渋台話の続きを書くも、全くまとまりのない文章になってしまったので、適当に濁して終わりにしようと思っていたら、みかこさんのコメントでハードルを上げられてしまったので、多少真面目に書きます(笑)
渋台を攻略する上で大切なことと言えば、まず当たり前のことですが厚みの精度であります。
これほどつまらない回答はないですが、とはいえ、皆様は日頃このことを意識して練習していますか?
厚みの精度を上げようとしたら、当然まずは細かく狙う必要があります。
アバウトにしか狙っていなかったら、厚みの精度が上がるわけがないですからね。
練習時、甘台であっても自分を律しきれる人であれば細かく狙っていけるのでしょうが、私も含めて多くの人は「甘台だから、こんなもんでいいや」と思って撞いてしまうと思います。
結果、ポケットの甘さに助けられて入ったとしても、なんせ入っているから厚みがアバウトであったことに気付かないかもしれません。気付いたとしても、やはり入っているだけに「まぁいいや」って思ってしまうことが多いでしょう。痛みがないですから。
甘台でしか撞いた経験が無い人となると「甘台だから」という意識すらないまま、アバウトに狙ってアバウトに撞いてしまうことでしょう。それでも入ってしまいますからね。
日頃から細かく狙い、厚みの精度を研ぎ澄ましておくこと。
渋台で練習していた方が、この意識が自然と高まりますよね。
ここまでは「狙った厚みに正確に先球を運ぶ」ということに関してでしたが、続いては、そもそもどこを狙うの?っていう話。
サイドポケットへの入れに関しては、わたくし結構最近まで悩んでおりました。入らん入らん。
苦手であると気付いているのに、練習をしないで放置してしまっていることが多々ありますが、サイドポケットへのシュートもそうでした。
ある時、真面目にサイドへの入れについて考えてみたのですが、そこで気付いたのが「そもそも狙っている厚みが違う」ということでした。
狙ったところにはちゃんと先球は転がっている。けど、そのコースじゃ入らないよっていう。
サイドポケットに関しては、世間一般どのテーブルでも同じだったのですが、今のJPAチームに入ってサンビリをよく利用するようになった当初は、コーナーポケットも同じく狙う厚みを間違えていました。
それまで使う機会の多かったテーブルは、どこもレール際の球を入れる際、手前のクッションを少し舐めるような厚みで転がした方が入ったのです。
ずっとそういうテーブルで撞いていましたから、その厚みの癖がついていました。
そのせいで、サンビリではカコカコカコカコの繰り返し。
サンビリは直接角付近を狙う方が入る(逆に、そういう狙いをすると入らないテーブルもある)
以降、他の店に行く時も、どこを狙えば先球を受けてくれるのか、しっかり考えて撞くようになりました。
先球がポケットの真正面にあれば「ド真ん中を狙う!」で良いですけど、正面じゃなければ「ど真ん中ってどこやねん」って話ですからね。
どんだけ厚みの精度が高くても、狙う厚みを最初から間違っていたら、入るもんも入りません。
ポケットが甘いテーブルであっても、レール際のカットなどは狙う厚みがシビアです。
渋いテーブルだったらなおさらで、渋台だったら先球がポケットの正面付近にあっても、狙いどころをしっかり定めないといけない。
「狙ったところに正確に転がす」だけじゃなくて「狙いどころは正しいのか」に関しても、しっかり考えておくべきだと思います。
そして、テーブルに合わせてその都度細かく「狙いどころ」を修正する能力も必要。
テーブルが違ったら、同じところを狙っても同じように入るとは限りませんから。
厚みの精度に関しては、一朝一夕でどうにかなるもんじゃなく、地道に練習していくしかありませんが、狙いどころに関してはすぐに変えられますので、早めに研究を始めた方が良いかもしれませんよ。
渋台対応話をもうちょっと。
戦略的な面で言えば、組み立てを変えるってのがありますね。
甘台ならバタバタで出すけど、渋台なら切り返すとか。
甘台ならしっかり出しに行くけど、渋台ならそこそこで我慢して次の入れ勝負に行くとか。
こういう「渋台勘」は渋台で撞いていないと身につかないので、渋台で撞かないことにはどうしようもありませんな。
理論があっても、実際に試してみて「確かに渋台ならこういう組み立てが良いな」って実感していないと、本番で自信を持っては撞けませんからね。
ラスト1つは、誰もが分かっているだろうし、言われても困ることですが、セーフティ。
某フィリピンSAが、甘台だとマスワリを連発して撞かせてくれず、渋台だとガチガチのセーフティーばかりでまともに撞かせてくれず困ったもんでしたが、これも「組み立てを変える」の一種ですかね。
どれだけ技術力があっても、テーブルの難度によっては攻めの選択肢を取る限界が出てきますので、そこでセーフティー。
普段は入れに行くところをセーフティーするわけですのでジャッジが難しいですし、当然セーフティーの技術が問われますし。
時にはパッと見ではいくらでも入れに行けそうな球をセーフティーしなきゃいけないような場面もあり、そういう球を撞く時って被害妄想に駆られます。
上級者ならばそのジャッジを理解してくれると思いますが、初級者には「逃げている」とか思われたりしますからね。
そういう点での心の整理も含めて、日頃から渋台で撞いていないとww
理論だけではどうにもならないことが多いので、日頃から実際に渋台で撞きましょうっていう、つまらない結論で終わらせていただきます。
渋台に慣れておけば、渋台で撞く時に対応できるってだけじゃなく、甘台で撞く時に余裕が生まれますし、厚みの精度が高まればショットバリエーションが増えますから、いいこと尽くしです。
「渋台で練習する=渋台に対応するため」というだけではないのです。