参考にするならちょっとだけレベルが上の人。一歩先を行く人の真似をするのが良い。
そのように言われることは多いですし、私もそう思うのでブログでもしばしば書いていたと思います。
私はC級の頃は身近なB級さん達の球を見て学んでいましたし、B級になってからはB中〜上の方の人たちを見て学び、Aが近づいてきてからはAの球を見て学び、Aになってからは、、、というような感じでした。
あまりにもレベルがかけ離れた人の球を見ても、まず理解出来ることが少ないですし、真似できることといったらなおさら少ない。
理解したつもりで曲解する可能性は大ですし、頭デッカチになっちゃうし、分不相応な高レベルなことをやろうとしちゃいそう。
今の自分に必要なこと教えてくれるのは、自分よりちょっとだけ先を行く人の球だと思うのです。
球屋に行って見て学ぼうとしたら、色んなレベルの人がいますから自分のレベルに合った先生を見つけることが出来ると思いますが、動画で見て学ぼうとするとやはりどうしてもプロ選手の動画が多いですよね。
Aクラスを目指すB級某氏がネット動画で見て学ぼうとしたら、どういう動画が良いんだろうか。某氏はボーニングの動画ばっかり見ているそうですが、そんなんは妄想の世界にしか浸れません。観戦対象にはなっても勉強の対象にならん。いや、勉強にならなくはないだろうけど「後学のために」って感じになっちゃう。
最近はアマチュアの試合をネット配信することも多いですので、某氏に向いたレベルの動画もあるのかなー?と思ったら、B級の公式戦の動画があった。
B級の大きな公式戦で勝てる人の球だったら、今の某氏にちょうどいい参考動画になるんじゃないかな?と思って、とりあえず私が見てみたんです。
そうしたら、某氏の参考になるかどうかとかいうことよりも、全く別のことが気になってしまいました。
とあるB級公式戦の決勝戦。B級とはいえ、ファイナリストのレベルで4先は短いですよねぇ。
その決勝戦。一方的な展開でした。
優勝した人、上手いっちゃー上手いんですが、気になることがありましてな。
得点の仕方が一緒なんです。
ブレイクする→序盤でシュートミス→渋めの球を相手が攻めようとしてミスして甘く残す→ブレイクした人が取り切って得点→スタートに戻る
あまりにも同じなんですよ。展開が。
取り切り体勢に入ってからの球は見事なので、だからこそ序盤のなんでもない球をシュートミスするのがわざとなんじゃないかって思えてくる。
昔、BC戦でその試合での優勝者に負けたとあるB級がこんなことを言っていました。
「確実に5球も6球も取り切っちゃうB級なんてB級じゃない!」
「B級は1マスで何回かはミスするものでしょう!」
「わざと相手に撞かせて、取り切れそうな配置になったら取り切るってのが勝ちパターンなのに!(だから撞かせたら取り切られちゃうような相手には勝てない)」
確かに勝った方の選手は私も良く知るプレイヤーで「えっ。あの人B級だったの!」って思うくらい腕前は完全にAクラスなプレイヤーだったのですが、それはおいといて。
「B級とはこういうもの」と決めつけたうえで、B級戦で勝つためにわざと手を抜くようなことをするだなんて何をアホなこと言ってんだろうかと思ったんですが、そこまで直接的ではないにせよ、以降も似たようなことを他のB級からもちょくちょく耳にしましてなぁ。
そんなわけで、動画で見た優勝したB級さんも、マスワリをする自信はないから、わざと相手に回して取り切れそうになったら取り切るってのを実行してんじゃない?などと思ってしまったわけです。
邪推です。真相は知りませんけどね。
では、負けた対戦相手はどうすべきだったのか。
取り切ればよかった?それが出来たら苦労しませんわな。
まず、バンキングで勝ってれば自分が相手の立場に立てたかもしれません。
また、無理に攻めに行かず、セーフティーを絡めて取り切りチャンスを虎視眈々と狙えば良かったのかもしれません。
けどもそれは画面を通しての他人事目線であり、しかも結果を知っているからこその結果論であります。
たかだか4先の中で、相手の実力を見極め、自分が出来ることを正確に把握しつつ流れを変えるような一球を撞くなんてのはねぇ。私にゃ出来ません。
そんなわけで、流れの話です。
「流れ」って呼ばれるものありますでしょう。
「流れ」を負けた言い訳に使うような人が多くいるせいで、イマイチ良いイメージを持ちづらい用語でありますが、私自身「流れ」というものはあると思う。
あるとは思うのですが、具体的になんなのかと聞かれても答えづらい。非常に漠然としたイメージしかないのであります。
非常に分かりやすい「流れ」の一種が、上で例に出したB級戦のようなパターンじゃないでしょうか。
似たような別のパターンとして、片方のプレイヤーが毎回ハイボールまでは入れるんだけど、取り切ることは出来ず良い球を回してしまってもう一方のプレイヤーが取り切って得点。
で、得点したプレイヤーがブレイクをするもノーインだとかスクラッチだとか、はたまた取り出しが無いとか序盤でミスするとかで選手交代。またハイボールでパスして得点されて、また序盤でミスして、、、、の繰り返しっていうのも良くある話ですよね。
情けない「流れ」の形ですが、一般アマだとありがちな「流れ」だと思います。
私なんかもその流れが、下級者に負ける時の典型的なパターンですね。ほとんど自分が入れてんのに負ける。負け惜しみに「JPAルールなら勝ってた!」って言うやつw
流れといえば流れですが、取り切れば良いだけの話ですし、取り切れないのだとしたら途中でセーフティーを絡めるなどして変えれば良いだけの流れとも言えますよね。言うのは簡単。
先日「流れ」というものを意識しながら、他人の試合を見ていました。自分の試合では無いし、どちらかの選手を応援しているということもないし、どちらのプレイヤーが好きとか嫌いとかもない、完全にニュートラルな気持ちで見られる対戦。なので、完全なる客観視が出来ました。
その観戦で感じた「流れ」というものの1つが「技術的に処理出来ない球が回って来る頻度」でした。
入れれば良い。入れられないならセーフティーすればいい。
そんなんはまさに言うは易く行うは難しですよね。
入れに行くもセーフティーしに行くも、どっちも出来そうにない局面なんて多々あるわけじゃないですか。高確率で成功させられる選択肢が何もないっていう。当然、腕前が低ければ低いほど、そういう局面に出くわしてしまう頻度も高まるわけですよね。
観戦していたうちの1つの試合では、片方のプレイヤーは難しい球ばっか撞いていて、もう片方のプレイヤーは簡単な球ばっか撞いていました。
簡単な配置を難しくしてしまうことなく簡単なまま取り切るってのも技術ではありますが、とはいえ私でも難なく取り切れそうな配置で、その人もA級でしたから「簡単」と言って良かったと思う。
もう片方の人もA級でしたが、プロでも難しいような配置ばっかり撞かされていて。
何が悩ましいかって、難しいといっても「取り切れそう」とか「セーフティーなんかしたら格好悪い」っていう雰囲気を出してくる配置ってあるじゃないですか。
明らかに取り切りが難しければセーフティーするわけですが、トラブルなく全部通ってはいるとか。トラブルあるけどなんとか処理出来そうだとか。
でも実際には難しいっていう。
全部通っているけど難しい配置の時なんて、セーフティーに行こうものなら「あの配置でセーフティーするA級ってなんなの?」とか馬鹿にしてくる初級者がいますしね。
その試合ではホント、片方の選手は悩ましい配置ばっか撞いてて、もう片方の選手はイージーミスさえしなければ取り切れちゃう配置ばっかり撞いてて。
流れといえば流れですが、「これって単なる運不運だなぁ」とか思っていた私でした。
私が流れというものを意識することが最も多いのが、ブレイクかもしれません。
その昔、バグースにて第1回10ボールトーナメントが行われたことがあり、その時にちゃっかり優勝している私。
WBCにて日本代表が初代チャンピオンに輝いていた時に良く言われていた「『初代』チャンピオンというのは後にも先にも1チームだけ!」にならって、10ボールトーナメントも第1回でしたので「初代チャンピオンは一人だけ!!」とか調子に乗っていることがある私です。
というか、第2回って開かれたのかな?当時聞いた話では、参加者から10ボールが不評で結局9ボールに戻ったらしいんですけど。
なにはともあれ、当時の私は10ボールの練習なんてしていませんでしたし、周りの選手も似たようなもの。不慣れです。
決勝戦なんて、私がヘタクソなブレイクしてノーインで、相手が難しい配置ばっか撞いてミスして開けたところを私が取り切るっていう、まさに流れでの貰い勝ちだったわけです。私ほとんど何もしてない。
もしもブレイクがしっかり当たってブレイクインしてたら。負けていたかもしれません。
JPAをやっていた頃にもそういうことは良くありました。
抑えて撞いている時にせよ強く撞いている時にせよ、配置が良くならないということは頻繁にありました。
その結果として相手に取り切られてしまうとか、低スキルの人にたくさん入れられてしまうとか、そういう展開になったら「なんとかブレイクの結果を良くしなくては」と考え、試行錯誤するわけですけども。
ブレイクの結果は良くないんだけども、流れは良いっていう時、あるじゃないですか。JPAにしても普通のセットマッチやハウストーナメントなどにしても。
良いブレイクをしていい配置にして、自分で取り切って勝つ。それが最高の得点の仕方であることは言うまでもないわけですけどね?
流れ勝ちも勝ちは勝ち。
ブレイクの結果は悪いのだけれど、結果的に流れが良くて自分が得点出来ているっていう時に、わざわざブレイクを変える必要はあるんだろうか??
これ、トーナメントだと非常に悩ましく、ブレイクの結果が良くないとその試合では流れ勝ち出来たとしても、勝ち進んだ先で結局負ける可能性が大です。
しかしJPAは1戦で終わり。その試合に勝てればいい。
だから、「格好良い勝ち方」にこだわった挙句にせっかくの良い流れを変えてしまうのはいかがなものかと考え、結果の悪いブレイクをし続けるってことが度々あったのです。
そりゃね。ブレイクを変えたら確実に良い配置に出来て、確実にマスワリが出せるってんなら変えるかもしれませんよ。
けど、確証なんて全くない。もしかしたらブレイクスクラッチをするだけに終わるかもしれない。
だったら、マスワリは出せないけど流れは良い今のまんまで良いじゃないかと。
もしも私がつまらないミスをするとか、相手が流れを変える一手を打ったとかで流れが変わり始めたら。その時になったらブレイクを変えよう。
そう思っていた私は、上の方で馬鹿にした「相手にわざと撞かせる」って言ってたB級氏と同じってこと?
私はなんせ公式戦に滅多に出ませんし、普段のセットマッチやハウストーナメントも5先前後が多いので、あんまり流れを意識することが無いです。フォーマットが短いと、流れってなかなか変えられませんからね。
その点JPAは9先相当、、、、って昔言ってましたっけ?
75点なので8先くらいかな?
なんにせよ、5先のセットマッチよりは長い。
なので、1試合の中で流れが何度か変わることも多かったです。
またブレイクの話になっちゃいますけど、今度はちゃんと「良い配置を作るため」の話。
9ボールで左サイドからブレイクした場合と右サイドからブレイクした場合で、割れ方が不均等なことってありますでしょ。
シートやテーブルの癖なんでしょうが、左右対称な位置から同じように撞いても割れ方が違う。時にはインとノーインが分かれたりもする。
セルフラックになってからはラックで調整しちゃうんで滅多にやらなくなりましたけど、相手ラックだった頃はラックの立ち具合やテーブルの癖次第で、左右から撞き分けるってことをしていたわけです。
その判断も、4〜5先程度の長さだと間に合わないんですよ。「うーん。配置良くないな。次はもうちょっと強く撞いてみようかな」「やっぱり配置良くないな。少し厚みを変えてみようかな」「駄目だこりゃ。逆サイドだ!」とか考えているうちに試合終わっちゃう。
それがJPAくらいの長さになると、切り替えをしてもまだ試合中盤。遅くとも終盤には間に合う。
その切り替えが功を奏して流れを引き寄せて勝てたって試合も多かったです。そのために、JPAやってた頃は左右どちらからでもブレイクを撞けるように練習してましたし。
またプレイでも、スタートは単純に取り切ることを目指すわけですが、調子が悪いだとかコンディションが難しいだとかで「この試合では、取り切るのは難しい」と判断して冷静にセーフティーを絡めていくようなことも多かったです。
これまたブレイクの例で同じで、5先くらいだと自分の調子だとかコンディションだとかを判断し終わる前に試合終わっちゃう。
思い起こせば、5先くらいでも早め早めの判断をして行けるようにっていう目標を大昔に立てたような覚えがなくもないですが、やっぱねぇ。難しいのですよ。短いと。
あー。この話もっとジックリ時間かけて書きたいけど、時間がなくなってしまった!!!
また後日書くかもしれませんが、とりあえず今日はここで終わり!