鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

10ボールブレイクは難しい

3本立て




1本目


初めて生で見た海外のプロってのが誰だったのかを全く覚えていないんですが、画面を通して初めて見たのはスーケーvsブスタマンテの試合だったという記憶があります。まだVHSが多かった時代ですよ(笑)


ビデオを買ってきて見たわけです。


そのビデオを初めて見たのはC級の頃だったわけですが、その後B級A級と上がっていく中で、何度か見返しています。


各時期で感想が全く違う。自分の腕前が違うから感じることも変わるんでしょう。


最後に見たのがもう何年も前なので、今見たらまた違った発見がありそう。時間が出来たら見てみようかなと思っています。



映像となりゃ同じ試合を何度も見返すことが出来ますが、生となるとタイムマシンでも無ければ生で同じ試合を繰り返し見ることは出来ませんよね。そりゃ当たり前。


同じ選手の同じ試合を生で繰り返しは見られないけれど、同じ選手の球を生で見るというだけならその選手が引退しない限りは出来るわけでして。


たまに生で見る機会がある選手で、昔と今とでイメージが違う選手ってのがチラホラいます。


映像で見た時と同じく、私の腕前が上がったから見方が変わったというのはありますし。年が経ってますんでその選手が以前よりも上手くなっているというのもありますし。人によっては以前よりも衰えてしまっている場合もあります。


ただ、今回言いたいのはそういうことじゃなくて、私のその選手の人柄に対するイメージが変わったから球への見方も変わったというパターン。


悪い噂ばっかり耳にする選手っていますよね。


「球は上手いけど人格に難あり」みたいな選手の話は色々と耳にします。「今は丸くなった。昔は酷かった」なんていうプロの話もしょっちゅう耳にする。



全く面識がないってのに、そういう悪い噂ばっかり聞かされ続けていたから、勝手に悪いイメージを持ってしまっている選手ってのがチラホラいるわけです。


そういう選手の球を見た時、昔は先入観に引っ張られて球の評価も悪い方へ悪い方へと流れてしまっていました。


それが最近は「人柄と球の上手さは別」と思って見れているし、噂で聞くような悪い人じゃないと分かった選手もいるしで、球を見た時の感想がガラッと変わった人が結構います。


そうやって、昔は正視しようとすらしなかった選手の球をジックリ見てみると、色々学べることがあるんだよなー。




2本目



かなーーーり久しぶりにグランプリイーストを観戦しに行ってきました。


決勝日も行きたかったんですけど都合により行けなかったので、予選日だけ観戦。


久しぶりに見る選手、初めて見る選手、しょっちゅう見ている選手と色んな選手がいましたが、勉強になるし刺激になるし、やっぱ試合観戦は良いですなぁ。


一番衝撃を受けたのはアマチュア選手でした。まぁ「初めて見た選手」ってのもあるし、アマチュアだからというハードルの低さもあるんでしょうけど、上手かったなぁ。


感想は色々あるんですが、全部書くと長くなりすぎるので1つだけ。10ボールブレイクについてです。



私は安心しました。だって、予選を勝ち抜いた選手含めて、ほとんどの選手が10ボールブレイクが「完成してる」って感じじゃなかったんですもの。


「それじゃ駄目だろ!」ってツッコむ人もおられるかと思いますが、私は安心しました。あのレベルで戦う選手たちがまだあれくらいブレイクで苦労してんだから、私なんかが下手でも当たり前なんだなと。



この間も載せたやつですが、私の10ボールブレイクの現状はこんなん(14秒のブレイク動画です)







このブレイクなら安定して撞けます。ですが、このブレイクしか安定して撞けないとも言える。難点が幾つか。



難点その1:対応力が無い


このブレイクは真正面から一番撞きやすい力加減で撞いているだけです。


そして動画をご覧になれば分かる通り、狙ったボールが入っていません。最終的には2個インしていますが、偶発的インってやつです。


テーブル、ボール、シートと全部のコンディションが良ければこのブレイクでも狙ったボールが普通に入るんですが、少しでもコンディションが変わると対応出来ない。


「このコンディションではどう撞けばインさせられるのか」という知識が少ないというのもありますし、実行力に乏しいというのもあります。


上の動画のブレイクよりも多少弱く撞く分には加減出来ますが、強くする方面となりますと、これ以上強くすると手球が暴れ始めます。かつ、1割は強く出来ますが、それ以上はそもそも強く撞けません。


また、少しずつ改善できてはいるのですが、手球位置を変えた場合の当たりや厚みに難があります。


いつも通りに撞いて入らなかった場合の対応力が無いというのが難点その1。



難点その2:強く撞けない



その1と若干カブってますが、強く撞けません。


ステータス的な意味でも強く撞けないし、実用面で見てももうちょっと強く撞けた方が良いと思うのですが、強く撞けない。


目指せ40kmという目標が達成出来ないとかいう次元ではなく、まずはサイドブレイクと同じくらい出せるようにしたい。


抑えて撞いた時の安定感という意味では、平撞きもサイドも似たり寄ったりなんですけど、思い切り撞きに行った時のMAXスピードを見ると1割も2割も違う。サイドブレイクのほうが上(原因未だ不明)


強く撞いても強くない平撞きブレイクをしていて気になっているのが「1番ボールが転がらないなぁ」ってこと。


大体いつも、コロコローっと転がってきて短クッションに入ってちょっとだけ跳ね返ったところで止まってしまう。もっと跳ね返したい。時には1クッションすらせずに止まっちゃうし。


けど、グランプリ予選を見ていましたところ、ほっとんどの選手の1番ボールの転がり、私と同レベルだった。やっほい!安心!(笑)



手球コントロールに関しても、毎回安定してピタッピタッと止められている人は少なくて、大暴れしているような人もいたしなぁ。



手球は安定しているけどノーインが多いっていう選手と、手球は暴れてるけどブレイクイン率は高いっていう選手がいて「自分の練習中も、まさにそれ!」って思ってて、そこも安心したしw


入るテーブルでは入るんだけど、いつも通りに撞いても入ってくれないテーブルでの対応ってのも安心したなぁ。


強さでなんとかしようとして強く撞くけど結局ノーインっていう選手もいたし。


手球位置を変えてみるも手球コントロールを失するだけっていう選手もいたし。


弱く撞いてみたりレールから撞いてみたりするけど、良い配置にならないっていう選手もいたし。


安心。安心だ。私だけではない。10ボールブレイクは難しいのだ。



完全に他人事として、観戦者目線で見てしまうと「トップ選手がそんなので良いのか」「だから世界で戦えないんだ!」みたいに思う人もいると思うんですけどね。


一プレイヤー目線で、自分も10ボールブレイクを練習している身として考えてみると「やっぱ難しいよね」「超上級者でも、まだまだ安定してないよね」って思えて安心なのだ。


そうそう。



10ボールが主流になって、かつてのような40kmを越えるようなハードブレイクをする選手はメッキリいなくなってしまいました。その点は残念なところ。


けども、「上級者がひたすらにブレイク練習を繰り返す風景」なんていう、かつては見られなかった光景を頻繁に見られるようになった。その点は10ボール万歳だ。


10ボールが主流になり始めた頃、某店にて私が滞在していた4時間くらいの間、ずっと10ボールブレイクの練習をしているプロがおりまして、プロ曰く「今までブレイクの練習をしたことがなかった」とな。


9ボールはそれでなんとかなった。10ボールはなんとかならない。だから練習する。


良きかな良きかな!


でも、ブレイクが得意な人と苦手な人の差が9ボールの時よりも大きく出てしまうとも言えるんでしょうかね。


9の時も「9ボールはブレイクのゲーム」なんて言われてましたけど、10ボールもプロレベルになってしまうと、より一層ブレイクのゲームなのかも?



3本目


バンクショットをする際、先球の軌道は厚みはもちろんのこと、力加減と捻り加減でも変わりますよね。


何年も前にバンクショットを長めに外してしまった西尾Pが「厚みも力加減も捻りも、全部やったらそりゃ長くなるわ!」って自虐発言していて笑ったことがありました。気持ちは良く分かる。


少し長めに取りたい時、弱く撞くか順捻りで撞くか薄く狙うかするわけですが、そのどれか1つで良いのに全部やっちゃって長すぎに、、、、ってのは、きっと誰しもやらかしてしまうことじゃないでしょうかね?(笑)


それと同じようなことをですね。10ボールブレイクで近頃やらかしてます。


真正面からブレイクして入らなかった時「手球位置を調整するか、力加減を調整しないと!」って思い。


次のブレイクターンで手球をズラした上に力加減まで変えて、二重に変えたせいで結局入らないっていう。どっちかだけで良いのに!W


まぁ、1つだけ変えてたら入ったのかどうかはまた別の話ですけど、、、



「いつも通りでは入らないから、対応せねば!」って思っている時であっても対応力が低くて対応出来ないのに、そもそも対応する気すらない状態のことが多いってのが2本目から引っ張っての難点その3!!



撞き方がまだまだ不安定で探り探りなので、ブレイクを撞いた後は「今の撞き方はどうだったか」と撞き方の反省に頭が飛んでしまって、ブレイクの結果がどうだったかを考えないっていう。



おかげで、ノーインだった場合に、どのボールがどのように軌道がズレて入らなかったのかチェックすらしていないわけです。なので、対応以前の問題なんだよなぁ。まずはしっかり撞き方を体に染み込ませないと。っていうか、撞き方を決めないと。




で「撞き方」なんですけど、私の中で両極端な2つに分かれてきています。


1つは昔ながらの(←私の中での話w)伸びあがって右足も浮き上がるようなアクション大き目な撞き方。


もう1つは、多くのプレイヤーの10ボールブレイクと同じく、アクション小さめの手打ちに近い撞き方。


後者を最近少し改良しまして、より一層手打ちに近づいたものだから、前者と後者の見た目の差がさらに開きました。


今まで、テイクバックする際に上半身だけでなく下半身も一緒に立ち上がってしまう癖があったので、せっかく懐を広げるために頭の位置を上げても下半身まで立ち上がってしまっては懐が狭くなるなーと思って、下半身はそのまま、上半身だけ立ち上げることを意識してブレイク。その結果が上で載せたブレイクです。



安定感はかなりあります。が、ほぼほぼ手打ちで、体重移動がほぼ無いですからね。右足は浮き上がる気配すらない。爪先立ちにすらならない。ベタ足。


上手く体を使えたらもっと強く撞けるんだろうなーと思いつつ、強く撞くことより実用的なブレイクを完成させる方が先決だぞっていう気持ちもあり、明日の私はどっちだ。