鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

どっちが簡単?

2本立て

 

 

1本目

 

9ボールなり10ボールなりを転がしていた時に、しばしば「何1つとして確実な選択肢が浮かばない」という配置に出会うことがあります。


選択肢は浮かぶ。しかし、そのどれもリスクが高く、成功するイメージが湧かない。


その場では何かしら撞かなきゃいけないので、どれかしら選んで撞く。


結果はその時々次第です。「やっぱり成功するわけないわ」っていう結果になったり、「たまたま今回は成功させられたけど、もう1回やれってのは厳しいなぁ」という結果になったり。


で、後々ブログやツイッターで聞いてみるわけです。「私が考えつかなかった画期的なアイデアを誰かが示してくれるかもしれない」と期待して質問してみるわけです。


期待通りになったことが一度もありませんwww


結局は、私も考えていたリスクの高いショットを示されるか、またはセーフティー案を示されるだけっていう。はたまた、確かに考えつかなかったアイデアだけど、あまりに突飛で無茶過ぎる案を示されるってこともありますね。


私も一応はA級。出来るか出来ないかは別として、9ボール10ボールにおける取り切り方のアイデアだけはほぼほぼ持ち尽くしてるのかなぁと感じる瞬間です。


(セーフティー案であったり、8ボールや14-1その他のゲームに関しては、いくらでも他人から学べることがある)


私のブログやツイッターを見てくださっている方は、腕前的に私と同等以下の人が多いでしょうから、もっと上手い人に聞けば画期的なアイデアはあるのかもしれない。


でも、たまに、本当に気になったショットの場合は、直接SA様やプロに質問することもあるんですけどね。それでもやっぱり、大差ない返答が返ってきますよ。「これは難しいねぇ」「うーん」と唸られたりしますw

 

余談ですが、組み立て方以外でもビリヤードにまつわる様々な疑問をブログやTwitterで綴ることがあります(昔はブログにもコメント欄ありましたので返答を得られた)


でもやっぱりこれといった解答が寄せられることは少ない。そもそも回答が無いことが多い。


ある時、そんな愚痴をキッケー氏にしたら「みんな知らないんでしょ」って言われ、それもそうかって思いました。


たぶん、私が疑問に思う事ってのは、業界内の1割未満しか知らないようなことで、ほとんどの人は私と同じく知らないから答えようがないんでしょうな。そして、1割未満の人に行きあたる可能性は低い。


ってわけで、低い可能性にかけてとりあえず疑問を口にしてみるのは良いけど、「回答が無い!」とボヤくのはお門違いってこっちゃ。

 


話を戻します。


9ボールに話を絞るとして(私が9の話しか出来ないから)出し方にはパターン、セオリーってものがありますよね。


上手くなればなるほど、段々みんな選択肢が似通ってくる。1択なことも多いし、せいぜい3択くらい。それ以外の選択肢はあったとしても選ばない。リスクが高いからです。


どんだけ練習したって、難しいショットは難しい。どれだけ練習したって、一定以上には成功率を引き上げられないショットもある。より高確率で成功させられる選択肢があるなら、そちらを選んで当たり前というものです。


「A級の組み立ては面白くない」「B級の方がよっぽどスーパーショットをする」とか言っている人がいましたけど、スーパーショットになってしまうような選択をしているってことですからねぇ。


そんでまぁ、パターンやセオリーと呼ばれるものがあるわけですが、それを「言葉にしろ」って言われても、、、、難しいですよね。


特定の配置に対しては2択3択程度のパターンに絞られますけど、その「特定の配置」が何十何百とあるわけなので、「出しのパターンとは!?」って言われても、言葉に表しようがないですよね。


そんな中、数少ない出し全般に言えるセオリーとして「ライン出し」ってものがあると思います。


少しの力加減の誤差で大きくフリが変わってしまうようなラインで出そうとするべからずっていうやつですね。


もちろん、常にライン出しをする必要はなく、ラインで出そうとした方がかえってリスクが高い場合も多々ありますが、基本としてまずは押さえておかなくてはいけないポイントだと思います。

 

さて。ライン出しに関しては歴の中で度々耳にしますし、雑誌でプロがライン出しについての連載を持っていたのも覚えております。


一方、私の中で出しのセオリーとしてもう1つ「フリーボールからは押し球」というものがあるのですが、そちらに関しては全く耳にしません。


「フリーボールからは押し球」という理論は初級者の頃に教わったんですが、具体的な時期は覚えていないし、誰から聞いたのかも覚えていません。


恐らく、歴の最初期にサークルの先輩から教わったんじゃないかと思いますが、定かではない。


何故フリーボールからは押し球かと言えば、押し球の方が大失敗はしないからです。


「押し」と言っても、ギュインギュインに回転をかけるような押しではなく、コロコロと転がしていけるような押しです。


押しと引きだと、押しの方が「球なり」に近い。


引きだとコロコロっと引こうと思ってもストップしてしまったり引けすぎたりしてしまうことがあるのに対し、押しであれば多少撞点や力加減をミスしても、致命傷になる確率が低い。


フリーボールは自分で自由に手球位置を選べる。だからあえてリスクが高い引きを選ぶよりも、リスクの低い押しを選ぶ。


そういう意味での「フリーボールからは押し球」という考え方であります。


私は歴の最初期にそう教わり、疑問に思うこともなく実行し、今となっては完全に慣れております。


しかし、ふと振り返ってみると、日頃「フリーボールからは押し球」という考え方を耳にすることが無い。


私は初級者に「フリーボールからは押し球だよ」とアドバイスすることが多いんですけど、言ってるのが私だけ(笑)


果たして「フリーボールからは押し球」というのは一般論としてのセオリーなんでしょうか?

 

話題に挙げたい配置が2つあります。1つはこんなのです。

 

 

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先月のある日、こんな残り3球にてフリーボールを得ました。皆様でしたら、どう取り切りますでしょうかね。


私は、一切何の迷いもなくノータイムでこう組み立てました。

 

 

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コロコロコロコロと転がしていくだけ。しかも立ち位置が反時計回りにテーブルをグルッと回っていく感じなもんだから、9番に構えるころには可笑しくなってきてしまって「なんだか単純作業だなぁ」「こういうつまらない出し方を躊躇なく選択するようになったのも成長だなぁ」「狭い方にも躊躇なく出すようになったなぁ」とか思いながら撞いていました。


どうでしょう、これ。A級プレイヤーが真面目に撞いている時だったら、ほとんどの人が私と同じ選択をするんじゃないかな?と思います。


いずれかのボールがクッションタッチでもしていたら話は変わってきますけど、どれもクッションから浮いておりますので、この組み立てが最も妥当かと思われます。


けど、BC級の人の中には手球を広い方へ持っていこうとする人もいるのでは?


7番から8番で広い方に出そうとする人もいるかもしれないし、8から9で広い方に出そうとする人は結構多そう。


私もB級の頃だったら、そうしてたんじゃないかなーと思います。


何故そうしてたかを思い出すと

 


・狭い方に出したら入れる自信が無い

・広い方に出した方が「出している」という気になれる

・狭い方に出したら上級者から「イレイチだな」「組み立てが下手だな」と思われるんじゃないかという被害妄想を抱えていた

 


ですね。


今はどれも無く、「取り切り率」の観点でしか考えないので、淡々と狭い方へ狭い方へと出して取り切ります。

 

 

さて、配置の2つ目。これはツイートもしました。

 

 

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これは撞き初めの日、I氏と相撞きする中で出会った配置です。実際には10ボールだったので、9番と10番でしたが。


で、これまた私は迷うことなく、ノータイムでこうでした。

 

 

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この配置に関しては、A級プレイヤーの中でも私と同じく押しで出していく人と

 

 

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引いてこういう風に取る人とに分かれるんじゃないかな?と思ったのです。コンディション次第で選択を変えるっていう人もいそうです。


いただけたコメント数は少ないですが、その中ですらA級プレイヤーの意見が割れております。

 

どちらも選択肢としては私の頭の中にありますけど、私は引きの選択はしないです。100%押しで行きます。コンディションやシチュエーション問わず(シチュエーション問わずと言いましたが、不真面目に撞いている時であれば引きを選ぶ可能性はありますw)

 

「8番ボールの位置がもっと図の下の方だったらどうだろう?」とも考えたのですが、だいぶ下の方まで行っても私は8番を押しで左上コーナーに取ると思います。2ポイント目くらいまででしょうかね。


何故押しなのかと言えば、その方がイメージが良いからです。


実際、I氏と撞いていた台はお互いにとってアウェイであり不慣れな台でしたが、私は押しで出してド真っすぐではないにせよ全く問題ないところにポジショニング出来、何の問題もなく取り切りました。


何故私が押しの方がイメージが良いかと考えると「フリーボールからは押し」というマイセオリーに従って長年球を撞いてきており、押しで出すことに慣れているというのが大きいと思います。


では、個人の「慣れ不慣れ」「得意不得意」ではなく、もっと一般論としての技術的難易度の観点から見た場合、どちらの選択の方がベターなんだろうか?とボーっと考えておりました。もちろん答えは出ておりませんw

 

 

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こっちの選択の場合は「フリーボールからは押し」には従っていますが、ライン出しにはなっていません。

 

 

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一方でこっちの場合はラインに近い出しは出来ますが「フリーボールからは押し」にはならない。


押しでありかつライン出しでもあるような出し方は、かなりのハードショットになりますので却下だしw

 

慣れ不慣れ、得意不得意とかではなくもっと絶対的な尺度で測った場合、どっちの方がリスクが低いんでしょうか。

 

 

ちなみにですね。私は「フリーボールからは押し」というマイセオリーを持っていて、誰にとってもその方が楽だと思っているので、初級者にもそう教えることが多いです。


ところが、反発されること多々。なんだか皆さま、コロコロっと前に転がす撞き方が下手なんですよね。おかげで「イメージが悪い」として却下されるのです。


たとえばさっきまでの配置にしても、押して出すより

 

 

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直引きでこういう風に取る方がイメージが良いっていう人が、初級者の中には結構いる(イメージが良いとか言いながら、大体失敗してますけど。。。)


凄く上手くて、コンディションにも完全に対応出来ていて「何をやっても取り切れる」という自信があるから直引きで出す上級者ってのはたまにいます。椅子がフット側にあった場合などは「テーブルの反対側に回り込むのが面倒くさいから、その場から撞く」ってことで引きを選択する人もいますしね(;'∀')


けど、初中級者の選択としては直引きが一番ナシじゃないですか。一番リスクが高い。「たとえ手球がどこにあっても9番を頑張って入れる」という選択になっちゃいがち。


あー、そうか。8番の入れの観点で考えているのかなぁ。出しがどうこうじゃなくて「直引きが一番8番が入る」って考えての選択か。そうかそうか。書いていて納得したww 9番までの取り切りを考えられていないんですね。


で、コロコロ押しなんですけど、皆様苦手ですか?


C級がコロコロ転がせないってのはまだしも、I氏もキッケー氏もコロコロ押しがヘタクソなんですよ。


なんで?って考えた時に、恐らく「トロッ」とか「ネロッ」とか言われるようなキュー出しが出来ないからだろうなぁと思いました。


手球を押し出すようなストロークが出来ない。トンッとした撞き方しか出来ない。それでいて撞点もアバウトだから、それだと確かにコロコロ押しは出来ないだろうなぁ。


先日のI氏との相撞きでも、I氏は頑張ってネロっとした撞き方で手球を転がそうとした時にミスキューを連発してましたからね。。。


トン撞きでミスキューした時は手球が元気よく明後日の方向に転がっていきますが、ネロ撞きでのミスキューって凄く静かで、コロコロ。。。っと変な方へ手球が転がっていくんで凄くシュールですw 


私はネロッとした撞き方が得意というか、むしろ昔はネロ撞きしか出来ずにトン撞きが出来なかったくらいですが、コロコロっとした押しをする分にはネロ撞きの方が有利でしょうね。


そう考えると「フリーボールからは押し球」というマイセオリーは、ネロ撞き出来る事を前提としていて、トン撞きを得意とする人には当てはまらないのかなぁ?

 

 

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この配置、どちらも同等の練習量を積んだとして、1%でも上の成功率を出せるのは押しなのか引きなのか、どっちなんだろ!?

 


2本目


Twitterでのやり取りから1ネタ。


全く同じことを表すのに複数の言い方がある場合がありますよね。


プッシュアウトとシュートアウトなんかはその例ですが、この例の場合は正しいのはプッシュアウトなわけですけど、シュートアウトという呼び方があまりに定着してしまっているので、もはや「間違っている」とは言えないほどになっております。どっちでも通じる状態。

 

これはまぁ、言い方が2つあると覚えておけばいいだけで勘違いのもとにはなりません。


「握りこみ」とか「体重移動」とか「しっかり撞く」とかは、何かと勘違いの原因になる用語じゃないでしょうか。


イメージを理解している人があえて言葉にしようとしたらそうなるのだけれど、字面から内容をイメージしようとするとドソッポになりがちっていう。


さてさて。何度かネタにしましたが、捻りの順と逆という表現も勘違いのもとです。


なんせポケットとスリーとで言い方が違う。「順捻り」「逆捻り」という同じ言葉を使っておきながら、全く逆の回転である場合がある。


私なんかもそうでしたが、スリー経験が無い人であっても、スリー的な順と逆でイメージしている人も一定数いる。なので話が噛み合わなかったり勘違いされてしまったりしがちであります。


「同じ用語を別の意味で使う人がいる」という認識を持っておくべき用語であります。


全く同じことが「シュートライン」にも言えるようです。


私はどこで学んだのか全く覚えていませんが「先球とポケットとを結ぶライン」のことを「シュートライン」だと把握しておりました。


ところが、ある時なすみそさんのブログで「手球の中心とイメージボールの中心をとを結ぶ線がシュートライン」という記述を見かけました。


「なんと!私は勘違いしていたのか!!」と思い、ブログにも書きました。しかしどうやら、完全な勘違いというわけでもなかったようです。その訂正のためにこのネタを綴っております。


昨日、また思うことがあってツイートしてみたところ、どうやらシュートラインの意味として「先球とポケットとを結ぶ線」も「手球とイメージボールトを結ぶ線」も、どちらが正しいとも間違っているとも言えないらしいと分かりました。


どちらが正しいのかは分かりませんが、少なくともどちらの意味でも使う人がいるということが分かりました。


どちらの意味で「シュートライン」と口にしているかで話が全く変わってきてしまいます。


これは順捻りと逆捻りの話と同じく、「自分とは違う使い方をする人もいる」と意識しておかなくてはいけない用語と言えそうです。


ってことで皆様。今後「シュートライン」という用語を耳にした時、または自分で使いたい時。どういう意味で使っているのかを明確にしてから話を進めるようにしましょう。

 

 

P.S.

 

そうそう。1本目でライン出しの話をしましたけども、ライン出しも「シュートラインに直行するような転がし方をするべからず」「シュートラインに出来るだけ平行に」とか言われるわけですが、ここでいう「シュートライン」がどっちの意味かでも、結構意味合いが変わってきますよね(;´∀`)