1本目
近年は年末年始もなんやかんやと試合があるようですが、一昔前までは全日本選手権が終わるとしばらく公式戦がない期間が続いており、とあるプロが「新しいことはその時期に試す」と仰っておりました。
試合続きな時に新しいことを試してぶっ壊れてしまっては目も当てられない。どういう結果になるか分からないようなことは、試合のない時期に試すのだということだそうな。
この話から私が言いたいのは「新しいことを試したら、トッププロであっても調子は狂う」ということであります。
「調子が不安定」「波が大きい」
言葉だけ聞くとネガティブですが、経過を考えるとネガティブであるとは限りません。
- 下手
- 成長するために、色々と新しいことを試している
前者が原因なのであれば悪い意味合いですが、後者であれば調子が不安定なことも悪いことではないですよね。上達のために必要なこと。
一方の「調子が安定している」も
- 上手い
- 新しいことに挑戦していない
良い意味も悪い意味もあるわけです。
クラスの境目プレイヤーでありがちなのは、
- 下のクラスでは安定した勝率をあげるのだけれども、いつまで経っても下のクラスの人
- 勝ったり負けたりと不安定な球を撞くのだけれども上のクラスに上がっていく人
この2者の対比じゃないでしょうか。
これぞ正しく、目先の結果を求めるがあまり安定はするが成長はしない人と、先を見据えているために安定はしないが伸びていく人の差。
目先の結果を求める練習とノビシロを伸ばす練習とがあって、大事な試合の前には前者をやるべき。後者をやるのはアホです。
けども平時であれば後者を選択するのがべターですよね。前者ばかり選択していたら、成長は非常に遅々としたものになってしまう。
ま、結局はいつも通りの毒なんですけども、しばしば「俺は安定しているぞ!」という自慢をしている人に出くわします。
まず「自慢げ」って所で評価が下がります。何も言わなきゃ「あの人、いつも安定していて凄いなー」とでも思うかもしれませんが、自分から「どやっ!」ってしてきたら、そりゃ良い評価は出来なくなってしまいます。
自慢げな時点でまず評価が下がり、加えて「成長をしようとしていない」が安定の理由だと分かってしまうと、もう一段階評価が下がってしまう。
この話、結局は「自慢はよくない」というのが趣旨になるんだと思います(笑)
自慢さえしなければ「なぜその人は安定しているのか」なんて粗探しをしようだなんて思わないですもの。自慢をしなけりゃ「安定した球を撞く凄い人」で終わりなのに。
自慢をするから、「ドヤる人」で評価が下がり、加えて粗探しされてさらに評価を落とすハメになるっていうね。
自慢をしたいにしても「自分にはこんな長所があると思うんですが、どうでしょうか!褒めてほしい!」とか言えば、和やかな雰囲気になるはずなんですけどねぇ。
「俺はこんなに凄いんだぞ。どやっ!」ってやるから、誰からも評価されないんだってば。。。(何人かの顔を頭に浮かべている)
そこまで自慢げに話をしたいなら、粗探しをされても粗が見つからないくらいの結果じゃないといけませんわな。
2本目
昔っから度々出くわす主張で、私が球を始めたばかりの頃から今に至るまで一貫して「ちょっと何言ってるか分からないです」って思っているのが「球を撞いていなくても(撞きこんでいる時と比べて)同じレベルの球を撞くべし」みたいなやつです。
「球撞き頻度が低かろうが、練習時間が確保出来なかろうが、球が入らないなんてことは言い訳にしかならない!入れろ!」みたいな。
ストイック気取りな中級者が言っている事もありますし、初級者が自分よりも上手い人達に対して「上手い人達は、たとえ撞いてなくても変わらず球を入れますよね!」とか言っていることも多々あるわけですが
ビリヤード舐めてんの???
としか思えません(;^ω^)
練習してなくても変わらず球を入れられる?
いや、ほんと、舐めてんの??
もはやオカルトですからね、そんな主張。
やってなけりゃ下手になる。そんなのは当たり前の話です。ビリヤードだけの話じゃない。ありとあらゆることがそう。正常な思考の持ち主であれば「やってなくても下手にならない」なんていう主張にはすぐに違和感を覚えるはずです。
やってなくても下手にならないのは「上手い証拠」ではなく、真逆の「相当にレベルが低い場合」でありましょう。それ以上に下がりようがないところまで下がっている人くらいじゃないですか?やってなくても下手にならないのは。
「上手い人達は、たとえ撞いてなくても変わらず球を入れますよね!」という初級者は
- 自分より上手い人達の調子の良し悪しが見極められていないだけ
- 上級者に幻想を見ているだけ
これのどちらか、または両方でしょう。
この初級者の主張はそんなには気になりません。こういう人達は上手くなった先で現実を見て学ぶでしょうから、いつかは改善されるはず。自分も初級者の頃は同じようなことを思っていた気がしますし。
問題は、中級者が「俺は撞いてなくても変わらんぞ」とドヤっていたり、他人に対して「撞いてなくても球を入れろ!」と揚げ足取りをしていたりする場合。
4パターン挙げます。
- 言い方が悪い
- 「こんなストイックな自分格好いいでしょ」って言いたいだけ
- 夢見がち
- 自己暗示強すぎ
まず1について。
このパターンが最も多いと思うのですが、「撞いてなくても球入れろ」じゃなくて「言い訳の言葉を口にするな」と言いたいパターン。
誰かしらが「しばらく撞いてなかったから、球が入らない」と言い訳を口にする。それを見ていてイラッとしたという背景があった上で
- 事実だとしても、一々それを口にしなくてよろしい!
- 「撞けなかった」のなら仕方がないけど、「撞かなかった」だけだろう。球が入らなくなるのが嫌なら撞けよ!
- 「しばらく撞いてなかった」っての嘘だろう。昨日撞いてたやんけ!嘘をついでまでハードルを下げようとするな!!
などといった事を言いたいんじゃないでしょうかね。これは実際に私もそう思うことがありますので、分かります。上の3つのような事を言いたくなることはある。
ただ、上の3つのことを言い表すにあたって「撞いてなくても球入れろ!」はおかしすぎでしょ?全く趣旨が変わってるじゃんww っていうところがツッコミ所ですね。言い方が悪すぎる。
2について。
「俺は球を撞いてなくても入れるぜー」って格好いい風な事を言っている自分に酔っているだけで、実際には球入れてないとか。
「言い訳をしないストイックな自分格好いいでしょ」って言いたいだけとか。
そういう人はいますわな。格好よさげな事を言いたいだけ。
3について。
本当に「撞いてなくても球を入れるべき」「上手ければ、撞いてなくても変わらず球を入れられる」と思っているらしい人もいます。
漫画や映画の見過ぎでは???
そういう人はきっと転生チートにでも憧れているんでしょうね。
私にも「全くの無名状態で出た初の公式戦でいきなり優勝しちゃったら格好いい!」なんて妄想をしたことが昔ありましたw けど、そんなん不可能じゃないですか。いや、不可能ではないかもしれませんが現実的ではない。
「多くの猛者が参加しているハウスにハウスキューで参加して優勝しちゃったら格好いい」だとか「左手で勝負して舐められたあたりで『実は俺、右利きなんだよね』と言ってボコる」とか、そういうアホな妄想を口にすることはありますけど、本気で言っているわけではなくただの冗談です。そんなのは漫画の中の話です(ハウスキューで優勝した人はチラホラいますけど、それは単に周りのレベルが低かったていうだけの話なので、、、)
「練習してなくても球入れちゃうの凄い」なんてのも妄想です。現実的ではない。
昨日は「本人は格好いいと思っているらしいが、周りからはそう思われていない」という話をしましたが、この第3パターンは「出来れば格好いいかもしれないが現実的ではない、ただの妄想」ですね。
理想を追い求め過ぎるというのですら既に問題なのに、理想ですらなく妄想となるとさすがに。。。。
「球を撞ける時間が少なくても、極力影響が出ないように知識を体系づけよう」と考えて日々練習に臨むってのはなんら悪いことではなく、それは目指すべきこと。けど「撞いてなくても球入れろ」じゃオカルトだし、かつ人に押し付けるのは駄目ですね。
最後に4パターン目。
完全に特定の1人の人物の話ですが、その人の場合は「自分に言い聞かせるべき言葉が表に出ちゃっている」というパターンです。
その人は仕事が忙しく、あまり球を撞けない。当然安定しない。言い訳を口にしそうになるが、そんなことはしたくない。「撞いてなくても球を入れなくてはいけない」と自分に言い聞かせる。
言い聞かせ言い聞かせ言い聞かせ続けた結果、暗示が強くかかり過ぎて「撞いていなくても球は入るもの」と本気で思い込んでしまい、それを他人にまで押し付けるようになってしまった。「自分がこれだけ頑張ってるんだから、お前たちもやれよ」という気持ちもあるんでしょうね。
その人のビフォーアフターを私は見ているので「自己暗示ってこえぇな」と私は思っています(^-^;