鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

世界屈指

マチュアとプロってのはやはり舞台が全然違うわけでして、アマチュア時代には八面六臂の大活躍をしていたのに、プロになったら鳴かず飛ばずになってしまったプレイヤーは珍しくないですよね。ビリヤードに限らず、他の競技を見ても同じだと思います。

 

こんな話が度々出ます。



甲「Xさん、上手いよねぇ」

 

乙「Xさん、プロになるらしいよ」

 

甲「え?ほんとに?プロでは勝てないでしょ。。。」

 



みたいな。

 

「上手い」というのは、あくまでもアマチュアの世界での話。アマチュアでいる限りは「物凄く上手い!」という評価になるけど、プロになったら途端に目は厳しくなる。そういうもんだと思います。



「上手い」という評価も主観でありまして、人によりけり「上手い」が表すレベルが変わりますよね。

 

C級プレイヤーからするとB級だって「上手い!」ってことになるし、B級からしたら並のA級でも「上手い」ってことになるでしょうが、A級からしたら並のA級は「並」という評価になる。

 

私の目線からして「上手い」と思うのは、アバウトですけど「球聖戦でB級戦に残るレベル」っていうくらいからでしょうか。A級戦に残るレベルとなると「猛者」というイメージになり、SAともなったら雲の上です。プロは果たしなさすぎるので割愛w



2本目

 

自分でもやらかしてしまうことが多いことである、と予め断っておきます。



ある日、YouTubeにとある日本人ドラマーのライブ映像が流れてきました。

 

名前は知っていたけれど初めて見る若手ドラマー。「上手いなー」「幼少期からやってたのか。羨ましいなー」とか思いながらコメント欄を覗いておりましたら「世界屈指のドラマーですよね!!」「世界に発信すべき!!」とのコメントが。



 

そこまでではない





上手いのだけれど「世界屈指」なんていうハードルを設けられて飛び越えられるほどに上手いわけではない。せいぜい「国内若手有望株」くらいのもんだと私は思いました。

 

「世界屈指」なんていう評価をした人は、恐らくはファンなのでしょう。「自分が応援するドラマーは本当に格好いい。上手い。世界屈指なのだ!」と思いたいのでしょう。

 

ただ、ファンのそういう発言がアンチを増やしてしまう可能性も考慮した方が良いと思います。先入観なしに見たら「お。上手いね」という評価だったのが、世界屈指なんて言われたせいでハードルが上がって「どこがだよ。下手じゃんw」に変わってしまうこと、普通にありますからね。

 

(こういうことを言うと必ず「アンチが悪いんだから、ファンは悪くない」と言い出す人がいるんですが、ファンの行動によってアンチが増えて嫌な思いをするのはアーティストですからね。ファンならばアーティストのことを第一に考えて、自分の行動を律する必要はあると思います)



さて。「自分の推しは世界屈指!」と言いたくなる気持ちは分かるのですが、傍から見ると「あなたは世界のことをどれだけ知ってるの?」「ってか、国内のことだってろくに知らないでしょ?」という話になってしまいます。

 

度々話に出しておりますが、私はCクラスの時に一般の人から「プロなんですか!?」と言われたことがあります。一般の人からするとCクラス程度の腕前でもプロのように思えるらしい。

 

それは、その一般の人がそれまでの人生でビリヤードプレイヤーをほとんど見たことがなかったからですよね。「今までの人生で出会った中で、1位2位を争うくらいの実力者!」と思ったから「プロなんですか!?」と聞いたんだと思いますが、単に今までにビリヤードプレイヤーを見てこなかっただけ。

 

上記した「世界屈指のドラマー」という評価も同じなんだと思います。言い換えれば「私が今までに見たことがある中では屈指!」「私の世界の中では屈指の実力者!」ということ。そして「私の世界」が物凄く狭い。何人かしか知らないっていう。

 

私は自分自身がドラムをやるためドラマーの動画を頻繁に見るんですけど、「世界1のドラマーだ!」というコメントが入っているドラマーが、私が知る限りでも世界に何百人もいますよww

 

勝負事じゃないだけに、ランキングなんてつかないし、レーティングなんかも出ない。絶対的な評価ってもんがないから、主観バリバリになっちゃうんですよね。



ビリヤード界隈においても、一個人の意見をあたかも一般論であるかのように話してしまう人を多数見かけますし、私もしょっちゅうやらかします。

 

強調をしたいんですよね。「良い」「凄い」「格好いい」と自分が思ったものを、世の人に伝えたい。素晴らしさを他の人に知ってもらいたいし、「そんな素晴らしいものを知っている自分凄い」とも言いたい。そのために、良さを強調したい。

 

そうして軽々しく「世界」だの「屈指」だの「神!」だのと口にしてしまう。

 

その釣り文句に見事に釣られて注目をしてファンになる人はいると思います。半面敵も増やしがち。

 

基本的なことなだけに、言葉選びにはもう少し気を遣ったほうが良いなーと思うので、気をつけます。

 

言葉遣いに気をつけるというより、「冷静になる」ですねw