1本目
プッシュアウトの話をする度にこの話をしている気がしますが、再び。
某店のハウストーナメントにてA級対決。
相手A級氏、不発ブレイクをしてノーイン。手球はスクラッチ寸前で穴前に残り、角に引っかかる。1番ボールは全く見えていないどころか、当てるのすら至難。
そのハウス、全クラスにおいてプッシュアウト不採用。
クソがぁ!!
なぜそのハウストーナメントではプッシュアウトが不採用なのか。
「プッシュアウトなんていう、ブレイクの下手さを救済するシステムはいらん!」ってのがその店のオーナーさんの考えだそう。自分でブレイクして自分でプッシュアウトしようとした場合だったのなら私も賛同しますが、上記の例のように相手のクソブレイク&ノーインからの救済措置が無いのは理不尽以外のなにものでもない。
まぁ、ゆーたらプレイ中のフロックセーフティーと同じなんですけども、フロックセーフティーに関しては現状これといったルールが最初から無いですから愚痴るしかないですけど、ブレイクノーインからのフロックセーフティーはプッシュアウトというルールが世の中には存在しているだけに、「なぜ不採用なのか!」という思いが湧いてきますわな。
この件に関してはブログでグチグチ言っているだけではなく、当のオーナーさん本人に具体的な出来事も話しつつ「相手ノーインからプッシュアウト出来ないのは理不尽ではないか」「せめて相手のブレイク後はプッシュアウト可にしてほしい」と進言しました。
しかし「確かにそういう時はそうかもねー」とボンヤリした返事をもらって終わりです。
以上は10年ほど前の出来事ですが、未だその店のハウスはプッシュアウト不採用なようなので、これぞまさしくこの業界にありがちな「言わなきゃ変わらないし、言っても変わらない」を感じさせられる一件であります。
その1つの出来事がプッシュアウトにまつわる出来事として猛烈に記憶に残っておりますが、その一件だけとも言えます。
私が公式戦に滅多に出ないせいもあるかもしれませんが、プッシュアウト関連の出来事ってほとんど記憶にないです。
さて。他の店のハウストーナメントを見てみると、同じく「全クラスプッシュアウト不可」というところもあるし、「全クラスプッシュアウト可」というところもある。そして一番多いのは「A級以上の対戦だった場合のみプッシュアウト可」というやつじゃないでしょうか。どちらか一人でもBクラス以下だったらプッシュアウト不可というルールですね。
これって全国的なことなんでしょうか?
少なくとも東京近郊ですと「Aクラス同士だった場合のみプッシュアウト可」が多いんですけど、他の地域では違う?もしも全国的に同じような風潮だとしたら、なぜそれが普通になったんだろうか??
正解は知りませんので単なる私の推測ですが、今日はプッシュアウトについてつらつらと。
2本目
まずはプッシュアウトにまつわるI氏ネタを。
先月I氏(B級)と相撞きしました。I氏とはI氏が「次に出る試合がプッシュアウト不採用なので、プッシュアウト無しでお願いします!」と言ってこない限りは、プッシュアウト有でやっております。
I氏とプッシュアウトにまつわる思い出といえば、10年以上前の「I氏。生まれて初めてプッシュアウトをする」事件であります。
当時既にI氏はBクラスだったはずですが、プッシュアウトをしたことが一度もなかったらしい。
私相手に人生初めてのプッシュアウトをすることになり、プッシュアウト宣言をしたI氏はガチガチのセーフティーになる位置に手球を運ぶ。当然私はパスをします。そうしましたらI氏は一言
「ずるい!!」
ずるいってなんだよww
っていう事件です。ようはプッシュアウトというルールを良く分かっていなかったわけですね。パスをされることなんて全く念頭になかったようです。
それから約10年が経過して、さすがにルールとしてはちゃんとプッシュアウトを理解しているようですが、上手くなったのかといえば全然でした。
今回セットマッチを3回やる中で、I氏が1度だけプッシュアウトをしたのですが、あまりにも下手でw
「下手」というのは「狙った所に手球を持って行けなかった」のではなく「狙った通りの配置には出来ているらしいが、狙いが下手」という下手さでした。
意図が分かりやす過ぎる。「もし私がパスをしたら、I氏はこういうショットをしたいんだろうな」という意図があまりにも分かりやすすぎて、かつそれが簡単過ぎるっていう。
直接の入れは無いが、私にとってはキャノンが容易な配置でした。
私の推測では
B級I氏:キャノンで入れる。成功率6割。キャノンで入れた後は出たとこ勝負
A級俺氏:キャノンで入れる。成功率9割。キャノンで入れた後の残しも容易
こういう対比だったように思えます。
私は撞きに行くかパスをするか、全く悩む必要がなかった。私はパスをせず自分で撞きに行き、そのまんま取り切りました。
初球を処理する自信はあったし、その後も特に難所がなかったため、取り切り率が恐らくは8割以上あったと思います。相手に撞かせるという不確定要素を発生させるよりかは、自分で撞きに行った方が良いだろうという判断です。
その時は真面目に撞いていたのでそういう判断をしましたが、疲れてて自分で撞きたくなかったとか(←ふざけた理由ですが、たまにある)「面白いから、とりあえずI氏に撞かせてみよう」と思ったとかで仮にパスをしてI氏に撞かせたとしても、結局は私が得点していたんじゃないかという気もするんです。
初球の入れ自体がI氏はたぶん6割くらい。この時点でだいぶ「パスしてもまた回ってきそう」と思えますし。
初球を入れたとしても、その後が出たとこ勝負ですから、さらに「どうせ回ってくるだろう」だし、2球を上手く処理しても「最後までは取り切れないだろうな」という思いが拭いきれないw
当日I氏にも話したんですけど、以前にとあるSA様が全クラスプッシュアウト採用のハウストーナメントにてBクラスと当たり、究極の舐めたプッシュアウトをしていました。
ブレイクで2個インするも取り出しが悪く、残り7球でプッシュアウト。
一切のトラブル無し。トラブルが無いどころか、これといった難所も無し。初球も普通に入れて出せる配置になるようプッシュアウトしたのです。
A級同士のプッシュアウト攻防戦で、入れはあるけれど難しい配置にプッシュアウトして「どうだ!取り切れるか!?」みたいにすることはたまにありますけどね。
そのSA様が繰り出したのは「どうせ取り切れないでしょ?」っていうプッシュアウトでした。完全に舐めてるプッシュアウト。
そして本当にB級さんは取り切れずSA様が得点。
「SA様、ひでぇな」とは思えど、でも「まぁそうだよね」とも思えてしまう。
B級となると開けた配置でも取り切り率は低いし、SA様ともなれば「仮に取り切られても、1失点くらいどうでも良い」とも思えるだろうしなぁ。
ちなみに「B級を舐めすぎ」「オープンな7球くらい、B級だって取り切れる」と言われそうな気もしますが、私はSA相手に7球を高確率で取り切れるB級をB級とは認識いたしません。
3本目
「なぜB級以下はプッシュアウト不採用な場合が多いのか」について推測してみます。
全クラスプッシュアウト不可という場合もあるわけでして、1本目で書いたように、ルール選択の権限を持つオーナーや店長さんがプッシュアウトというルールを好んでいないという場合もあるようです。
しかし、どの店も同じだとは思えないので、運営上の都合ってのもあるのかな?と思いました。
プッシュアウトを採用すると自然と試合時間は長くなるはず。それを嫌う店もあるのかなと。
お店の側としては正直誰が勝とうが関係ないし、選手が理不尽な思いをしようと関係ないし、想定した時間内に終わってくれる方が良いのでしょうから、長引く原因になるルールをあえて採用する必要性を感じないってのはありそうな話です。
2つ目として、これは推測じゃなくて実際にしばしば聞く話ですが「BCクラスにプッシュアウトは難しいから」「BC級がプッシュアウトをしても無駄だから」という理由。
そういった理由を運営側から聞いたこともありますし、選手の側から聞いたこともあります。
「BC級がプッシュアウトをしても無駄だから」ですが、4本目で書きますが、上のクラスの人と対戦する場合は特に「腕前が違うと、プッシュアウトしても無駄」になりがちだと思います。
さらに言えば、同クラス同士の対戦であったとしてもBC級となるとプッシュアウトの駆け引きなんて全く関係の無いところで勝負がつきますよね。プッシュアウトの駆け引きに勝ち、そこから相手に流れを渡すことなく得点するなんていう技術がありませんもの。
BC級の頃はブレイクの良し悪しがあまり勝ち負けに関係しないというのと同じで、プッシュアウトの上手さ下手さはほとんど関係しないでしょう。
「舐めるな」「B級だってプッシュアウトの正否で勝負が決まることもある!!」なんていう反論を食らいそうですが、確率が0とは言っていません。メッチャ低いっていう話です。
また、もし本当にプッシュアウトの如何で勝負を決められるようなBクラスがいたとしたら、、、
それはBやない。Aや。
というわけで、「採用しても意味が無いから」という理由で採用しないってのは分かる気がします。
が、私は「プッシュアウトをしてもしなくても変わらない」ということが言いたいです。「プッシュアウト無しの方が良い」ではなく「有りにしても変わらん」という趣旨です。勝ち負けの観点ではどっちでもいい。
どっちでも良いんだったら、将来性のために初級者時代から慣れておいた方が良いんじゃない?と私は思います。
「BCクラスにプッシュアウトは難しい」と言われますが、これは私としては「難しいというより不慣れなことが原因では?」「難しいからと不採用にするせいで不慣れになり、いつまでたっても難しいと思ったままという負の連鎖では?」という思いがあります。
いざ全クラスプッシュアウト採用の試合に出た時、一部のBC級が「何をすれば良いのか分からない」「やったことが無い」「プッシュアウトは無い方が良い」みたいに言っている場面が多々あるんですけども、どれもこれも「普段やらないから」「慣れていないから」が原因であり、なんで「普段やらない」「慣れていない」なのかといえば、不採用の試合が多いからで、、、
なんだか卵が先か鶏が先かみたいな話になってきましたねww
プッシュアウトに慣れていようが不慣れだろうが、プッシュアウトが上手かろうが下手であろうが、どうせ取り切り率が低いんだから勝ち負けには反映されづらいでしょうが、それは「今」の話です。
将来的に腕前が上がってAになって、さらにその先を目指す時には「自分はプッシュアウトに慣れています」の方が良いに決まっています。
たとえ今は特に意味がなくとも、将来的に活きてくるだろうから、今からやっといて良いんじゃない?って私は思うんですね。別に何かデメリットがあるわけでもないし。
デメリットは「試合進行が遅くなる」くらいだと思うんですけど、BC級の段階からプッシュアウトを採用することによる、プレイヤー自身へのデメリットって何かありますかね??
セーフティーに関しては、早すぎる段階でセーフティーを覚えると「攻めなさ過ぎるプレイヤーが続出」「取り切り率が低下する」みたいなデメリットがありますけど、プッシュアウトは何かそういうデメリットある??
分かんないんですよ。なんせ身近に「C級の頃からプッシュアウト可で育ってきた」っていう人がいないもんだから。
所詮は私の推測による持論ですけども「BC級の段階ではプッシュアウトに意味は無いが、将来的に活きてくるので慣れておいた方が良い」と思っておりまする。
4本目
プッシュアウトは実力差があるとどうしようもないというお話です。
その昔、土方Pとよく相撞きしていただいていた時期にプッシュアウトに関して感じたのが「何をやっても無駄」でした。
「土方Pよりも私の方が成功率が高いショット」なんてものが存在しないんですもの(;´∀`)
私が処理できる配置は土方Pも処理できる。私が処理できない球も土方Pは処理できる。土方Pですら処理出来なさそうな配置は当然私は処理できない。
どんなプッシュアウトをしても無駄。
プッシュアウトって「自分は得意で相手は苦手」という配置に出来たら最高なわけじゃないですか。
プレイスタイルを知らない人と対戦した時、相手のことは分かりませんので、私は自分の特技ということで「遠くて薄いけど、カットで入れられなくはない」みたいな配置に残すことが多いです。
けどそれは私と近しいレベルのアマチュアと撞いている時の話であって、土方Pは完全なる上位互換ですからね。そんな配置に残したら普通に入れられて終わりです。
何もできぬ!!
ってことで、そういう相手とやる時は「自分が撞くにしても相手が撞くにしても、セーフティーをするしかない」という配置にプッシュアウトして、相手のミスを願ってのラッキー狙いをすることが多いです。。。
というように、あまりにも実力差があるとプッシュアウトなんてあって無いようなものになっちゃいますが、近しい人とやる場合は「ないよりはある方がマシ」だと私は思います。
プロの世界でも、プッシュアウトをした側とされた側で、結局どちらがそのラックを得点したかって50:50らしいですからね。
相手に開けた配置を渡したら高確率で失点してしまうというレベルの勝負でブレイクをミスした時(または相手のブレイクノーインでそういう配置が回ってきた時)に、そのまんまでは得点率が限りなく0%に近いところを50:50まで持っていけるというメリットがプッシュアウトにはありますけども、とはいえ50:50にしかならないとも言える。
あまりにも「どうすれば自分の得点に出来るか!!」と考えすぎるとドツボにはまりそうなので、50:50くらいの気持ちで開き直った方が良いのかもしれません。
ちなみに、A級でも「プッシュアウトは不採用の方が良い」という人もチラホラいます。そういう人は大抵、コントロールブレイク巧者ですね。
ブレイクが上手い。ブレイクでミスはしない自信がある。プッシュアウトなんていうルールがあっても相手にメリットがあるだけで自分にはメリットが無い。だから不採用の方が良い。
逆に、ブレイクに自信が無いというSA様は「プッシュアウトが無いと自分は勝てん」と言っていましたね。
プレイスタイル次第ですな。
以上、長々と書いてきたくせにプッシュアウトのことなんて大して良く知らない鈴木がお送りしましたww
相変わらずの適当さですみません。