1本目
強く撞こうとした時に「キューを長く出せ！」というアドバイスがされることってありますよね。私も初級者だった頃に、そういうアドバイスは何度か受けました。
しかしこれは、人を選ぶアドバイスだよなーと思います。チョコチョコと縮こまったストロークをする人には「長く出せ」というアドバイスは良いかもしれませんが、グダグダとした大振りのストロークをしている人に「長く出せ」と言ったら欠点が悪化するだけです。
「長く出せ」なんてのは「私のストロークの場合は、長く出すイメージで撞くと良い結果が出るよ」くらいの話であって、一般論として言えるようなアドバイスではないよなーと思うわけです。
ハードブレイクをするにあたってのアドバイスでも「長く出せ」と言われることはあり、ブレイクの場合はさらに具体的に「ジョイントを越えてキューが出るくらい長く出せ」と言われたものでありました。
何か月か前にネット上でそういうアドバイスがされているのを見かけて「うわ。このアドバイス、久しぶりに聞いた（見た）ｗｗｗ」って私は思っていました。
私は過去にそういうアドバイスを受け、実際に自分でもそういう意識を持って撞いていたことがありました。読み返す気はしないですけど、たぶんこのブログでも大昔の記事では「ジョイントを越えるくらい長く！！」とか言ってるんじゃないかな。
しかしそこから歴を積みまして、今の思いはといえば「『出す出さない』じゃなくて『出る出ない』だよなー」です。
思いつくハードブレイカー達の動画を10人分くらい見てみれば分かると思いますけど、人によるわけですよ。ジョイントを越えて出ているような人もいれば、越えない人もいる。
抑えて撞いている時にはキュー出しが短いけれど強く撞くと長くなるような人もいるし、逆に抑えている時ほどキュー出しが長いっていう人もいる。
撞き方によるから、一般論として言えることじゃないでしょう。
特に「ジョイントを越えるくらい」なんていう具体的な部分に関しては、人それぞれのレストの長さ、グリップの位置、体格（手の長さ）で全く変わってきますからねぇ。
「キュー出しは長く」とか「ジョイントを越えるくらいまで出す！」なんてアドバイスは合う合わないがありますから、鵜呑みにはしない方が良いぞっていう話でした。
と、そんな話をしようと思ったキッカケは私自身のブレイク練習中の出来事です。
少しイメージを変えてブレイクをしてみたら、キュー出しの長さが15cmくらい変わったのであります。
普段のイメージでブレイクしますと、私のキュー出しはジョイントを越えません。ジョイントを越えるちょっと手前くらいのことが多いです。ジョイントまであとちょっとって所で止まる。
（参考画像として自撮りしたブレイク動画からフィニッシュシーンを切り出そうと思ったんですが、スピードスムーサーを使っているブレイク動画ばかりで、スムーサーによってジョイントが隠されていて、越えているんだか越えていないんだか写真からは分かりづらいのでやめましたｗｗ）
一方で、少しイメージを変えてみたらこうなりました。
ジョイントを越えて15cmくらい出てますよね。
この時変えたイメージってのはテイクバックのイメージでありまして、キュー出しに関しては何も意識しておらず、当然「長く出す」なんていう意識は全くしていませんでした。
本人は全く自覚がなく、後で自撮りした動画を確認してみたら「ずいぶんと長くキューが出てるな」と気づきました。
「キューを長く出そう」と意識しているわけではなく、撞き方のイメージを変えたら「キューが長く出た」っていうだけです。ただの結果。
ジョイントを越えてキューが出るハードブレイカーと言うと私はボーニングとかイグナシオとかが浮かんできますが、彼らも「出してる」んじゃなくて「出てる」だけなんじゃないかなーと思うのです。
そしてまた、ジョイントを越えないハードブレイカーなんていくらでもいますので、意識して長く出すことの意味は、、、、無い気がします。出たら出たで良いし、出なかったら出なかったで良いし、意識するべきことは別のところなんじゃないでしょうか。
2本目
この間I氏と球を撞きました際、1ゲームだけ10ボールをやりました。
I氏は普段はグローブをせず、プレイも9ボールのブレイクも素手で撞いております。一方で10ボールのブレイクだけはグローブを使うもよう。
平撞きブレイクの時だけはスムーサーを使うっていう人は少なくないですし、私もそうなので「素手で平撞きブレイクはしたくない（出来ない）」っていうI氏の気持ちは分かるのですが、「スムーサーを買えば良いんじゃない？」「この間ショップに行った時に買えばよかったのに」と私はI氏に言いました。
I氏は「スムーサーの方が良いんですか？」と聞いてきたのですが、良いとか悪いとかじゃなくて、平撞きブレイクの時にしか使わないんだったらグローブよりスムーサーの方が便利でありましょう。
平撞きブレイクの時しか使わないとなると、グローブだとその度に着脱の手間がある。スムーサーならブレイクキューにはめておけば良いだけ。手間がかかりません。
私はといえば、その時々でプレイでもグローブを使ったり使わなかったり、平撞きブレイクをスムーサーで撞いたりグローブで撞いたりと一定しません。
プレイでのグローブ使用がしっくりこない日もあるし、なんら気にならない日もあるし。しっくりこようがきまいが「シャフトが滑らない」という理由で使わざるを得ない日もあるし。
平撞きブレイクがスムーサーの方がシックリ来る日もあるし、グローブの方がシックリ来る日もあるし、どっちでも変わらんっていう日もあるし。
日替わりというほどの高頻度で変わりはしませんが、その時その時で何を使っているかが変わる私です。
一番多いパターンが「プレイは素手。平撞きブレイクはスムーサー」なんですが、上で載せた
この写真を撮った日はシャフトが汚れていたのか湿度が高かったのか、シャフトが滑らなかったのでグローブをして球を撞いておりました。
プレイでグローブを使っている時は、平撞きブレイクもそのまんまグローブで撞きます。わざわざグローブを外してまでスムーサーを使おうと思うことは無いし、グローブをしながらさらにスムーサーを使うってことも当然ないですし(笑)
グローブ着用にてブレイク練習をしていたら、キューが長く出るような新しいイメージが出来上がったのです。新しいイメージでの結果が良い感じだったので「当面このイメージで撞いてみようかな」と思いました。
翌日だったか翌々日だったか忘れましたが、次に球を撞きに行った日。その日はグローブをせずともシャフトが滑りましたので、素手で球を撞いておりました。平撞きブレイクはスムーサーにて。
ブレイクが当たらん当たらん。最初のうちは「まぁ、まだ撞き始めだし体が温まっていないんだろう」と思っていました。
しかし、しばらくしても全く当たる気配が無いので「新しいイメージだから、定着してないんだろうなぁ」「イメージが消えちゃったかなぁ」と思うようになりました。
さらに時間が経って（と言っても、この日は1時間ちょぃしか撞いてないので、大した時間ではないですがｗ）ふと思う所があってグローブをしてブレイクをしてみました。そうしたら当たりが戻ってきました。少なくともスムーサーで撞いていた時のような大不発っぷりにはならなかった。
なぜこんなにも当たり具合が違うのかと考えた時に思い当たったのがキュー出しの長さでした。
ここまで長く出すようなキュー出しだと、スムーサーだと途中で詰まっちゃうんですよね。ジョイントくらいまでなら良いけど、バットまでキューを出すとなると、スムーサーが引っかかっちゃう。グローブだったら自分のブリッジを緩めれば良いだけの話なので、素直にキューが出せる。
キューを長く出すような撞き方は、スムーサーだとやりづらいし、そういう撞き方を思いつきもしなかったのかもしれない。上の写真を撮った日は、たまたまグローブをしていたから新しい撞き方のイメージが湧いてきたのかもしれないなと思った次第でありました。
