鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

プロとアマと芸術と

1本目

 

皆様、「ビリヤードが好きな理由」を語れますか??


上手く言葉に出来ないっていう人もいるでしょうし、いくらでも語れるっていう人もいると思いますが、語れると思っている皆様。それは本当に本音ですか??

 


・深く考えず、表面的な「なんとなく」の感想でしかない

・そう口にした方が格好いいと感じる(自分に都合が良いように言おうとしている)

 


こういう理由、混じってませんか?

 


たとえば、ビリヤードにハマった理由として「ビリヤードをやれば異性にモテると思った」と口にする人がいます。


仮にこれが本音だったとして、その本音を口に出せる人といない人がいるんじゃないでしょうかw


出せる人は「面白いネタになる」と考えているのだろうし、出せない人は「そんな理由でビリヤードを始めただなんて恥ずかしくて口に出せない」と考えて、それっぽい建前を口にしちゃったりするのでは?しかも、その建前が癖になっていて無自覚な人もいそうです。

 


ビリヤードにハマった理由として

 


・他に趣味が無く、唯一の趣味なので大事にしたい

・メジャーな競技では同世代に上手い人が多すぎて勝てない。マイナーなビリヤードなら遅くから始めても勝負になると思った

 

 

が本音な人って、結構多いと思うんですよ。けど、その本音を格好悪いとして口に出せない人もまた多いと思う。


建前を取っ払って、本気の本気な本音で「ビリヤードが好きな理由」を言ってみようと思うと、、、、案外難しいんですよね。少なくとも私はボンヤリとしたことしか言えないです。


本音で好きな理由を語れるのは本当に好きな趣味だろうし、建前であろうともとりあえずスラスラ他人に何か言えることがあるのであれば「そこそこ好きな趣味」とは言えるんじゃないでしょうかね(笑)

 

で、ビリヤードと関係ないんですけど、私は芸術鑑賞という趣味があります。芸術っていうと音楽も含まれるはずで、今回音楽は除外したいので美術鑑賞と言い換えますね。美術鑑賞が趣味です。


一般の人と比べたらかなりの高頻度で美術展に足を運びます。


なぜ自分は美術鑑賞が好きなのかを考えると、これもまた良く分かりません。


自分は美術のセンスは0です。まともに接した経験は無くて小中高時代の図画工作の時間くらいですけど、その時点でセンスの無さがありありと発揮されておりました(笑)


というわけで、自分自身が美術を趣味にしているわけではないし、ウンチクもない。そういや大学で美術史の講義を受けた気がするんですが、単位を落とした覚えがあるな。。。w


全くの素人なのだけれど、見るのは好き。見ても良し悪しなんて全く分からないのだけれど、好き。


なんで好きなんでしょうかね?


「非現実に触れて現実逃避をしたい」っていうのは理由として大きいんじゃないかと自分としては思っているんですけど、それだけではない気もする。それだけではない気がするとは思えど、良く分かりません。

 


好きな理由が分からずとも、好きなもんは好きなのだから、とりあえず鑑賞に行く私。


以前にチョロっと書きましたが、今月から3月まで、各美術学校にて卒業制作展が行われています。


凄く楽しいですよ。無料でメッチャたくさんの作品に触れられる。かつ、全く知らない学校のキャンパスを探検も出来るわけです。至福。

 

お勧めです。なんとなく興味はあるけど、自分で調べる気までは起きないって方は、是非ご連絡をww

 

私は3月までは美術展三昧なせいで、球撞きは低速飛行です、、、芸術の冬!

 


今年もボチボチ卒業制作展が始まっており、ボチボチ足を運んでいるわけですが、「これは素人の私でも良さが理解しやすい」という作品から「全く意味が分からん」「頭の中どうなってるんだろう」という作品まで様々あります。そして、後者のような作品ほど「優秀作品賞」と記載されてたりして。。。


自分が素人だから良さが理解出来ないのだろうと思い、今年はまず美大生の知り合いに案内をしてもらいました。まずは本業の学生さんの意見を聞く。


続いて、講評会に参加してみました。展示されているのは学生の作品です。その作品について教授があーだこーだ言うわけです。


トップアマやプロの意見を聞きながら「なるほど。そういう観点で評価するのか」「うむ。評価のポイントは少し分かった」「しかし、評価の仕方が分かったという話であり、なぜそれを良しとするのかは分からん!!」と思っていた私です(笑)

 

 

そっから連想で考えていたことが「プロとアマ」というものでした。


ビリヤードでも度々「アマとは」「プロとは」っていう話が出ますよね。


「プロなんだから勝たなきゃいけない」「プロなんだから勝ちに拘って当たり前」という意見と、「プロなんだから魅せる球を撞かなきゃいけない」という意見と。


理想が「魅せた上で勝つ」なのは間違いないんですけど、そんなんはもうレイズみたいな人じゃないと無理なわけでして、レイズだってもしかしたら「勝つ」方に重きを置いていたらもっとずっと勝率が高かったかもしれません。


両立は難しいという前提の下、プロは勝つことと魅せる事のどちらに重きを置くかという話なわけですが、私は感情としては「魅せる」を重視してほしい。しかしながら、現実を見ると勝つ方に重点を置かざるを得ないですよね。


以前にも同じ例を出した気がしますが、プロ野球選手ともなれば上位は億単位の年収があり、1軍選手は充分な給料をもらえ、2軍であってもそこら辺のサラリーマンよりはずっと給料が良い。


だからこそ「魅せる」方に重きを置いた結果を二の次にしたような選手であっても食っていけるわけです。


ビリヤードはそれが出来ない。勝ってもロクな賞金が出ないんだから、魅せてる場合じゃない。魅せる事を上手く収入に繋げられるなら良いんでしょうけど、それもまた難しい。


勝つしかない。

 

 

反面、アマチュアはどうでしょう。勝ち負けが生活に関係してきません。


「趣味なんだから好きにやっていい」という意見が多く、その意見は多くの場合において「勝ちに拘る必要はない」というニュアンスで言われますよね。


けどもアマチュアだからこそ「純粋に勝ちを求められる」とも言えますよね。プロのように「勝つのが大事」「いや、魅せる方が大事だ!」などという論戦に巻き込まれなくていい。


マチュアなんだから「好きなように、勝ちに拘って良い」とも言えるわけです。

 

 

美術作品ってのも、「学生の間だけであり、卒業したら別の道に行く」っていう人だったら、それこそ好き勝手に作って良いわけじゃないですか。自分の作りたいものを作りたいように作れば良い。


けども、プロになるというのであれば、プロになった後の生活を考えなくてはいけない。売れる作品を作らなきゃいけない。


「多くの素人に理解してもらえるような作品」を要求するクライアントもいるだろうし、難解な作品を分かった気になって飾っておきたい金持ちもいるだろうし、本物の玄人もいるだろうし。


プロに理解してもらえる作品と、アマチュアに理解されやすい作品と、どちらを重視すべきなのか。結構難しい話です。


「多くの人にウケる」を目指すのであれば、世の多数派は「素人」ですから、素人受けする作品を作るべき。映画なんかは興行成績狙いで行くなら、こっち路線ですよね。


一方で、絵画なんかは素人受けを狙った所で、素人はどうせ絵なんて買いません。買うのは「玄人」か「玄人ぶった素人の金持ち」ですから、玄人受けする作品を描いた方が良いような気がする。


映画も、映画賞狙いで行くなら玄人受け。けど、玄人受けする映画は、興行成績はあんまり、、、

 

卒業制作展の講評会に参加した話に戻りますが、このネタを書いている時点で2校の卒業制作展に行き、両校で講評会に1件ずつ参加しました。


片方の教授がですね。めっちゃダメ出ししまくりなんですよ。アメ:ムチ=1:9くらい。


その教授のダメ出しを聞きながら「素人目線からすれば、すごくいい作品に思えるんだけどなー」「でも、その学生さんの将来のことを考えると、直していかないといけないことなのかな?」とか思っていました。


素人受けを狙うべきことと玄人受けを狙うべきことがあって、どちらが大事なのかは素人には判断出来ませんからね。。。


ビリヤードブロガーとして言いたいことはといえば「素人と玄人では考え方が全然違うから、実力が異なる人の意見に、むやみやたらに反抗しない方が良いぞ」ですww

 

 

2本目



卒業制作展。それはもう膨大な数の作品がありますゆえ、全てをジックリ鑑賞する時間なんぞとてもじゃないがありません。じっくりどころか、流し見するのですら時間が足りない。


申し訳ないけれど、チラッと一瞥して終わりにしてしまうことが多々。「作るのにかかる時間は膨大だろうに、見てもらえるのは一瞬。。。」と思っておりました。


そんなことを考えていた際に連想したのが、ご存知の方も多いと思われしピカソの逸話でした。


生前のピカソが街中でファンに出くわし、1枚の紙に絵を描いてほしいと頼まれる。


ピカソは快諾し、30秒ほどで簡単な絵を描き上げ「100万ドルです」と言って渡す。


ファンは驚き「この絵を描くのに、たったの30秒しかかかっていないのですよ?」と反論。


ピカソは笑いながら言う。「30年と30秒です」と。

 


この逸話って、瞬時に状況を把握して賛同する人と、「何言ってんの?」って思う人に大きく分かれるんでしょうね。


パソコンや家電関連の技術者の方々が、訪問修理に行った先で「そんなにすぐ終わるのに、こんなに技術料を取るのか!」とクレームを入れられて途方に暮れる、、、なんていう愚痴をしょっちゅう聞きます。


そんなクレームが多いもんだから、すぐに終わる作業なのに意味もなく時間をかけてみるなんていう話も(笑)

 

ビリヤードもですね。どうにもこうにも、上級者のことを軽視しすぎな人が散見されるわけですよ。


プロのレッスンにしても「たったの1時間で〇〇円は高すぎる!!」みたいな事を言っている人がいますけど、これぞまさしく「30年と1時間です」案件ですもんね(歴30年のプロと仮定しての話です)


上級者がそれまでに積み上げてきた時間と経験に対するリスペクトが足らん(足らないというか欠如している)初心者初級者ってのが20人に1人くらいいるよねーーーっていう話でした。


きっと、1つの道を突き詰めた経験ってのが、その人たちには無いんでしょうね。

 

 

3本目


素人にはプロの意見が良く分からんっていう話繋がりで。


テレビで野球を見ている時、「ここで1本出るか出ないかは大きいですよ」とか解説者が言っていて「え?当たり前でしょ?」「なんでそんな当たり前のことを言ったの?」みたいに思うことありません??


サッカーやその他、どの競技でも似たようなことはあります。


あれって

 


・他に言いようがない

・分かる人には分かる微妙なニュアンスがあり、私は素人だから理解出来ていないだけ

・解説者の解説が下手

 


どれなんでしょう?


最近は駅伝やマラソンの大会が多いので度々見ているんですけど、解説者が「ここからはスタミナが大事です」「彼はスピードがあるので」とか言っている場面がかなり多いんですけど、これまた素人の私にはニュアンスが分からない(;´∀`)


ラソンや駅伝で勝てる選手が、スタミナもスピードも持っているのは当たり前なんじゃないの?って思っちゃう。


どうしても自分が理解出来ないと相手のせいだって言いたくなっちゃうんですけど、解説者が悪いのか私の頭が悪いのか。。。。