鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

適正 前編

 

以前にワインを買ったことがあるワインショップが、こんな約束事を明記していました。

 

  1. 架空の「当店通常価格」の設定はしない
  2. 実態のないメーカー(輸入元)小売価格の案内はしない
  3. お客様を騙すような、過度な煽り文句を使った商品説明はしない

 

「通常価格2万円のところを、なんと今なら14800円!!」とか言っておきながら、元から15000円だとか。

 

「メーカー希望小売価格12000円のところを7800円でご提供!」とうたってるけど、メーカー希望小売価格なんてものが元から存在しないとか。

 

数千円のワインを「100万円するあのワインと間違えるほどの美味しさ!」と言うだとか「受賞に最も近いと言われている」と言ってみたりとか。「赤字覚悟」「完全赤字」と言いながらもしっかり利益を出しているとか。

 

そういうことは致しません!!と。ワインに限った話ではなく、そういう売り方をする店ってたくさんありますもんね。

 

このお店は「どのワインがお買い得で、どのワインがお買い得でないのかといった判断は、ワイン初心者の方にとっては非常に難しいものです」とした上で、適正価格で安心して買えるような店作りを目指しているとのこと。素晴らしいと思います。



適正価格って、相当な知識がないと判断できないですよね。

 

メルカリに出品したことがある方は分かると思いますけど、価格設定難しいですよね。

 

カスタムキューだって、いきなり「このキュー、買値いくらだと思う?」って聞かれて正解に近い額を答えられる人って、極一握りだと思います。

 

定価を知っているプロダクトキューが高値転売されていたら「これはおかしい」って思えますけど、知らないキューが適正価格より高く売られていても「そういうもんなのかな」と思ってしまいます。私は。



精通している分野に関しては適正を判断出来る。疎い分野では判断できない。当たり前の話です。

 

玄人が素人を騙そうとしている場面を目撃した時。騙そうとしている人に対して「人を騙すのはどうなの?」と思うと同時に、騙される方に対しても「こんな簡単に騙されちゃって、大丈夫なの?」と思ってしまう。そういうこと、あるんじゃないでしょうか?

 

今日明日はそんな感じのお話です。



1本目

 

この話は載せたんだったか載せてないんだったか忘れてしまいましたが、とある道具マニアがとある売れ筋の道具に対して苦言を呈しておりました。「コストパフォーマンスが悪い」と。

 

「性能が悪いわけではないが、値段が高すぎる」「その値段を出すんだったらもっと良いものがある」とのこと。ようするに、適正価格ではないと感じたようです。

 

価格に見合った価値がないのにその道具が売れているもんだから道具マニアさんはモヤモヤしていたようです。その人の気持ちを代弁すれば「なぜこの値段で売れるのか」「買う人は物の価値が分からないのか?」という感じでしょうか。



似たような話ですけども、ネットオークションで明らかに偽物なカスタムキューが高値で売られており、売られているだけじゃなくて実際に売れてしまうという風景にモヤモヤを覚えている人が多いらしい。

 

「なんでこれが売れるの?」「買う人は偽物だと分からないの?」「売る方も売る方だが、買う方も買う方だ」と。

 

知識がある側としては、知識のない人達を騙そうとする人を見るとモヤっとするし、あっさり騙されてしまう知識のない人に対してもモヤっとしてしまうんですよね。



で、例によって話はハードブレイクに移るんですけど、私は昔っから言っているわけですよ。「手球が跳ねているだけのブレイクを高評価し、跳ねていない本当に強いブレイクを評価しないのはやめろ」と。

 

まさに「適正価格ではないものをホイホイ買ってしまう人」「明らかなフェイクニュースに釣られてしまう人」を見た時と同じ気分なわけです。価値の低いものを過大評価し、価値のあるものを過小評価している。

 

大して強くもないのに手球が大きく跳ねているブレイクは、高評価の真逆なんです。「下手」ですから。初級者がやらかしがちな「割れた押し球」「割れた引き球」と一緒です。

 

私はなんせハードブレイクが大好きなだけに、ハードブレイクに関わる間違った知識が広がると非常にモヤモヤする(;^ω^)

 

「手球が跳ねるブレイクが好きか、跳ねないブレイクが好きか」だったらどっちでもいいんです。これは好き好き。どちらも認められるべき価値観です。

 

けど

 

  • 大して強くないのに必要以上に手球が跳ねているブレイク
  • 非常に強く、手球が跳ねていないブレイク

 

この二択で前者の方を「強い!」「凄い!」というのは明らかな間違いなのです。これは「認められるべき多様性」「人それぞれの価値観」とかじゃなくて「間違い」ですから。

 

でもそんなことにモヤモヤしているのは私を含めた一部のハードブレイク好きだけであって、大半の人は「別に、ハードブレイクの知識なんてなくたっていい」「間違ってたって良い」くらいのノリなもんだから、いくら言っても暖簾に腕押しなんですよね。。。

 

一生涯をかけて啓蒙活動を続けるべきことな気がしてきましたw

 

明日に続く