鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

過度の一点集中

 1本目

 

この間、とある学生初級者が9ボールでのブレイクの狙い方について話していて、それが完全にソフトブレイク理論だったものですから「若い子の間でも、もはやロマンは消えてしまったのか」と愕然としていた私です(笑)


歴の短い若者なんて、一番ハードブレイクに憧れる時期だろうに、その時期にいるプレイヤーですら当たり前のようにソフトブレイクの研究をしているとは。

 


さて。I氏です。


I氏は元々はハードブレイク好きでした。私と同じくハードブレイクが苦手ではあるけれど、ハードブレイクに憧れがあるっていうプレイヤー。


試合に出た時、ファーストブレイクはまずは空振りをし、顔を赤らめながらの撞き直しで大場外をするというのがI氏の定番になっていたのですがw


そのI氏ですら、最近は試合での勝利を求めてソフトブレイクをするようになってしまいました。大人になれないのは私だけなのか。


I氏と実際に顔を合わせるのは1か月~2か月に1回程度なんですけど、ちょくちょくI氏から自撮り動画が送られてきてアドバイスを求められます。


9ボールを1人で転がしている風景なんですけど、そこでのブレイクがどんどん弱くなっていっているのが気になっていました。最初のうちは「抑え目のブレイク」くらいだったのですが、時を経るごとにどんどんパワーダウンしていき、最近などはサルドタイトラック時のデュエルみたいな力加減にまでなってきました。


そんな力加減でブレイクをした9ボールの様子を動画で送ってきて「何か悪いところはありますか?」なんて聞いてくるもんだから、「ブレイクが弱すぎなんだよ!」「弱すぎて配置が難しすぎ!!」「そんなん、プロだって完璧に取り切るのは難しいよ」と返信してしまいました。


その時送られてきた動画では、I氏は取り切ってはいたものの出しミスが何度かありました。その点を指摘するのは簡単なのですが、「私だってそれを入れて出すのは難しい」っていうような出しミスです。私どころか、プロだってたぶん難しい。


そんな出しミスに対する指摘をBクラスのI氏にするってのもおかしく、「そもそも、配置が難しすぎる」という点をツッコンだのでありますな。


昔の私ならいざ知らず、今の私はソフトブレイクをすること自体を否定する気は無いですが、ソフトブレイクの仕方に問題があったらやっぱり物言いはつけたくなる。ソフトブレイクとひとえに言っても色んなパターンがあるわけでして、I氏がやろうとしてるのはよろしくないのでは?と。

 

取り切り率を上げるようなパターンブレイクならともかく、自分も相手も取り切るのが難しい、半ばセーフティーブレイクみたいな形。Bクラスがやるブレイクじゃないかなーと。

 

 

 

それからしばらく後、I氏と組んでダブルスのハウストーナメントに出ました。


1球交代ですので、どちらがブレイクをするかを自由には選べません。その日、私は2回しかブレイクをした記憶が無いのですが、I氏は4回くらいブレイクしたんだったっけかな。


その日の試合の1回転目で呼び出され、バンキングで勝ち、I氏がブレイク。「よし。これから試合開始だぞー」っていう第1球目です。一斉ブレイクではありませんでしたが、試合開始直後ですので、方々から良いブレイクの音が聞こえてくる中、我らがテーブルでは

 

 


ペチンッ。。。

 

 

 

萎える。。。。


デュエルのブレイクは相手の戦闘意欲を削ぐとのもっぱらの噂ですが、たとえ「ソフトブレイクからのランアウト」の「ランアウト」の部分が抜けたとしても「極度に弱いブレイク」というだけで、充分に戦闘意欲削がれますね。。。。全く気合が入らない。


って、私は対戦相手じゃなくて、ペアなんですけどねっ!戦闘意欲を削がれてる場合じゃないっ!


I氏のファーストブレイクに関してはもう一点絶大なツッコミ所があったのですが、それは2本目で。


弱すぎるブレイクはやる気を削がれるってのは、私が慣れろっていう話かもしれません。ただ、I氏にツッコミたかったのは「取り出しが全く作れていない」ことでありました。


4回ブレイクして、ただの一度も配置を作れてないんですよ。プッシュアウトしたりセーフティーしたりばっかりでした。


なんのためのソフトブレイクなの?それってただの弱いブレイクだぞ?


I氏曰く「おかしい。普段ならちゃんと配置が出来てるはずなのに」とのことでしたが、慣れた店での一人練習での結果と、不慣れな店での試合での結果は違って当然なわけでね。


コンディションやシチュエーションに合わせて撞き分けられてこそのソフトブレイクであって、常に一定に撞いているだけじゃ、それこそ運任せのただの弱いブレイクでしかないわけで。。。


そうツッコミを入れたのですが、果たしてI氏は反省したのでしょうか。

 

 

2本目

 

私は、よく言えば視野が広く、悪く言えば一点に集中をすることが出来ません。


逆に、視野は狭いが一点に物凄い集中力を発揮できる人もいますよね。この間、この手の人は一種の発達障害であるっていう記事を見かけたんですが、本当なんでしょうかね。ある種、専門性に特化しているってことで進化な気もしますけど。。。


なんにせよ、どっちが良いとか悪いとかじゃなくて「違う」というだけ。何事も適材適所。自分の能力を活かせる場を見つけられればそれで良いだろうと私は思っております。


ですが、度々愚痴っております通り、やはり「集中力なさすぎww」などと馬鹿にされようものなら、「お前らの視野が狭いんじゃ!」「この単細胞が!」と反論したくもなってしまう青二才な私であります。


まぁまぁまぁ、そんな喧嘩腰の話はさておいて、ビリヤードにおいては後者のような「視野は狭いが、一点に物凄い集中力を発揮できる人」が有利でありましょう。

 

とはいえ、それが過度になると「周りが見えなさ過ぎ」「融通が利かなすぎ」という欠点の方が目立ってしまうなぁと思う出来事がありました。

 


I氏は私と比べたらだいぶ一点への集中力が高いプレイヤーでありますが、ダブルスに出た際に「さすがに視野が狭すぎる」と思う場面が2回あったのです。


1つはファーストブレイクの時の事です。


私たちはAとBのペア。相手はAAペア。なのでうちらには「I氏が撞く際には8番もハンデボールになる」というハンデがありました。


相手チームがブレイクでハンデボールを落としてしまったらフット上げ。一方で、私たちがブレイクで落としてしまったら戻ってこないというルールでした。なので、8番ボールはラックを組む際にブレイクで落ちづらい位置に置く必要があるわけです。


ところがI氏ったら、即死のところに8番を置きやがる。


私は油断しておりました。なんせ、直前までハンデボールの扱いについて話をしていたんです。なので、よもやI氏がしょっぱなからそんなミスをするとは思っておらず、私は来たる撞き順に備えてマイチョークの準備などをしていておりました。


そしてテーブルに目を向けた時には即死のところに置かれた8番ボール。既にブレイク体勢に入っているI氏。「これ(ハンデボールが)入っちゃうね」「うん。入っちゃうね」と口にしている相手ペア。「ここでストップをかけるのも、アドバイスってことでタイムアウト扱いになってしまうのだろうか!?」と悩む私。そのまま撞いてしまうI氏。ソフトブレイクの乾いた情けない音。転がり落ちる8番ボール。嗚呼、、、、、


まぁ、ハンデボール制に慣れていないとなると仕方が無いのかもしれません。私も8番ボールがハンデボールになるカーリートーナメントに出始めた当初は、何度か失念していた記憶がありますので、人の事は言えないかもしれません。I氏には「直前までその話をしていた」という大いなるツッコミポイントがありますけども。。。


ブレイクで8番を落としてしまった直後に私はI氏に言いました。「8番はハンデボールだから」

 


それからわずか2ラック後の事です。時間にして10分ほどでしょうか。


相手のシュートミスから、サイドポケット穴前に残ったラッキーな8番ボールに向かうI氏。9番ボールの位置を念入りに確認します。何度も確認します。出しを念入りに考えている様子。


私はそんなI氏の様子を「あほだなぁ」と思いながらしばらく眺めた後、対戦相手に「すみません。タイム取ります」と言ってタイムアウトを取りI氏に「入れたら終わりだから」と言いました。この日タイムアウトを取った唯一の場面だった気がします。

 


I氏「イレイチで良いってことですね!」


私「そう。。。。。。。。(えっ?ちょっと待って?)」

 


結果的には普通にI氏は8番を入れて得点になったから良かったんですけどね。


私は「(8番がハンデボールなんだから)入れたら終わりだから(出しは考えなくてもいい)」というつもりで言いました。それに対して「イレイチで良いってことですね!」と返ってきたので伝わったもんだと思ったんですが、私はすぐに間違いに気づいたのです。


I氏は「8番をイレイチしても、9番を入れてくれるってことですね!」っていう意味で言ってるぞ!?と。


この期に及んで、まだ8番ボールがハンデボールであるという事実を思い出していないらしい。


さすがに、同じ日も同じ日の、わずか10分間の間に2回もハンデボールを失念するってのは酷いですよ。しかも1回目は「直前までハンデボールの話をしていた」、2回目は「わざわざタイムアウトを取ってまで、思い出すキッカケになりそうなことを言われた」というオマケつき。

 

I氏はそれだけいっぱいいっぱいであり、目の前のことに集中しているってことなのかもしれませんが、これはさすがに「ビリヤードに有利な集中力」とは言えないなぁと思いましたね。


これも結局は「バランス」って話になるんでしょうかね。どこまでが良い一点集中なのか。どこからが悪い一点集中なのか。

 

そうそう。昨日、I氏は平撞きブレイクをする時だけグローブをするっていう話をしました。プレイ中は素手。平撞きブレイクをする時にはグローブをし、ブレイクを撞き終わったら外す。


ある時、素手でブレイクをし、撞き終わってから「グローブするの忘れてた」とか言い出すI氏。


本日の2本目では一点集中の良し悪しについて語ってみましたけど、単にI氏がボケてるっていうだけの話な気もしますね。。。