「コロナ前に、主にスポーツジムでの出来事を例にあげつつ『ウォームアップは大事だぞ!』っていう話を度々書いていたなー、と思い出しました。
たとえば、身体が温まった後であれば75kgの負荷をかけられるトレーニングなのだけれど、ジムに行っていきなりだと50kgまでしか耐えられない、みたいな。7割くらいのパフォーマンスしか出せない。
50kgしか上げられず「あれ?今日は体調が悪いのかな?」とか思ったりするのだけれど、実際には単に身体が温まっていないだけであり、しばらくすれば70kgなり75kgなりに耐えられるようになる。
数値で出るから、凄く分かりやすい。
そんな話を思い出したキッカケは、6月下旬に久しぶりの登山をしたことでした。
冬季の登山は避け、春になったらと思っていたら気づけば6月下旬になっておりましたが、久しぶりの登山を。
元々「登山」と行っても低山を登るだけのハイキング程度のものでしたが、今回は久しぶりだったこともあってさらに難易度を下げました(下げたつもりだったんですが、思ったより高かったw)
が、登り始めから約10分(いや、5分だったかもしれぬ)で早くもほうほうの体。「やばい。ここまで衰えたか。衰え具合を甘く見積もってしまった」「最近運動不足に拍車がかかってるからなぁ」「歳だ。。。」などと思い。
なんせ先が長い。しかも初めての山なので詳細が分からない。この先もっと勾配がきつくなるかもしれない。低山とはいえ複数の山の縦走予定。
今ならまだ戻れる(なんせスタートから10分)今回選んだコースは途中で抜けることが出来ない。戻るか進むかしか選択肢がない。さて、どうしたものか。
散々に悩み「次の峠まで登ってダメそうなら引き返そう」と考えたのですが、その峠に着いた頃には少し余裕が出てきて。
そのまま進み続けていたらどんどん余裕が出てきて、余裕の踏破。余裕をかまして、バスに乗る予定だったところまで歩く始末。
結果、山中を13km、市街地を6.4km歩くことに。
最初のヘバリっぷりは、ウォームアップもせずいきなり急勾配を登り始めてしまったことが原因だったようです。
登山はジムと違って数値では出ないですけど(専用のアプリを入れたりすれば、数値でも出せるはずですが私は使ってない)「体が動くようになった」ってのが明らかなので分かりやすかったです。山中で「眠っていた身体が動き出したぜ!」とか独り言を口にしてましたからねw
でビリヤードなんですけど、ビリヤードもハードブレイク練習なんかしていると凄く分かりやすいです。最初のうちは身体が動かない。それが段々と、明らかに身体が解れて動くようになっていく。
ビリヤードの練習で私がやらかしがちなミスというのが「最初っから身体が動くものと考えて、検証作業を始めてしまう」です。
たとえば、ブレイクで試したいことが1〜5の5つあったとします。それを順番に試していくわけですが、「1は全然駄目だ」「2もイマイチだなぁ」などと結論づけてしまうのですが、実は1や2を試していた時にはまだ身体が温まっていないだけだったってことが良くある。
1や2が駄目だったわけではない。身体が温まっていない段階で新しいことを試そうとしたのが駄目だったわけであります。
時間に余裕がある時にはじっくり体を温めて行くのであまりやらかさないんですけど、時間が無い時には「さっさと検証作業を進めないと」と考えてやらかしがちです。。。
少し話が変わりますが、この間久しぶりにポイズンブレイクを使いました。いま使っている魁を使い始める前の10年間くらい、ずっとポイズンを使っていました。
今回、特に深い理由があったわけではなく唐突な思いつきで久しぶりに使ってみただけなんですけども、「序盤に使うには良いかもしれない」と思いました。
やはり魁と比べてしまうとパワーがないので、体が温まった後に使うには心もとない。けれど魁よりも振り回しやすいので、体が温まる前の段階ではポイズンの方が当たる気がしました。ウォームアップ用のブレイクキューとして良いかもしれない。
体が温まる前と後とで使うキューを変える。そんな事やっている人、いますかね??
話を戻します。
体が温まる前と後との差が1番大きく出るのがハードブレイクですが、プレイだってやはり差は出ます。
ビリヤードのウォームアップって
- 筋肉や関節をほぐす
- 「普段の自分、どう撞いてたっけ」とイメージを思い出す
- テーブルコンディションを掴む
ざっくりと分けてこの3つがあると思います。
2は、ちゃんと撞きこんでいれば短い時間で完了出来ますよね(逆に言えば、撞きこめていないプレイヤーからすると、ここが1番のネックだとも言えますが)
3も経験と知識があれば、早い段階で完了するでしょう。上手ければ上手いほど対応が早いと言えるはず。
けど、1ばかりは腕前関係なく誰だってある程度時間がかかるわけですよ。なのに疎かにしがちなプレイヤーが多いなー、と感じますね。
現実的に、ウォームアップする時間もなく球を撞かなきゃいけないことは多いですよね。平場だと店に入ってすぐに相撞きすることがあるし、試合だってウォームアップ時間なくいきなり対戦しなきゃいけないことが多い。
それが現実だから、現実に対応するために「意図的にウォームアップをしないで、普段から慣れておく」と言う上級者もいます。
けどそれって妥協であり、ベストなのは「全員がしっかりウォームアップをしてから試合に臨む」じゃないですか。現実的に厳しいのは分かりますが、理想に向けて一歩も進もうとしないのはどうかと思います。
トップ選手たちは、試合前にストレッチをしたり体を温める運動をするなど、ちゃんとウォームアップをルーティン化してますよね。
ところが、球屋でストレッチを始めたりすると馬鹿にしてくる人達がいるわけですよ。「やらないのが普通。みんなやってない。みんながやらないことをやってるやつはおかしい」という思考停止な理由で、、、
ウォームアップしないことが慣習となっていて、なぜだかその慣習を守ろうとする老害がいる。
そういう点でも、ビリヤードは先に進まんなぁと感じますね。。。