鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

準備で勝つ

3本立て



1本目



得意だと思っているショットは、実際に自分のレベルとしてはそこそこ上手く出来ているのですが、「苦手ではない」「苦手意識はない」というショットは、実際には下手ってことがよくある。


最近の例では土手撞きなんかが正にそれで、今まで特に苦手意識はなかったのだけれど、ふと「土手撞きメッチャ下手だな」と気付いたのであります。


なぜ今まで苦手意識を持っていなかったのかと考えると、土手撞きに対して高い要求をしていなかったからだと思います。


土手撞きになったら素直に我慢出しをするとか。


土手撞きでミスをしてしまっても「土手撞きは難しいから仕方がないよね」と思っちゃうとか。


そんな気持ちだったもんだから、ミスをしても痛みが無い。


「あれを成功させられていれば!」「あんなミスをしてしまうだなんて!」という痛みを抱えて悔やむから練習しようという気持ちになるのであって、「ミスしても仕方がない」だなんて思っていると痛くないから練習もしない。練習しないどころか下手だとすら気付いていないっていう。



最近になってやっと土手撞きでもちゃんとした結果を出そうという心持にになって、そうなってやっと下手だということに気づきましたとさ。


他にもいくつかあります。「ミスしても仕方がない」だなんて心持でいたから、下手だってことに気付いていなかったこと。


最近は意識高めなので、色々自分の粗に気付きまくっています。


しかし、下手だとはとっくに気付いているのに未だ練習しようっていう気にならないのがセーフティーなんだよな。。。私にセーフティーの重要さを痛感させてくれるようなキッカケに出会う日はくるのだろうか。。。。




2本目



私が球歴の中で最も球撞きに向けて準備をしていた時期はといえば、JPAでSL9に上がった直後の全く勝てなかった時期であります。



ホントにまぁ全く勝てなかった。勝率2割台だったシーズンもあったような。


私が相手の時だけSLが1つも2つも上なんじゃないかっていうやたらと良い球を撞くという「オレイチ」を対戦相手にされて負けた試合も度々ありました。そういう「相手が良い球を撞いて負けた」っていう時は「勘弁して!」っていう気持ちはあれども、仕方がないとも思える。


が、さすがに勝率2割台ともなりますと「相手が良い球を撞いた」だけでは、そこまでの低勝率にはなりません。自分の球が情けないのであります。



ベストを尽くしたが負けたというのであればそれは実力不足であり、素直に「練習して上手くならねば」となります。地力を伸ばさなくてはいけない。


しかし、私の負け方はそんなものではありませんでした。


SL9の持ち点は75点なわけですが、相手が特別に良い球を撞いたわけでもないのに30点台しか取れずに負けるとか。酷い時には20点台で負けるとか。


「SL9としては実力不足」とかいう次元じゃない。完全に自分の球が撞けていない状況であります。





いかに本番でアベレージ以上の球を撞くか。地力を発揮するか。


そのために事前練習時間をしっかり取る。事前練習の内容をしっかり考える。


食事のタイミングや内容も考える。前夜の睡眠時間をしっかり取る。体に変な癖がつかないよう、寝相を気を付ける。


ドーピングをする(栄養ドリンク飲んだり、目が上手く利くようなサプリメントを飲んだり)


その他諸々、とにかくしっかり準備をしました。


そうしましたら自然と球の内容が良くなり勝率が上がり。勝てるようになりますと自信がついてきますから、さらに球の内容が良くなるという好循環です。



当時のJPA以外で、そこまでの準備はしたことが私の球歴の中で無いです。もちろん今も。「出来ていない」とも言えますが、出来る範囲のこともしていません。


ベストを尽くしていない。その自覚があるから、「目指せ優勝!」的なことは間違っても口にしません。



しかし、世の中には高い目標ばかり口にすれど全く準備をしない人ってのが結構いる。


すんごいレベルの高いプレイヤーが、格下ばかりが出る試合に出るのであれば、さして準備をしなくても。たとえアベレージ以下の球を撞いてしまっても勝てるのでしょう。



けど、ヘタクソが戦績を残そうと思ったら、実力じゃ勝てないんだから事前準備の周到さで勝負するしかないんですよ。それをしなくてどうするの!って思う。



自分より上手い人を相手に勝とうとしたら、神頼みするか事前の準備で勝負するしかないわけですのでね。


実力で負け、準備でも負けてたらそりゃ負けますぞ。





3本目



先月、2日連続でクラシックコンサートに行きました。


1日目は一線級のプロオケ。2日目はアマチュアのオーケストラだったのですが、腕前はプロと遜色ない。ただどうしてもプロと比べると使用楽器が、、、、ね。


どんだけ腕があっても、楽器がチープだと出せる音に限界がある。


使っている楽器のグレード。そこら辺はさすがにプロとアマで差があるなーと思っておりました。



それでふと思い出したのが「おくりびと」の冒頭のシーンです。


皆様はご覧になったことがありますでしょうか。おくりびと。もう10年近く前の作品ですね。


プロのチェリストである主人公が、楽団が突如解散してしまって無職になってしまうところから物語が始まるわけですが、チェロ購入の際の借金を返さなきゃいけないという話を奥さんとしていて、値段を聞かれて指1本立てたんでしたっけ?


細かい描写は良く覚えていないのですが、奥さんが「100万円くらいなんとかなる」っていうわけですが、実際には1000万で。。。。みたいなシーン。


ビリヤードだったら、一般の人にキューの値段を聞かれて「1」と答えたら1万だと思われる可能性大ですよね。せいぜいが10万で、100万だとは絶対に思ってもらえないでしょう。


まぁ、職を失って深刻な顔して「キュー購入の借金が、、、」って言ってたら、10万円くらいでクヨクヨするとは思わないでしょうから、100万だと思ってもらえるかな?



ちょっと前に話題になったので、どこかでご覧になった方もいると思いますが、「その商品が高い、と感じたら、製作者はあなたを購入者として想定していない」ってなツイートがありました。




たとえば、銀座とか新橋とかのバグースの場代、高いです。


でも私は分かっています。私なんかをターゲットにしていない。大半のプレイヤーはターゲットにされていない。



「平均ご予算3万円〜」なんていうフレンチやら懐石やらなんやらは、私らみたいな庶民をターゲットにしていない。


ま、庶民でもハレの日や、ちょっと見栄を張りたい時には利用することもあるでしょうけどね。


庶民が高級食に価値観を見出して日常的に利用し始めたら、良い未来は見えませんね。知り合いに何人かいますけど。みんな意識高い系。そのうちちゃんと見合った収入を得られるようになればいいんですけど、彼らは無理そうだな。。。



収入が低いからって安物ばっかり使っているんじゃなくて、ちゃんとした高級品を使え。そうすれば仕事も上向いてきて、収入も上がる!!


みたいなのは良く聞く話ですけど、そんなんはただの販売戦略だぞ!


または、一部成功者による生存バイアスじゃい!



話が逸れてしまった。



ビリヤードも、上に書いたバグースの料金然り、カスタムキューのお値段しかり、キューケースその他諸々、「分かる人だけ買ってください」ってなお値段の商品は色々ありますよね。


あまりに強気な値段設定で誰も手を出さずに商売が成り立たないってんじゃ駄目ですが、価値を見出す人がいて売れているんだったら値段に文句を言うのは筋違いってもんで。


「高いから買わない」「なんであんなに高いのか」なんて思ったら、あなたは購入者として想定されてませんよってことなのだ。