鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

見た目だけだと判断出来ない

 

1本目

 

何年も前の話ですが「10ボールブレイクのコツは『40kmで撞くことだ』とボーニングが言っていた」という話を聞きました。

 

「そんなこと言われたって出来ねぇよ!」という笑い話として私もその話を取り上げることがあるんですけど、正直、真実味がない。というのも、ボーニングが40kmくらいのブレイクをしているところを見たことがなかったからです。

 

普段見かけるボーニングのブレイクは36〜7kmくらいがほとんど。もっと弱く撞いていることもある。撞こうと思えば40kmで撞くことも出来るんでしょうが、実際に撞いているところは見たことがない。やってもいないことを「コツ」として挙げるのはおかしいんじゃないか?と思ったわけです。

 

ボーニングはアメリカ人でマイルの国の人ですから、kmで数値を言い表すのもおかしな気がするし。

 

「それに近いことは言ったのかもしれないけど、だいぶ盛られて伝わってきた話なんじゃないか?」というのが私の見解でした。



先日、初めてボーニングが40km越えのブレイクを撞いている姿を動画で見ました。フォーマットの詳細を知らないのですが、9オンフットかつブレイクボックス採用だったのかな?9オンフットのラックに対してほぼ正面から41kmほどでぶっ放しているブレイクでした。

 

それを見て「もしかして『10ボールブレイクのコツ』ではなく『9オンフット&ブレイクボックスでのコツ』として話したんじゃないの?」と思ってました。ありえない話ではないですね。伝言ゲームなんてのはそんなもんだw

 

 

その時見たブレイク動画からもう1ネタ。

 

ブレイクのアクション(プレイヤーの体の動き)からだけでもアバウトな強さは分かりますが、細かい部分は音を聞いたり手球や的球の動きも見たりしないと分からないですよね。私の場合は主にインパクト音がしてからラック衝突音がするまでの間隔で判断します。アプリBreak Speedと同じ測定方法です。

 

けど、同じ強さのブレイクであっても、音の間隔は手球と的球の距離によって変わる。

 

たとえば9ボールと10ボールですと、概して10ボールの方がブレイクが強く感じます。レールから撞く場合と正面から撞く場合では、正面からの方がラックまでが近く、インパクト音がしてからラック衝突までの音の間隔が短いから。

 

また、9オンフットというのも距離が違いますよね。9番がフットスポットに乗りますので、その分ラック全体がヘッド側に近づく。

 

それで騙された例として過去にネタにしたことがあるのがスタレフのブレイクです。

 

何度もネタにしたスタレフのブレイク。異次元の強さだと思っていたんですが、ある時「これ、9オンフットじゃん」と気づきました。ラックまでの距離が近いもんだからそのぶん音が鋭く聞こえ、実際よりも強く感じていたのです。

 

それを考慮しても充分に強いですが、最初に思っていたような異次元の強さというほどではなかった。音に騙されていたのです。



9ボールと10ボールでは手球位置が違うから距離が変わる。9オンフットだとラックが近いから距離が変わる。

 

また、日本だとそうそう見かけないですけど、海外だと7フィートのテーブルだったり逆に10フィートテーブルなんてのもあって、テーブルの大きさ自体が違うこともあるわけじゃないですか。そうなると当然手球からラックまでの距離も変わるわけで、音も変わる。

 

目にしたブレイクの動画を「9フィートテーブルでの1オンフットだろう」と思い込んでしまうと、色々勘違いしそうだなぁと思いましたとさ。

 

ハードブレイク動画を見るにあたって、手球のスピードに対して常に変化しないのはキュースピードですが、動画を見て腕の振りの速さだけからスピードを判断するのって至難というか出来るんですかね、、、?

 

余談ですが、今回初めてボーニングの40kmブレイクを見たことで、ここ数年で新規に見た40kmブレイカーが3人めになりました。

 

抑えめに撞いている時とはまた違った撞き方をしているボーニング。そしてまた、ここ数年で新規に出会った前2人ともまた違う。

 

学びがあるなぁ。

 

 

2本目

 

ブレイクと音の話繫がりで。

 

ちょっと前まで私の10ボールのブレイクは手球が跳ねてたんですけど、当たりがよくなったやら跳ねづらい撞点を撞くようになったやら(撞点に関しては意図しているわけではないw)で、ここんところ手球があまり跳ねていません。

 

スピード自体は上がってるんです。計測してみたら速度は上がってる。けど手球が跳ねないぶん弱く感じる。

 

跳ねるブレイクは手球がガンガン打ち付けられる音が大きい。跳ねないブレイクは強くても案外静か(1本目でネタにしたボーニングの41kmブレイクも、手球が跳ねていないので一見強くなさそうに見える)

 

「手球の跳ねに騙されるな!」と人には散々言っているくせに、自分もなんだかんだで判断を鈍らせられてるなぁと苦笑い。

 

「音の反響」もやはり影響しますよね。反響がいい店だとブレイクが強く感じる。

 

また、動画で見る際はスピーカーの影響も大きく、全く同じブレイク動画をスマホで見た時とパソコンで見た時とでは印象が異なるし、大きめのスピーカーやヘッドホンに繋いで聞いた時ではまた印象が異なるし。

 

さらに言えば、自撮りブレイク動画をオリジナルの状態で見た時とTwitterに載せて見た時とYou Tubeに載せて見た時とで、全部音の感じ方が違う。元は同じなのに。

 

画面を通して見る際は、当然ボリュームでも全く印象が変わる。当たり前ですけど、ボリュームを大きくして見た時の方のほうがブレイクが強いように感じます。

 

音でもう1つ。

 

球歴の初期はブレイク用も革タップが一般的で私も革タップでブレイクをしていました。初めて先角一体型のブレイクキューを買って撞いてみた時に、球友からは「雷みたいな音だね」と言われ、私自身「音が痛い!!」って思いましたw

 

樹脂タップが当たり前になった今となってはさすがに慣れました。樹脂タップでのブレイク音が私の中での普通になっている(そんな今でも、一部の樹脂タップは「音が痛い!」って思いますけど)

 

そのため、たまに革タップでのブレイク音を聞くと実際よりも弱く感じてしまいます。

 

色んな事に騙されますねぇ。

 

常に「いま自分が感じた強さ、それ本当に正しい?」って疑いながら生きていますw