のI氏はこんな状態。
格下だったはずの同期達に追いつかれたり追い越されたりして焦る。しかし勝負をして勝てる自信もないし、目立った戦績もない。「I氏上手いね!」と言ってもらえるなにかがない。
だから「同期はまだ誰も達成していない『2連マスを出したことがある』という箔が欲しい」と思ったんでしょうね。
当時のI氏と同じ雰囲気を感じる人を日々見かけます。やはり誰も彼も「分かりやすく人に示せる箔がほしい」「腕前を馬鹿にされた時に『自分はこういう経験があるんだぞ』と反論できるだけの材料がほしい」と思っているように感じられます。実力に自信がないがゆえですよね。
でもこういった箔って、資格と同じようなもんだと思うんですよ。
おそらく皆々様も「資格や学歴は素晴らしいのだけれど、全く仕事ができない人」って会ったことあると思います。履歴書で見る限りは素晴らしいのだけれど、実際に採用してみたら全く役に立たない人材っていますよね。
資格通りの働きをしてくれたら超高評価だけれども、「資格持っててそれ?」「見掛け倒しだな」と逆に超低評価されてしまうこともあるという諸刃の剣でもあると思います。
資格(箔)のある人は優秀である確率が高い。けど、箔だけで評価をしてもらえるわけではない。
連マス記録だ優勝経験だなんてのも、経歴から推測される実力通りの球を撞いて始めて「凄い!」と思ってもらえるのであって、箔だけで高評価してもらえると思ったら大間違い。中身があってこその箔ですからね。
箔をつけて自分の身を守ろうとしても無駄なので、そんなことするよりはしっかり中身を磨きましょうと言いたいネタでした。